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WEBコラム【第5話】人ば頼って良かとばい

更新日:202101190938


シリーズ「みんなで生きる、みんなが活きる」【第5話】

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みんなが気にかけている。でも、お互いを知らない

 「迷惑はかけて良かと。それが田舎の良かとこやけん。地域ちゃ、そげなもんやろ」。
 城島町に住む千代島勝則さんは、昔から地域の人や行事と関わることが好きで、現在は自治会長を務めています。
 千代島さんと同じ自治会に、障害のある男性と母親が2人で暮らす家があります。男性は原武禎治さん、61歳。パーキンソン病で、身体障害者手帳も持っています。今年の春、母親の入院によって、原武さんは一人暮らしになりました。
 千代島さんは「気にはしていたけど、いつ誰が家に居て、どうやって暮らしているかなど、詳しいことまではね。一人暮らしになったと知り、いよいよ気がかりになって」。

千代島さんのインタビュー風景

自治会の役員だけでなく、地域の祭りのお世話役などを務める千代島さん。自ら企画したイルミネーションの写真を見せながら「楽しんでやるのが大事。もとから好きとやろうけど」と話します

 7月上旬、久留米を記録的大雨が襲いました。その時、千代島さんは原武さんの安否確認ができず、気がかりな時間を過ごしました。実は、原武さんが通う就労継続支援事業所が、安全のため、施設に避難させていました。
 その情報が千代島さんに届いたのは翌日の朝でした。「介護サービスの人とか就労事業所の人もそれぞれ、もしもの時の支援を考えていたと思う。でも、お互いにつながっていないと、本当に大丈夫なのか確認できない。命に関わる状況を見過ごすかもしれないと、強く感じたんです。そこで、市役所に相談したところ、災害時のプランを一緒に作ろうと提案されました」。
 ここから原武さんの災害時マイプラン作成の動きがスタートしました。

原武さんの家を訪ねた千代島さん

原武さん宅を訪ねた千代島さん。できる範囲で家の周りの生垣や庭の手入れなども行っています

災害時の想定が日常の安否確認に行き着く

 災害時マイプランとは、災害時に「自分でできること」「必要な支援」などをまとめたもの。市社会福祉協議会のコーディネーターが仲介役となり、本人を中心に、家族や地域の人々、福祉の専門職などが話し合って作ります。みんなで考えることで、顔の見える関係づくりにも役立ちます。原武さんの場合は、千代島さんや、介護プランを立てるケアマネジャー、就労継続支援事業所、市社会福祉協議会と市地域福祉課の職員が集まりました。
 原武さんの病状や薬のこと、連絡が取れる友人など、具体的な生活情報から、課題や調整すべき項目を想定。災害時の課題を突き詰めるうちに、「朝起きて、体が動かなくなったときは?」、「家の外から異変を知る方法はないのか?」、「朝ヘルパーが来る前に原武さんがカギを開けている。そこで開いていないときは連絡を入れてもらおう」など、日常の安否確認に話が及びました。
 千代島さんは、関わる人の連絡網ができたことが何よりだと言います。「原武さんが突然動けなくなる可能性は、いつでもある。そういう時に近所の私たちをどう生かすか。昔から『遠くの親戚より近くの他人』と言うように、最終的には地域の力だと思うんです」。

マイプラン作成について話し合う関係者

原武さんの自宅に集まった関係者。原武さんの困りごとをはじめ、支援機関や事業所のサービスの現状、地域住民ができることなどを出し合いました

頼ってみようかなと思える関係に

 原武さんは策定の経過や過程を見て、安心感が増したと言います。「体の調子は波があって、不安はとても大きいです。だからこそ、近所の人が気にかけてくれるのは心強いです」。千代島さんは折に触れ「なんかあったときは、ほんなこつ電話せやんよ。携帯電話はすぐ近くにあるやろうね?」と声を掛けます。原武さんは「ここまで言ってもらえたから、頼ってみようと思えました。とても感謝しています」と答えました

完成したマイプランを確認する原武さん

完成したマイプランを確認する原武さん。本人の署名をもって完成となります。就労継続支援事業所にて

 9月末、原武さんの災害時マイプランは完成しました。台風時は介護施設、大雨時は自宅、災害別に安否確認・避難の流れを整理。緊急連絡先には千代島さんや担当の民生委員、近所の友人の連絡先が明記されています。
 「最近、人への迷惑を避けて遠慮し合う風潮があると感じます。それではお互いの顔が見えなくなる。支え合うためにはそこを超え、関わりながら生活しないと」と千代島さんは話します。
 千代島さんのような人が居るから実現したのだと、割り切ってしまうのは簡単です。今後、社会保障制度だけでは支えきれない状況が増えてきます。誰でも安心して暮らせる地域になるために何が必要なのでしょう。誰でもいつかは誰かに頼るのですから。

(第5話終わり)


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