トップ > 計画・政策 > 人権・同和問題・男女平等 > 人権啓発 > 共に生きる(広報紙) > シリーズ【20】まずは障害を知ることから
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更新日:2022年12月27日 18時37分
久留米市は、さまざまな障害がある人たちと話し合いながら障害者差別の解消に向けた条例の策定を進めています。条例の検討に携わり、自身は「高次脳機能障害」のある田端浩一さんに話を聞きました。
平成20年、私は交通事故に遭い、脳内出血を起こしました。なんとか一命は取り留めたものの、右半身のまひや高次脳機能障害などが残りました。高次脳機能障害は事故や病気の後遺症で起こる障害で、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害が主な症状とされています。似ているものとして認知症が挙げられます。認知症と違い加齢による進行はせず、人によって障害の程度や症状もさまざまです。私も数分前の言動を繰り返したり、「あいうえお」すら出てこなかったりもしました。感情のコントロールもうまくできなくなり、家族に怒りをぶつけて、疲れて寝て、起きたら怒っていたことすら忘れるということもありました。
高次脳機能障害は身体的な障害と違い、外見では分かりにくいため「見えない障害」といわれています。周りから理解が得られにくく、「怠けている」と捉えられることもあり、つらい思いをします。障害のことを知っていれば、接し方も変わってくるはずです。知らないが故に、偏見や差別が生まれるんだと思います。少しでも関心を持つことが、「見えない障害」を見えるようにする第一歩だと思います。
平成30年5月から、障害のある当事者などの市民活動団体35団体で構成する「久留米市障害者差別禁止条例をつくる会」に参加し、さまざまな障害のある人たちと議論しています。自分と同じようなつらい思いをしてほしくない、障害のある人たちのサポートになればと思い参加しました。現在、市が進めている障害者差別禁止条例(仮称)の検討ワーキンググループのメンバーでもあります。条例を通して、さまざまな障害への関心・理解が進み、誰もが生きやすいまちになっていってほしいと思っています。
資格の勉強をした記録はあっても記憶にないことも。諦めずに反復したそうです。