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令和7年第2回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202506061312


  1. はじめにこのリンクは別ウィンドウで開きます
  2. 防災・減災対策についてこのリンクは別ウィンドウで開きます
  3. 久留米市の人口についてこのリンクは別ウィンドウで開きます
  4. まちの成長に向けた取組についてこのリンクは別ウィンドウで開きます
  5. 報告事項このリンクは別ウィンドウで開きます
  6. 各議案の提案理由説明このリンクは別ウィンドウで開きます

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 令和7年第2回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集を賜り、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております各議案の提案理由をご説明申し上げますが、はじめに、防災・減災対策、久留米市の人口、まちの成長に向けた取組について述べさせていただきます。

2.防災・減災対策について

 まず、防災・減災対策について申し上げます。
 今年も梅雨入りの時期を迎えました。過去の災害等を踏まえ、最大限の備えを進めております。
 豪雨災害の克服に向けて、これまで、貯留施設の整備や河川の護岸嵩上げ、排水施設やフラップゲートの設置、河川等の浚渫など様々な対策を進めてきました。対策の進捗や適時の施設稼働などにより、その効果が目に見える形で現れてきているところです。
 筑後川や巨瀬川の対策など、国・県主体の事業についても着実に進めていただいております。そうした中、特定都市河川の指定について、昨年12月に指定を受けた下弓削川、金丸川、池町川に加え、巨瀬川流域についても国で検討が進められており、国や県と連携して地元説明会などの取組を行っております。
 また、令和5年7月の大雨災害の復旧工事については、他自治体からの応援をいただきながら計画どおり進めることができており、今後の大雨などに備えた土砂災害地域の対応についても、県と連携して進めております。
 さらに、協働による取組も進んでおります。先月の「みんなで流域治水!」には、これまでで最も多い約1,800人の方々に参加をいただく予定となっておりました。残念ながら雨のため中止となった取組もありますが、市民の皆様の防災意識の高まりが感じられ、地域全体での防災・減災対策として意義深い取組だと改めて感じております。中止した取組は、改めて8月までに実施したいと考えております。
 このほか、田んぼダムの拡大やクリークの先行排水、ため池の低水位管理など、様々な取組が進んでいます。
 あわせて、安心して避難できる環境の整備を進めております。これまで、備蓄物資の充実や災害の状況に応じた指定避難所の見直しなどを行ってきました。こうした取組に加え、今年度は、より身近な場所での避難が可能となるよう、自治会集会所や民間事業所、医療施設や福祉施設などを利用して、地域が独自に開設する避難所への支援を開始しました。また、総合福祉会館内には、医療的ケアを必要とする人を対象とした避難所の環境整備を進めており、今月中旬から運用予定としています。
 このように、ハード・ソフト両面から様々な対応を進めてきておりますが、いつ、どこで災害が発生するか想定が難しい中で、被害を最小限に抑えるには、市民の皆様の避難行動が何より重要となります。こうしたことから、今年も4月から5月にかけて、私自身が地域に出向き、校区コミュニティ組織の会長や自治会長の皆様に、浸水対策の取組状況について説明し、啓発動画も使いながら早期の避難を呼びかけました。また、専門家の協力のもと、中学生を対象とした防災教室や、土砂災害警戒区域がある校区で災害危険個所や避難可能な場所などを確認する、フィールドワークを実施していく予定です。
 大雨の季節を前に、できる限りの対策を行っていきたいと考えております。

3.久留米市の人口について

 次に、久留米市の人口について申し上げます。
 令和6年度末の久留米市の人口は、299,539人と、年度末の人口としては、平成17年の広域合併後初めて30万人を下回りました。
 人口減少の要因としては、出生数と死亡数の差である自然動態のマイナス幅が、拡大していることがあげられます。出生数は1,999人と初めて2千人を下回り、死亡数はこれまでで2番目に多い3,824人となりました。
 一方で、転入・転出の差である社会動態は、令和4年度から3年連続で増加しています。外国人の転入が大きな要因ですが、ここ数年、日本人も転入超過傾向となっています。令和6年度の日本人の転入超過は61人で、20代から30代前半を除くほぼすべての年代で転入超過となっています。
 その詳細をみますと、コロナ禍を除いて増加傾向となっていた市外への転出者の数が減少に転じ、令和5年度と比較すると535人の減少となっています。
 こうした傾向の背景には、久留米市の住みやすさが市民に実感されてきたことがあるのではないかと考えています。令和6年度の市民意識調査では、久留米市の「住みやすさ」は93.2%と過去最高となり、令和4年度から3年連続で9割を超えました。子育て世帯向けの総合的な支援、福祉施策、地域産業の振興や企業誘致、そして、防災・減災対策の推進など、これまでの取組が徐々に住みやすさにつながってきていると感じています。
 しかしながら、20代から30代前半の転出超過は続いています。この世代の減少は市の活力維持や自然動態に大きな影響を及ぼします。若者に魅力ある雇用や楽しみの創出、都市空間の整備など、若者にも選ばれるまちに向けた取組がさらに必要だと考えております。
 一方で、世帯の状況をみますと、14歳以下を含む子育て世帯が転入超過となっています。医療環境や利便性のよさに加え、近隣に親族がいることなどがその要因としてあげられ、こうした特徴を活かした移住定住の取組をさらに検討する必要があります。
 現在、策定を進めています次期総合計画においては、「人口減少に本格的に向き合ったまちづくりへの転換」を今後のまちづくりの視点の一つとして、施策の取りまとめを行っているところです。人口動態やその背景、関係する様々な要因をしっかりと分析し、将来を見据えて必要な施策を立案していきたいと考えております。

4.まちの成長に向けた取組について

 続きまして、まちの成長に向けた取組について申し上げます。
 人口減少社会においても、活力にあふれ、市民が安心して暮らせるまちであり続けるためには、まちが成長し続けることが重要となります。
 まちの成長に向けては、人が暮らし集い、活動する場としての都市の機能を高め、魅力を向上させる「地域の核づくり」と、まちづくりの主役である「未来を担う人づくり」が大きな要素になると考えております。

(1)地域の核づくり

 まず、地域の核づくりについてです。
 地域の核づくりにおいては、久留米市がもつ多様な地域資源の特徴を活かしながら、経済や社会活動、住環境などに幅広く波及効果をもたらすような取組としていくことが重要です。
 市の中心的な拠点として、その発展をけん引してきた中心市街地は、都市基盤や都市機能の大きな更新がなされてきておらず、広域的な求心力が低下してきている状況があります。市のさらなる成長に向けては、中心市街地の活性化が不可欠であり、特に、市の玄関口であり、交通結節機能や都市機能が集積している、JR久留米駅と西鉄久留米駅の周辺地域の活性化が重要となります。こうしたことから、現在、JR久留米駅前の再開発事業の支援や、西鉄久留米駅周辺整備の構想策定などに取り組んでいるところです。2つの拠点駅があることのポテンシャルを十分活かしながら、時代に即した魅力的な中心市街地となるよう、市民や事業者などと連携して、様々な可能性を探りながら取り組んでまいります。
 また、災害に強く利便性の高い道路ネットワークの形成に向けて、関係機関と連携し、久留米南スマートインターチェンジ(仮称)の整備を進めております。この整備で、安定した人流・物流が確保されることにより、市民生活や経済活動の利便性が向上し、今後の産業団地の整備や雇用創出、定住促進、観光誘客などまちづくりの可能性が広がります。こうした可能性を、確実に地域の活性化や成長につなげていけるよう、取組を進めてまいります。
 さらに、施設の老朽化に伴い、昨年度、競輪場の再整備に着手しました。競輪場の位置する正源氏公園一帯は、池や川、樹木などの豊かな自然環境や、家族で楽しめるサイクルファミリーパークといった多彩な資源があり、また、外環状道路沿いに位置しアクセスも良好となっています。こうした環境を活かして、競輪のみならず、スポーツや憩い、自然とのふれあいなどができ、多様な人々が集える場となるよう整備を進めてまいります。あわせて、新たな競輪場の機能を取り込みながら公園一帯の魅力向上を図るため、その将来的なあり方についても、検討を進めていきたいと考えております。
 このほか、大善寺駅や宮の陣駅の周辺整備といった地域生活拠点の整備にも取り組んでおります。そうした中で、宮の陣駅の西側路上駐輪を解消し、歩行者の安全を確保するため、隣接する県営住宅団地の敷地を借りて整備を進めていました自転車駐車場が、7月に完成します。40年以上続いた課題が解決し、利便性や安全性の向上につながるものであり、事業にご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
 このような、まちの成長につながる核づくりを確実に進め、福岡県南の中核都市として求心力をもち、さらに発展していけるよう取り組んでまいります。

(2)未来を担う人づくり

 次に、未来を担う人づくりについてです。
 まちづくりの鍵を握るのは「人」であり、あらゆる施策において、人づくりの視点をもって取り組んでいくことが重要だとの認識のもと、これまで市政運営を行ってまいりました。
 本格的な人口減少社会の到来を見据えますと、将来に向けて、こうした視点がより一層必要であり、未来を担う人づくりを進めていくことが、地域の成長には不可欠だと考えております。
 人づくりの基礎として必要なのは、すべてのこども・若者が夢や希望をもち、健やかに成長することができる環境を整えることです。このため、こども基本法の趣旨を踏まえながら、こども・若者を、多様な価値観や人格を持った個人として尊重し、生まれ育った環境に関わらず、自分らしく自ら希望する生活ができるまちづくりを進めたいと考えております。
 現在、策定を進めています「久留米市こども計画」では、こども・若者の権利についての理解を深める啓発事業、意見表明と社会参画の機会の確保、子どもたちの成長や若者の社会的自立を支える環境づくりに取り組むこととしています。
 具体的には、こども・若者の意見を聞くワークショップに継続して取り組むとともに、その意見や考えが活かされるしくみについて検討を行っていきます。また、文化芸術や団体活動など子どもの体験機会の創出やこども・若者の居場所づくり、生活困窮世帯の子どもへの支援などに取り組みます。
 さらに、これから社会経済を支える若年層の支援として、創業人材の育成や、市内就職希望者の能力開発支援などを行っており、令和5年度からの2年間で5件の創業が実現するなど少しずつ成果も見えてきているところです。
 加えて、市職員の育成にも取り組み、市の未来を考えながら、協働によるまちづくりを積極的に進めることのできる職員を育成していきたいと考えております。

 人口減少を最大限抑制しつつ、人口が減少する中でもまちの活力を維持・向上させることができるよう、「地域の核づくり」と「未来を担う人づくり」にしっかり取り組み、将来に向かってまち全体が成長していく道筋をつけてまいります。

5.報告事項

 続きまして、3点ご報告させていただきます。

(1)津福公園の完成について

 1点目は、津福公園の完成についてです。
 津福公園は、市中央部地域の核となる総合公園として平成8年に整備に着手し、その進捗にあわせて段階的に供用を行ってきましたが、今年3月にすべての施設が完成いたしました。
 四季を彩る様々な植栽や屋根付きの多目的グラウンドに加え、大型複合遊具を整備しており、家族連れを中心に市内外から多くの方がご利用され、予想以上の反響をいただいています。
 また、防災機能を有する公園として、災害が発生した際の災害復旧活動の拠点や、応急仮設住宅の建設候補地としての活用も行っていくこととしています。公園内には、簡易トイレや調理用のかまどになるベンチ、非常用電源として使えるソーラー照明灯などを整備しており、大型複合遊具は、災害時に救護室や授乳室などとして活用することができる仕様となっています。
 家族や友人の皆さんとの憩いやふれあい、遊びの場、そして防災を学ぶ場としてご利用いただきながら、災害などの非常時にも活用していきたいと考えています。

(2)窓口の利便性向上について

 2つ目は、窓口の利便性向上についてです。
 引っ越しシーズンの3月から4月にかけては、住所変更などに関する手続きで本庁舎1階の窓口が混雑し、待ち時間が長いことが課題となっていました。こうしたことから、窓口の混雑緩和と利便性の向上に向けて、様々な取組を行ってきました。
 マイナンバーカードの普及に合わせて、カードの活用による、オンラインでの転出手続きや証明書のコンビニ交付を進め、昨年10月には、コンビニの証明書交付手数料を窓口より低く設定するなど、市役所に行かずにすむサービスの利用促進を図ってきました。
 また、証明書を発行するマルチコピー機の本庁舎1階への設置や、申請書類の記入を減らすシステムの導入を行うなど、待ち時間を減らす取組も行ってきました。
 こうした取組により、この時期の最大の待ち時間を、2年前の約3時間半から約1時間へと大幅に短縮することができました。
 今後も引き続き、業務改善やデジタル技術の活用などにより、書かなくていい、待たなくていい、行かなくていい市役所づくりを進め、市民の利便性を高めてまいります。

(3)動物愛護センターの開所について

 3つ目は、動物愛護センターの開所についてです。
 百年公園内で整備を進めておりました新しい動物愛護センターが完成し、先月25日に開所式を執り行いました。
 この施設は、保護した動物の命と健康を守り、譲渡可能な犬猫の殺処分ゼロを目指していく施設と位置付けています。施設面積を前施設の約2倍とし、犬や猫の収容スペースを拡充するとともに、トリミング室や運動場、感染症に配慮した隔離室、猫の様子を見学できる猫展示室を設けています。
 まちの中心部への設置は非常にめずらしいと環境省からお聞きしており、こうした立地を活かして、動物の愛護や正しい飼い方に関する普及啓発、譲渡促進のための情報発信に努め、全国のモデルとなるよう取り組んでいきたいと考えています。
 加えて、開所式において、久留米市ワンヘルス推進宣言を行いました。動物愛護センター整備を契機として、福岡県と連携・協力しながら、ワンヘルスの啓発や理解促進などに努め、人と動物の共生社会づくりを進めてまいりたいと考えております。

6.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の概要をご説明いたします。

(1)予算議案について

 第44号議案は、令和7年度一般会計の補正予算案でございます。3,095万円の追加をお願いするものでございまして、補正後の予算総額は1,593億3,095万円になります。
 以下、主な内容につきまして説明いたします。
 生活扶助基準の見直し等に対応するために必要なシステム改修の費用として、220万円、高山公園の効率的な整備を図るために必要な土地購入費等の費用として、4,489万円、久留米商業高等学校が国の採択を受けて行うDX人材を育成するための取組に関する費用として、500万円。
 これらの補正予算の計上に必要な財源は、国庫支出金1,820万円、繰入金200万円、諸収入45万円、市債1,030万円で措置いたしております。

 このほか、債務負担行為につきましては、1件の変更をお願いいたしております。

(2)一般議案について

 次に、第43号議案の専決処分に係る議案並びに第45号議案から第56号議案までの一般議案について、提案理由をご説明申し上げます。

 第43号議案は、『地方税法』の一部改正に伴い、軽自動車税の種別割に係る車両区分の見直し、固定資産税の特定マンションに係る減額措置の追加等を行うため、条例の一部を改正する必要が生じましたが、緊急を要したため、専決処分しましたので報告し、承認を求めるものであります。

 第45号議案から第47号議案までは、えーるピア久留米ZEB化改修工事執行に当たり、契約金額を変更する必要が生じたものでありまして、第45議案は改修工事について、第46号議案は電気設備工事について、第47号議案は機械設備工事について、それぞれ契約の一部を変更する契約を締結しようとするものであります。

 第48号議案は、津福本町ほか4町内の市道路線を廃止しようとするものであります。

 第49号議案は、合川町ほか11町内の市道路線を認定しようとするものであります。

 第50号議案は、市道T5号線整備に伴う療養所踏切拡幅工事執行に当たり、契約金額を変更する必要が生じたため、基本協定の一部を変更する協定を締結しようとするものであります。

 第51号議案は、令和5年7月豪雨により被災した杉谷埋立地内の法面の地すべり対策を行うため、高良内校区法面対策工事請負契約を締結しようとするものであります。

(3)条例議案について

 続きまして、第52号議案から第56号議案までの条例議案について、各議案の提案理由をご説明申し上げます。

 第52号議案は、いわゆる『番号法』の一部改正に伴い、条項の整理をしようとするものであります。

 第53号議案は、『地方公務員の育児休業等に関する法律』の一部改正に伴い、部分休業制度の拡充を行おうとするものであります。

 第54号議案は、『地方税法』の一部改正に伴い、個人住民税における特定親族特別控除の創設、市たばこ税の課税標準の特例の新設等を行おうとするものであります。

 第55号議案は、久留米市自転車駐車場として新たに宮ノ陣西自転車駐車場を設置しようとするものであります。

 第56号議案は、JR久留米駅東西自由通路において、事業者による物品の展示等を可能にし、にぎわいの創出を図るため、条例の一部を改正しようとするものであります。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、何卒、慎重なるご審議の上、満場のご賛同を賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます

(令和7年6月6日)

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