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決算の概要

更新日:201109211718


平成22年度の経済及び財政の状況

 平成22年度の日本経済は、前半に生産・企業収益・個人消費の持ち直し傾向が見られたものの、中盤からは景気が足踏み状態となり、失業率も高い水準が続きました。そのため、政府は、9月に「円高等の景気下振れリスクへの対応、デフレ脱却の基盤づくりのための緊急的対応」として9,179億円の予備費活用を閣議決定し、10月には「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」として4兆8,513億円の補正予算を計上しました。その後、自律性は弱いながらも景気が持ち直しに転じましたが、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響が懸念される中で年度末を迎えました。
 一方、平成22年度地方財政計画では、低迷が続く地方経済への配慮として、地方交付税総額を1.1兆円増額し、当面の地方単独事業実施財源を確保するとともに、引き続き生じている大幅な財源不足を、財源対策債や臨時財政対策債の発行などで対応しました。
 その結果、22年度末の国と地方を合わせた長期債務残高が869兆円程度と見込まれるなど、国や地方の財政は依然として厳しい状況にあります。

平成22年度の決算収支の概要

 こうした中、久留米市では、次の5つの視点で重点的に事業を実施し、それぞれの課題の解決や、将来を見据えた基盤整備などに取り組みました。
子育て支援や教育などの人づくり、人権の尊重の視点
 「赤ちゃんの駅」設置に対する助成、子育て支援メールマガジンシステムの構築、全公立保育所へのエアコン設置、小学生の入院にかかる医療費への助成、中学校へのスムーズな入学を支援するためのコーディネーターの設置、専門家による不登校改善プログラムの実施、DV対策基本計画の作成など
医療・福祉など安心できる地域づくりの視点
 健康づくり推進員事業、セーフコミュニティー認証取得に向けた調査、防犯灯設置費全額助成、旧4町校区コミュニティー組織設立支援、障害者ケアホーム設置費助成、障害者入所施設耐震化助成、エコアクション21推進事業・省エネルギー機器等導入・屋上壁面緑化助成、障害者相談支援拠点の増設、地域密着型介護老人福祉施設整備への助成など
農・商・工業の元気づくりの視点
 中小製造事業者の製品開発等支援のためのものづくり振興事業、販売力の強化を図るための観光農業推進モデル事業・売れる米づくり支援事業、園芸農業への先進技術等導入補助事業、機能性食品の商品化を進める試験研究機関成果導入モデル事業など
賑わいづくりや広域求心力づくりの視点
 九州新幹線開業効果を最大化するための新幹線プロモーション推進事業・新幹線開業効果観光活用事業・高島野十郎展開催助成・旧六ツ門プラザビルへの児童センター・図書館分館等設置事業、B級グルメの祭典開催助成、花と緑の景観整備、街なか居住を促進するための地域優良賃貸住宅建設助成など
行財政改革による質の高い市役所づくりの視点
 統合型パッケージソフトを導入して効率的な情報処理システムを構築すると共に、今後10年間で16億円程度の経費節減を図る情報処理システム全体最適化事業など

 加えて、補正予算では、国の経済対策に対応するための事業費として32億5,876万円を計上し、待機児童ゼロ実現に向けた私立保育所などへの施設整備費助成や、小中学校校舎の耐震化などを行い、懸案課題の解決に繋げるとともに地域経済の浮揚に努めました。
 その結果、平成22年度の一般会計歳出総額は1,232億7,205万円で、前年度比2.2%増となりました。義務的経費では、人件費が減少しましたが、扶助費が前年度に引き続き増加するとともに、公債費が増加に転じています。
 一方、歳入総額は1,251億8,896万円で、歳入の根幹である市税は対前年度比0.4%の増となりました。収納率の向上や、景気低迷で落ち込んでいた法人市民税収入が回復傾向にあることが主な要因です。地方交付税は、国の特別措置等により前年度に比べ21億2,543万円増加しました。地方債は、国が地方交付税交付の代替措置として発行を認める「臨時財政対策債」の借入額増加により、年度末現在高が増加しました。
 また、当初予算に計上していた主要4基金(財政調整基金・都市建設基金・土地開発基金・減債基金)からの繰り入れは行わず、「決算時点での主要4基金取り崩しゼロ」を達成できましたが、地域振興基金を始めとする特定目的のための各種基金から12億591万円の繰り入れを行いました。その結果、形式収支は19億1,691万円、実質収支は9億7,259万円の黒字となりました。なお、経常収支比率は、前年度に比べ2.6ポイント好転し91.7%になりました。これは行政改革による人件費の縮減や国の一時的な特別措置で普通交付税が増加したことなどが主な要因です。
 このほか、国民健康保険事業など14の特別会計の歳出決算額は、総額819億6,707万円で、実質収支はいずれも黒字決算となりました。

財政運営の展望

 わが国の景気について内閣府は、2011年8月の月例経済報告で、東日本大震災の影響で厳しい状況にあり、先行きは、サプライチェーン立て直しなどを背景に持ち直し傾向が続くことが期待されるが、電力供給の制約や海外景気の下振れ懸念など下振れリスクが存在する、などとしています。
 また、政府は現在、増え続ける社会保障費への対策として「社会保障と税の一体改革」について検討していますが、改革の実施に当たっては地方財政への影響も懸念されることから、国と地方を通じた社会保障制度の安定財源確保の動向等について注視していく必要があります。
 加えて、平成24年度からは、市町村に対する「ひも付き施設整備補助金の一括交付金化」が予定されていますが、現時点では市町村財政への影響などの詳細は不明で、今後、国の予算が編成される過程で明らかにされる見込みです。
 このような中、平成23年3月には九州新幹線が全線開業し、本格的な都市間競争時代の幕開けを迎えています。久留米市では、これを市発展の最大の機会と捉え、地域資源を磨き上げるとともに積極的な情報発信を行い、交流人口の拡大、定住の促進につながる九州新幹線の主要駅にふさわしいまちづくりに向けた取り組みを進めているところです。
 今後の久留米市財政は、国の動向が不透明であることなどにより、見通しが立てにくい状況にありますが、中期的には、合併に伴う財政支援措置の終了時期を迎えることになります。そのような中でも「協働性と戦略性」を基本に、市民生活の安心、安全の推進を通した地域経済の活性化と税源涵養策の推進、「人」に焦点をあてた福祉、人づくり施策の充実、市民の負託に応えられる質の高い市役所づくりや不断の行財政改革への取り組みなどにより、市民福祉の増進と持続可能な健全財政の確立に努めていきます。

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