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シリーズ【27】「障害がある子」より名前で呼べる関係を

更新日:202310270912


「障害がある子」より名前で呼べる関係を

 久留米市は、障害者差別を禁止する条例を制定する準備を進めています。内容の検討に関わった団体のうちの1つ、NPO法人「久留米市手をつなぐ育成会」の藤野薫さんに話を聞きました。

藤野薫さんの写真

近所のつながりに救われて

 私たち育成会は、昭和27(1952)年に東京で結成された、知的障害がある人の保護者を中心とした全国組織です。久留米市では昭和50(1975)年に発足。障害がある人が地域で豊かに暮らしていこうと、現在140世帯の会員が活動しています。
 私には知的障害がある28歳の息子がいます。息子が小学生の頃、登下校で寄り道をしたり、病院の中を通り抜けたりして帰ることが度々ありました。探し回っていると警備の人や店の人が「あそこにいたよ」と顔と名前を覚えて教えてくれてとても助かりました。会員の中には、障害のあるなしに関係なく、放課後、小学校からの友達と自宅で遊ぶ中学生もいます。近所の友達の関係は何よりの宝です。何か困ったことがあれば、以前は保護者同士で相談し合っていましたが、だんだん専門職だけを頼り、地域とのつながりが薄くなっているように思います。福祉サービスの充実は必要ですが、障害がある人の暮らしや人とのつながりが、家庭と福祉関係者だけになってしまうのではと心配しています。

家族の悩みも支え合う

 家族ぐるみの交流に始まった活動は、障害があっても地域で暮らし続ける環境づくりへと発展しました。最近は保護者の高齢化に直面。障害がある人のきょうだいから親の介護相談が寄せられています。保護者の人生、保護者なき後の障害がある人の人生、大変な時期こそ支えられる関係性を作りたいと思うようになりました。
 そこで、本人や家族が安心できる場を作ろうと、平成28年からオープンスペースを運営し始めました。市内3カ所に誰でも寄れる場所が誕生。自然に出会う場があるとお互いの理解も進み、思いがけないことも一緒に楽しめます。出会いを通じて、地域で「障害がある子」と捉えるのではなく、「○○さん」と名前で呼び合う関係ができればと思っています。

藤野さんと育成会の方々
育成会の仲間と今日も笑顔

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 協働推進部人権・同和対策課
 電話番号:0942-30-9045 FAX番号:0942-30-9703 電子メール(専用フォーム)でのお問い合わせ

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