トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【48】病気を抱える子が生きやすい社会に
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更新日:2025年05月21日 17時12分
小児がんなどで入院している子どもたちやその家族への病棟ボランティアや、啓発活動に取り組む「木曜会」代表の石橋ひとみさんに聞きました。
石橋ひとみさんのプロフィール
木曜会(久留米大学病院小児科血液グループ親の会)の代表。小児がんの啓発活動などに取り組む
15年前、当時9歳半だった息子を3年半にわたる闘病の末、小児がんで亡くしました。近年、小児がんは約8割が治癒すると言われますが、その闘病生活は厳しく、つらいものです。入院中は家族の付き添いが必要なため、日常が一変します。だからこそ、闘病する患者本人はもちろんのこと、家族へのサポートやきょうだい児に対する周りの声かけが大切です。
「木曜会」は昭和56(1981)年に同じような病気の子を持つ親同士、悲しみや苦しみを分かち合い、支え合えるようにと発足しました。久留米大学病院小児科血液グループの外来曜日にちなんでいます。情報が少なかった当時と比べ、今はSNSで簡単に病気の情報や交流が得られる時代です。しかし、大切なのは画面上ではなく、対面のつながり。直接会い、表情や声のトーン、しぐさなどから相手の気持ちを読み取り、寄り添うことで、信頼関係が構築できるものだと思います。
長期的な治療による後遺症で新たながんを発症する二次がんや低身長、心機能障害などの晩期合併症(※)が現れることがあります。合併症によっては症状が外見で分かりにくく理解されずに苦しむ人がいます。闘病による学習の遅れで学校に復帰できない人や、社会に出ても思うように働けずネガティブ思考になり、社会との関わりを避ける人もいます。それぞれの人が抱える背景を想像し、知ろうとすることが大切です。その上で、闘病しながら頑張っている子どもたちが生きやすい社会にするための継続的な支援が必要だと思います。