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シリーズ【25】当事者がいる前提の社会づくりを

更新日:202305291726


当事者がいる前提の社会づくりを

 好きになる相手の性別、性自認のあり方などで多数派とは異なる性のありようを持つ人たちを総称して性的マイノリティーといいます。その理解を促進するため、国でもLGBT理解増進法の制定が進められています。九州大学で性的マイノリティーなどについて研究する社会学者の井上智史さんに話を聞きました。

井上智史さんの写真

性別を理由にした不当な扱いは今も

 私は福祉社会学という分野で、人が排除や差別されない社会を形作るために必要なことを調査研究しています。中でも、ジェンダーや性的マイノリティーに着目していて、学生への講義もしています。学生からも、性別を理由に不当な扱いを受けたことがあるという声が聞かれるんですよね。例えば、男性は4年制大学、女性は4年制でない学校を周りが勧めることや男性だからと力仕事を押しつけられるといったこと。当たり前と思っていたことが実は差別になっているということもあります。
 性的マイノリティーについての調査結果で、ある程度関係性に距離がある人のことだと「受け入れられる」と考える人がいる一方で、家族や親しい関係にある人だと「受け入れがたい」と考えてしまう傾向があるそうです。当事者は信頼している人から「性的マイノリティーは大変」や「あなたのためを思って」と言われ、ありのままの自分を否定されることも。それは当事者にとって、とてもつらい思いを抱え、傷つくことになると思います。

理解していく歩みを止めない

 性別は男女に必ず分けられるものではなく、多様であり複雑なものです。性的マイノリティーかどうかは、周りから見て分かるとは限りません。普段接している人が当事者であることも。当事者がその場にいるから対応するのではなく、いるかもしれないと考え、排除しない社会の仕組みを作っていくことが必要です。どんな場面で、誰が生きづらさを感じているのかを想像し、自分の生活している範囲で当たり前になっていることへ問いかけをするところから始めてほしいですね。啓発や研修などで学んだことがある人も、一度学んだから大丈夫ではなく、理解する歩みを止めないことが大切です。

話している井上智史さんの写真
「排除するのではなく社会の一員として支え合っていけたら」と話す井上さん

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