トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【29】「当たり前」を変えていく
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更新日:2023年09月27日 09時09分
男女共同参画社会の実現に向けて久留米市は10月1日からの1週間を「久留米女性週間」と定め、市全体で男女平等を考える期間としています。「久留米男女平等推進ネットワーク」会長の堀田富子さんに話を聞きました。
私が男女平等問題に関わるきっかけは、小学校の教員の時の体験です。約50年前、教え子たちに将来何になりたいかを聞くと、男の子は職業で答えるのに対して、女の子は「お嫁さん」と性別による役割分担の意識がはっきり出ていました。その考え方が家でも学校でも「当たり前」だったんです。そんな中、教員による女子教育(現在の男女平等教育)の取り組みが始まり、学習グループ「さあくる」が立ち上がりました。そこに参加し、学習していく中で、今まで「当たり前」だったことが、実は人権問題であることを知りました。例えば学校のランドセル置き場は男子が上段、女子が下段、名簿順や整列順は男子が先というのが普通でした。そこであえて順序を逆にすると、児童たちも「当たり前」に対して疑問を持ち始めました。現在は男女混合になっています。日頃の「当たり前」の違和感に気付き、変えていくことが大切だと思いました。
女性は家事や子育て、介護をしながら働くものという考えは、「男は仕事、女は家庭」という性別役割分担意識によるものです。その考えが今でも残っているため、新型コロナで仕事を失った女性がたくさんいます。地域社会を見ても、校区コミュニティ組織の代表はほとんどが男性です。慣れ親しんだものの背景にある男女の格差に気付き、正すことがジェンダー平等社会をつくるということだと思います。男女平等問題の解決は、女性だけでなくみんなが暮らしやすい社会をつくることです。性別役割分担意識をなくしていけば、女性も男性もマイノリティーの人も、誰もが住みやすい社会になると思います。10月7日と8日、えーるピア久留米で開催される記念事業「くるめフォーラム」は、「当たり前」を考えるきっかけになります。一人でも多くの人に参加してもらい、男女平等について一緒に考えていきたいですね。
性別役割分担意識をなくしていくという思いでさまざまな取り組みをしてきた堀田さん