トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【57】子どもたちが自分を大切にできる環境へ
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更新日:2026年02月05日 16時39分
久留米市で、生きづらさを抱える子育て世帯を訪問したり、子ども向けの学習支援を行ったりしている「わたしと僕の夢」の日下さんに聞きました。
日下慈さんプロフィール
認定NPO法人「わたしと僕の夢」の相談員。生きづらさを抱える子育て世帯の悩みに寄り添い、学習や生活面のサポートを行う
私たちの団体は、約20年前に困窮世帯の子どもを対象にした学習支援を始めました。子どもたちが勉強につまずく背景にあるのは、経済的な困窮や親子関係のもつれ、学校生活の悩みなどさまざま。放課後になると、子どもたちは私たちが開く学習塾にやって来て、勉強したり実家のようにくつろいだりしています。ここでは、家庭の話や悩みを打ち明けても受け止めてもらえます。子ども同士で共感し合い、安心できる居場所になっているんだと思います。
ある時、高校受験を諦めている中学生に出会いました。家を訪れると、床に物や衣服が散乱し、足の踏み場もない状況でした。子どもたちが家事を担い、保護者からの度重なる叱責もあって、何もかも我慢する癖がつき、とても勉強できる環境ではありません。そこで私は、保護者と丁寧に話し合い、声の掛け方や生活習慣を見直してもらうことで、その子は高校受験に臨めるようになりました。
私自身も家庭の複雑さを抱えたまま大人になり、子育ての悩みを相談できず、困り果てた経験があります。日々の活動の中でも、誰に相談していいか分からない人や、困っている状況を認識できていない人に出会います。相談のしづらさは私もよくわかるので、相談を待つのではなく、「気にかけているよ」というメッセージが伝わるよう心がけています。
誰もが人知れず悩みを抱えています。生まれ育った環境によって将来が左右されないよう、どの子にも思いやり、声を掛け合う社会にしたいですね。
「うれしかったことを誰かに話せるだけで安心できる人もいますよ」と話す日下さん