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シリーズ【28】隠さなくていい。みんなで見守ろう

更新日:202308300842


隠さなくていい。みんなで見守ろう

 認知症高齢者は令和7年には、全国で700 万人を超えると言われています。「認知症サポーター養成講座」の講師であるキャラバン・メイトとして、認知症への理解を深める活動をする堀江桃子さんに話を聞きました。

堀江桃子さんの写真

認知症だから分からないだろう

 私が介護や認知症に関わるようになったのは約30 年前、夫の祖父母の介護がきっかけです。その頃の介護施設は、おむつを勝手に脱がないようにつなぎ服を着せたり、立ち上がらないよう車椅子に拘束したりしていました。当時はそんな介護ばかり。今では考えられないことです。認知症高齢者には人権も尊厳もありませんでしたね。「認知症だから、何も分からないだろう」という考えが当たり前でした。私は疑問を感じ、介護や認知症について学び始めました。

いつまでも大切な「役割」

 介護事業所を運営しながら、平成21 年からキャラバン・メイトとして活動していますが、今でも学びの連続です。私の祖母も認知症になり、祖母は「トイレも自分でしきらんくなって、何の役にも立たん。生きとる意味がなか」と言うのです。心身ともに弱り、介護施設に入りました。そこで洗濯物たたみや野菜の皮むきなどの役割を果たすうちにみるみる元気になって、歩けるまでになりました。数年前に93 歳で亡くなるまで「忙しかー」とうれしそうに言っていました。認知症になっても役割を持つことは大切だと、改めて気づかされました。

正しい知識を持って見守る

 認知症のことを知る人が少しずつ増えていますが、偏見も多いです。近所に知られないよう施設名が入っていない車で送迎してと言われたり、認知症の家族がいるからとお見合いを断られたりした人もいます。認知症は誰でもなりうる脳の病気。決して恥ずかしいものではありません。隠さなくていい。正しい知識を持ち、認知症高齢者を見守ってほしい。認知症サポーター養成講座は学校や会社、地域で開催されています。まずは認知症を「知る」ところから始めましょう。「隣のおばあちゃん、認知症なんだって。会ったらちょっと声をかけよう」とみんなで言い合える社会を作っていきたいですね。

話をしている堀江さん
「認知症は本当に奥が深い」と語る堀江さん

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