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令和6年第1回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202402201644


  1. はじめに
  2. これからのまちづくりについて
  3. 令和6年度の市政運営と重点取組について
  1. 報告事項
  1. 各議案の提案理由説明

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 令和6年第1回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご参集を賜り、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております各議案の提案理由をご説明申し上げますが、はじめに、1月1日に発生しました令和6年能登半島地震への対応等について述べさせていただきます。

 まずもって、地震により犠牲となられました方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 地震発生後、久留米市では「大規模災害被災地救援本部」を設置し、市内公共施設17か所へ義援金募金箱を設置するとともに、久留米市に避難してこられた方へ無償提供できるよう市営住宅を確保いたしました。また、国や県の要請に応じ、1月29日から2月12日まで、被災者の健康観察や相談対応などの業務に従事する保健師などを派遣するとともに、2月17日から23日まで、災害時健康危機管理支援チームの一員として、薬剤師1名を派遣しております。さらに、給水活動を行うため、上下水道部職員6名と給水車1台を、昨日、能登町へ派遣したところです。

 地震発生から2か月が経とうとしておりますが、いまだ多くの被災者の方々が不自由な生活を強いられております。今後も、被災地の情報をしっかりと収集しながら、国・県などとも連携して被災地や被災者に寄り添った支援を行ってまいります。

 あわせて、今回の地震の被害や被災された方々の状況をまのあたりにして、災害時の備えの重要性を改めて感じております。災害が発生しても、市民の命と生活を守ることができるよう再度検証し、確実な備えを行ってまいります。

2.これからのまちづくりについて

 次に、1期目の折り返しにあたって、これからのまちづくりに対する私の思いを述べさせていただきます。

 現在、わが国は、コロナ禍で深まった社会課題や加速度的に進む少子化・人口減少、それに伴う人手不足の深刻化、地球温暖化による気候変動や災害の頻発・激甚化、急激に高度化するデジタル社会の進展、さらには不安定な世界情勢の影響を様々な面で受けるなど、内外の歴史的・構造的な変化と課題に直面しています。
 国は、こうした状況を「歴史的な転換点」と位置づけ、「時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れをつかみ取る」ために、経済の好循環の起点となる賃上げの実現や、少子化、デジタル・GXなど社会の構造的な変化と課題に対応する予算を編成しています。

 久留米市におきましても、この時代の転換点において、変化の先行きを見極めながら、しっかりとまちづくりの根幹をつくりあげなければならないと考えております。コロナ禍や災禍などで失われてきた市民の笑顔を取り戻し、今後も、住みたいまち、住み続けたいまちとして持続的に発展していけるか、まちの力が問われるきわめて重要な時期にあると考えています。

 こうした現状認識のもと、私が今、最も重要と考えており、こだわっていきたい中長期的なまちづくりの方針について3点申し上げます。

 1点目は、久留米で暮らす人、久留米に関わる人が、より多くの「幸せ」を感じられるまちにしていくことです。
 世の中の動向が不安定な中、心豊かに笑顔で暮らすことが、強く求められていると感じております。

 安心・安全に生活できる、人としての尊厳が守られている、仕事があり安定した暮らしができる、人とつながりながら様々な活動ができるなど、こうした幸せをより多く感じられるようなまちを目指したいと考えております。
 そのための施策や環境整備を進め、元気や活力に満ちて笑顔になる人たちをまちに増やしていきたいと考えております。

 2点目は、そのようなまちを持続可能な形にして次世代に引き継いでいくことです。
 混沌とした社会情勢の中でも、将来にわたって、そこに暮らす誰もが幸せを感じ住み続けられるまちであることが、久留米市の発展のためにも、また、SDGsの観点からも重要だと考えております。

 加速する人口減少を緩やかにする、豪雨災害を最大限軽減する、中長期的には、減少した人口でも、コンパクトで効率的な運営ができる、誰もが生きがいをもって支え合いながら暮らすことができる、にぎわいや活力を維持し輝き続ける、このようなまちを形づくり、次の世代に引き継いでいきたいと考えております。

 3点目は、そのまちをつくり、活力を生み出す人づくりを進めることです。
 地域での様々な活動、活力ある産業の創出、文化・芸術・スポーツの振興、そして、市民の生活を支える行政、こうしたあらゆる分野において、その原動力となる「人」をしっかりと育て、その活躍に向けたサポートを行っていきたいと考えております。

 特に、まちの未来をつくり、担っていく子どもたちは多くの可能性を秘めています。子どもの立場に立って取組を考え、その夢や希望が実現できるまちをつくっていきたいと考えております。

 こうしたまちづくりの推進には、市民や地域の皆様との協働した取組が必要であり、市議会の皆様のご理解、ご協力が不可欠であります。社会情勢を的確に見極めつつ、まちづくりの鍵を握る「人」を育て、支えることを大切にしながら、「街を伸ばし、暮らしを守る」取組を、皆様とともに進めていきたいと考えています。

3.令和6年度の市政運営と重点取組について

(1)令和6年度の取組方針

 続きまして、こうした認識、まちづくりの考えのもとで進めます、令和6年度の市政運営について申し上げます。

 市政運営の基本目標である「安心・安全で活力にあふれた、誰もが活き活き生活・活躍できる共生のまち」の実現に向け、令和6年度は、大雨被害の復旧や長引く物価高騰への対応を行いながら、将来を見据えて積極的に踏み出してまいります。久留米市を取り巻く課題解決に向けて、優先的に取り組む4つの重点施策を設定し取組を進めていきたいと考えております。

 1つ目は「防災・減災対策」です。
 昨年7月の大雨では、これまでにない甚大な被害が発生しました。豪雨災害の克服を最優先に取り組んできた私にとって、大変残念なことではありましたが、浸水対策が進んだ地域では確実に効果もみられております。引き続き、流域治水の取組として、貯留施設や雨水幹線の整備、排水ポンプの増設、田んぼダムの拡大、企業や市民との協働による「みんなで流域治水!」などを進めてまいります。

 また、国・県等による浸水対策も着実に進めていただいております。事業費6億円を確保いただいた筑後川の河道掘削や樹木伐採、国県全体で約254億円の実施計画が策定された巨瀬川流域緊急治水対策プロジェクト、さらに、寺内ダムの洪水調節容量を約180万立法メートル増やすダム再生事業など、それぞれの事業に着手いただき、筑後川流域全体の対策が進展しています。
 しかしながら、今回の災害を踏まえますと、対策の視点を広げる必要があると考えております。災害の想定が難しくなっている中で、安心して避難できる環境整備や災害発生時の対応の強化・迅速化を図るため、備蓄品の整備・充実や土砂災害に関する研修の開催、被災者支援を迅速化するシステムの導入を行います。

 災害に強い都市基盤の整備や地域防災力の向上など、ハード・ソフトの両面から総合的な対策を迅速かつ着実に進め、災害に対応した強靭な地域をつくってまいります。

 なお、今回の災害においては、多方面から様々なご支援をいただきました。災害義援金やふるさと納税などによる寄附は、現在も続いておりまして、2月15日時点で総額約1億7,800万円のご厚意をいただいております。大変感謝している次第です。

 2つ目は、「少子化・人口減少対策」です。
 久留米市においても、加速している少子化・人口減少のスピードを少しでも緩められるよう、この地で安心して働き、子育てできる環境をしっかりと整備しながら、未来を担う子どもたちの健やかな成長を支えていきます。

 若い世代の仕事や生活の希望の実現を応援し、久留米で活き活き生活できるよう取組を充実します。また、結婚・妊娠・出産・子育ての希望がかなうよう、地域や関係団体と連携し多方面からのサポートを充実させるとともに、子どもの学びや遊びの環境を整備していきます。国が強化する少子化対策にも的確に対応し、より積極的な取組を進めてまいります。

 3つ目は、「地域社会・経済の活性化」です。
 コロナの5類移行により社会活動に活力が戻り始めた一方で、物価高騰や人手不足などの影響により、いまだ不安定な状態が続いています。これからの人口減少や都市機能の劣化などによっては、まちの活力や求心力の低下がさらに進むことが懸念されます。

 そのため、成長可能性のある産業の集積や既存企業の成長促進を図るなど地域産業を振興するとともに、新たな魅力や楽しみをつくり市内外からの誘客を促進し、交流やにぎわいを創出していきます。また、道路網や交通結節機能を強化し、都市機能や拠点性の維持・強化を図り、県南の中核都市としてのまちの活力をつくってまいります。

 4つ目は、「デジタル化・DXの推進」です。
 デジタル技術の高度化により、社会や経済のあり方、産業構造が急速に変化する中、デジタル化やDX、生成AI技術などを最大限に活用した効率性・利便性の高い地域づくりが求められています。

 行政サービスをはじめ、各分野においてデジタル化・DXを促進し、地域社会のスマート化や市民の利便性の向上を図り、誰もが便利で快適に暮らせるまちをつくってまいります。

 以上の4点を重点施策として取組を進め、まちに笑顔を増やし、未来に向かって進んでいきたいと考えております。こうした取組にあわせ、持続可能な財政構造の確立に向けて、様々な視点から行財政改革を推進してまいります。

(2)重点事業について

 次に、令和6年度の主な重点事業につきまして、市政運営方針に掲げる3つのまちづくりの視点に沿ってご説明申し上げます。

 まず、「安心・安全のまち」の視点についてです。
 流域治水の取組としては、先ほど申し上げました事業を鋭意進めてまいります。あわせて、災害復旧として、そよ風ホールの復旧に向けた検討や、農地の土砂仮置き場の維持管理などを行います。

 快適な都市環境の確保に向けては、道路や橋りょうなどインフラ施設の適切な維持管理により長寿命化を図るとともに、周辺の住環境に悪影響を及ぼすおそれのある老朽空き家の除却促進に取り組みます。

 3回目の認証を取得したセーフコミュニティにおいては、市民主体の活動の浸透を図りつつ、日常的なけがや事故の予防、防犯活動など市民生活における安全性の向上に努めます。
 公共施設のZEB化や、避難所機能を有する公共施設などへの太陽光発電設備の導入を行い、ゼロカーボンシティの実現を目指すとともに、安定したごみ処理体制を維持するため、上津クリーンセンターの建替えを進めます。

 次に、「活力のあるまち」の視点についてです。
 若い世代の定着を促進するため、久留米での正社員就職支援やスタートアップ支援拠点の機能拡充、地元企業のPR支援に取り組みます。また、産業団地の整備や企業誘致の推進、バイオなど成長が期待される産業の集積、プレミアム商品券の発行、キッチンカーの導入支援など、地域産業の振興や商工業の活性化を図ります。

 農業分野においては、担い手の確保・育成や農業機械の自動運転支援システムの実証実験に取り組むとともに、6次産業化による新たな商品開発の後押しや販路拡大の支援を行い、魅力ある農業の振興に努めます。また、森林整備の担い手確保や危険木伐採などに取り組み、森林の荒廃や災害の防止のための環境整備を進めます。

 観光の振興に向けては、4月から6月に実施される福岡・大分デスティネーションキャンペーン期間にあわせて様々なイベントを開催するとともに、民間事業者による新たなにぎわいの創出支援や、ウェブやSNSを活用した魅力発信を強化し、国内外からの観光誘客の促進を図ります。また、街なかの公園など拠点施設の整備や積極的な活用により、人々が集い楽しむまちづくりを進めます。

 さらに、市街地の再開発や環状道路など幹線道路網の整備検討、(仮称)久留米南スマートインターチェンジの事業化を見据えた検討を進めるとともに、西鉄宮の陣駅周辺の交通対策などを進め、都市機能の充実を図ります。
 このほか、国の「デジタル田園都市国家構想交付金」を活用して、市の地図情報をウェブ上で公開する公開型GISや公共施設のオンライン予約を拡充するなど「行かなくていい市役所」づくりに取り組みます。

 最後に、「活き活き生活できる、活躍できる共生のまち」の視点についてです。
 子育て環境の充実に向けては、子どもの医療費や給食費など子育て費用の軽減に取り組むとともに、国や県の制度と連携した、妊娠・出産時における経済的支援や児童手当、児童扶養手当の拡充など、安心して子育てできる環境を整備します。また、子育て家庭の家事・育児の支援や保育所等でのおむつ処分を進めるなど、子育ての不安や負担感を軽減し、子育てしやすい環境づくりに努めます。

 加えて、結婚に向けた出会いの場の創出や結婚に伴い必要となる住居費用の支援に取り組むとともに、女性やカップルを対象とした将来の妊娠のための健康管理支援に新たに取り組みます。

 教育の充実に向けては、いじめ防止や不登校の児童生徒へのきめ細かな対応、外国にルーツを持つ児童生徒へのサポートを充実し、安全安心な学校づくりを進めます。また、学校の特色を活かした学力向上や教育のデジタル化を進め、学びの向上に取り組みます。さらに、青峰小学校と高良内小学校の統合に向けた児童の交流事業や学校施設の改修、中学校の全教室へのエアコン設置を行うなど、よりよい教育環境の実現を図ります。
 困りごとを抱える子どもや家庭への支援としては、ヤングケアラーのいる家庭を訪問して寄り添った支援を行うとともに、災害をきっかけに様々な困りごとを抱えるようになった方を重層的に支援します。

 基本的人権に関する教育や啓発活動、子どもの権利に関する啓発、男女平等の推進、地域や職場における女性活躍の促進に取り組むとともに、男性の育児休業取得促進の支援を行うなど、ワーク・ライフ・バランスに配慮した働き方改革の推進に努めます。

 音楽やスポーツ分野における人材の発掘・育成については、引き続き、ジュニア世代がチャレンジできる環境整備を進めます。また、久留米シティプラザ、久留米市美術館、久留米アリーナなどを活用した文化・芸術・スポーツ振興の取組を進めるとともに、観ることでスポーツに親しむ機会の充実を図ります。

 校区コミュニティ組織の活動を積極的に支援し、地域の活力向上やにぎわいづくりを進めるとともに、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングの取組により市民活動団体を支援し、協働のまちづくりをさらに進めます。

 久留米に在住する外国人が増加している状況を踏まえ、外国人を対象とした日本語教室を充実するとともに、北野地域をモデル地域として、外国人との共生を図る取組を支援します。
 このほか、動物管理センターの百年公園への移転を進め、動物愛護の取組をさらに促進してまいります。

 以上が、令和6年度における主な重点事業でございますが、加えて生活排水処理基本構想の改定における、公共下水道整備区域の見直しの取組について申し上げます。

 人口減少に伴う収益減少や、老朽化する施設の維持管理・更新にかかる経費の増大に加え、未普及区域への整備に対する国の交付金の減少が重なり、整備区域を縮小せざるを得ない状況となっております。縮小となる区域への下水道に替わる制度として、合併処理浄化槽の設置費助成の拡充を行いたいと考えております。

 対象地域の皆様には、予定されていた排水処理の方法が変更となり、不安に思われたり負担をおかけすることも想定されます。見直しの必要性や内容について、十分丁寧に説明し対応してまいりますので、市民の皆様及び市議会の皆様のご理解のほど、何卒お願いいたします。

4.報告事項

 続きまして、最近の活動状況について3点ご報告させていただきます。

(1)国への要望活動について

 1つ目は、国への要望活動についてです。
 昨年12月末に令和6年度の国の予算案が取りまとめられ、各省庁での予算配分の時期に合わせて、先月、久留米市の事業の推進に向けて、担当部局の職員と一緒に国への要望活動を行ってまいりました。

 環境省では、上津クリーンセンターや動物管理センターの整備について、文部科学省では、学校施設の整備について必要な財源措置をお願いするとともに、国土交通省では、国直轄事業の推進や市が行う都市基盤整備についての交付金の要望を行いました。また、保育士確保のため、公務員の地域手当の見直しに向けた動向に合わせ、こども家庭庁へ地域の実情に応じた地域区分の見直しを要望しました。
 今後も、必要な事業の推進に向け、私自らが関係省庁へ足を運び、適宜働きかけを行ってまいります。

(2)海外への観光プロモーション活動について

 2つ目は、海外への観光プロモーション活動についてです。
 2023年の年間訪日外国人数は2,500万人を超え、コロナ前の水準の8割程度まで回復しました。こうした観光需要の回復にあわせ、1月25日から28日まで、市議会からも参加いただき、タイバンコクへのプロモーション活動を行ってまいりました。

 タイは、フルーツ観光のニーズが高く久留米への誘客の可能性が高い国です。現地では、旅行会社への久留米観光のPRや、タイ国際旅行フェアにおいてはイチゴを配布し、久留米市のPRを行いました。フェアでは日本ゾーンに多くの人が集まり、日本の商品への信頼や評価の高さを実感し、今後の可能性を感じたところです。

 今回のプロモーションに加えて、SNSによる情報発信の強化を図ることとしており、インバウンドについて成果をあげてまいりたいと考えております。

(3)地域活動に関するシンポジウムについて

 3つ目は、地域活動に関するシンポジウムについてです。
 地域コミュニティ活動が抱える課題に向き合い、地域活動の役割やあり方を考えるとともに、地域住民のつながりの重要性を再認識することを目的に、校区まちづくり連絡協議会との共催で、2月11日に、久留米大学のアリーナをお借りしてシンポジウムを開催しました。

 当日は、静岡市で地域づくりの活動をされている「里山くらしLABO」の方にご講演いただき、その後、パネルディスカッションを行いました。私もパネリストとして登壇し、まちづくりの基本は人であり活動している人たちが久留米を支えていること、各人がもつ経験や知識をあとにつないでほしいことなど、まちづくりや地域活動についての思いを述べさせていただきました。

 今回のシンポジウムをきっかけに、若い人をはじめ多様な力が発揮できるような運営や仕組みづくりが進むことを期待しており、地域活動のよりよいあり方について私たち行政も一緒に考えていきたいと思っております。

5.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の概要をご説明いたします。

(1)予算議案について

 第7号議案から第19号議案は、令和6年度一般会計、特別会計及び公営企業会計予算案でございます。
 一般会計の予算規模は、対前年度比1.1%増の1,464億円となっております。
 災害対応などにより、財政状況の厳しさは増しておりますが、直面する重要課題に、いま対応しなければ、まちの衰退を招きかねないとの認識のもと、過去最大となる「積極予算」を編成いたしました。
 先ほどご説明申し上げました、重点事業を中心に、大規模災害の体験を踏まえた防災機能の強化、様々な面からの子育て支援の充実、地域経済・産業の活性化やにぎわいづくりなど、少子化・人口減少社会の中にあっても、活力を失うことがないまちづくりを、積極的に進めていくための予算としております。

 まず、歳出予算の内容についてご説明申し上げます。
 目的別の主要費目としましては、民生費が686億2,677万円で構成比46.9%、教育費が146億696万円で構成比10.0%、総務費が138億9,441万円で構成比9.5%となっております。
 性質別では、普通建設事業が、市街地浸水対策事業や諏訪中学校改築事業などの増に伴い、対前年度比15.5%の増、扶助費が、児童手当や障害児通所支援給付費などの増に伴い、6.3%の増となる一方で、物件費が、新型コロナウイルス感染症予防対策費の減などに伴い、8.5%の減、貸付金が、中小企業緊急経営支援資金預託金などの減に伴い、15.0%の減となっております。
 また、義務的経費は、3.4%増の786億9,757万円で、歳出総額に占める割合は53.8%となっております。

 次に、歳入についてご説明申し上げます。
 まず、市税につきましては、個人市民税定額減税の影響により、対前年度比2.3%減の407億円を見込んでおります。
 地方交付税は、国が策定する地方財政計画を踏まえ、対前年度比0.5%増の227億7,000万円を計上いたしております。
 繰入金は、さまざまな行政課題に対応するため、主要4基金からの繰り入れを30億円計上いたしております。
 市債は、流域治水対策の進捗などに伴い、対前年度比4.8%増の85億5,570万円を計上いたしております。
 また、諸収入のうち、競輪事業収入につきましては、5億円を計上いたしております。
 以上が、一般会計予算の概要でございます。

 続きまして、特別会計についてご説明申し上げます。
 国民健康保険事業は、総額332億2,300万円を計上いたしております。適切な事業運営を進めますとともに、生活習慣病の予防や保険料の収納率向上などに取り組みます。

 競輪事業は、総額370億8,400万円を計上いたしておりまして、「オールガールズクラシック」の開催などにより収益の確保に努めるとともに、老朽化した施設の再整備に着手します。
 介護保険事業は、総額289億2,400万円を計上いたしておりまして、認知症の予防や保険給付の適切な実施などに取り組みます。
 そのほか、卸売市場事業は3億7,000万円、市営駐車場事業は1億900万円、農業集落排水事業は3億1,200万円、特定地域生活排水処理事業は2億3,600万円、後期高齢者医療事業は55億7,600万円、母子父子寡婦福祉資金貸付事業は1億5,000万円、産業団地整備事業は13億6,100万円を、それぞれ計上いたしております。

 次に、公営企業会計についてご説明申し上げます。
 水道事業の収益的収支は、収入51億1,394万円、支出48億9,988万円を計上し2億1,406万円の利益を見込んでおります。
 資本的支出は、配水管の更新など、総額28億2,612万円を計上いたしております。
 下水道事業の収益的収支は、収入82億3,215万円、支出78億2,036万円を計上し4億1,179万円の利益を見込んでおります。
 資本的支出は、施設の計画的整備と耐震化、市街地の浸水対策など、総額87億964万円を計上いたしております。

 第2号議案から第6号議案は、令和5年度一般会計、特別会計及び公営企業会計の補正予算案でございます。

 まず、急施を要し、他の議案に先立ちまして、本日ご審議をお願いいたしております第2号議案について説明を申し上げます。
 第2号議案は一般会計補正予算第11号で、物価高騰の影響を受けている低所得世帯への支援を行うもの及び、感染症の流行に伴い不足が見込まれる、子ども医療費の増額により、8億675万円の追加をお願いするものでございます。

 次に、第3号議案から第6号議案は、令和5年度一般会計、特別会計、公営企業会計の補正予算案でございます。
 まず、一般会計でございますが、34億6,358万円の追加と、43億1,554万円の減額とをあわせまして、8億5,196万円の減額をお願いするものでございます。
 補正後の予算総額は1,661億1,012万円となります。

 以下、主な事業について説明いたします。
 まず、国や県の補正予算を活用した事業といたしまして、津福公園及び京町第二公園など、都心部の公園整備や緑化推進に必要な費用として 1億2,370万円、中学校特別教室への空調機設置をはじめ、児童生徒の学習環境改善に必要な費用として14億8,641万円など、14事業、20億8,712万円の追加をお願いいたしております。

 次に、事業進捗に伴うものといたしまして、障害者日中活動支援給付費などの増加に対応するための費用として2億9,541万円など、13事業、7億5,359万円を計上いたしております。

 さらに、人件費の補正といたしまして、退職手当6億2,288万円を計上いたしております。

 一方で、新型コロナウイルスワクチン接種事業や農業施設災害復旧事業など、事業の進捗にあわせ、5事業、43億1,554万円について減額の補正をお願いいたしております。

 以上、これらの補正予算の計上に必要な財源は、県支出金3億4,835万円、寄附金1,211万円、市債11億3,650万円の増額並びに、分担金及び負担金4億1,625万円、国庫支出金13億4,637万円、繰入金6,909万円、諸収入5億1,721万円の減額で措置いたしております。

 このほか、繰越明許費の追加18事業、変更3事業、債務負担行為(こうい)の変更1事業をお願いいたしております。

 競輪事業につきましては、一般会計繰出金を1億円増額する一方で、競輪場施設等改善基金積立金を同額、減額するものでございます。

 水道事業につきましては、用途廃止しております施設から水銀が発見され、その処理に伴う特別損失として1億554万円を計上するものでございます。

 下水道事業につきましては、国の補正予算を活用し、汚水管渠や浄化センターの耐震化改修など8億3,320万円の追加及び継続費の変更をお願いしております。

(2)一般議案について

 次に、第20号議案から第25号議案までの一般議案について、提案理由をご説明申し上げます。

 第20号議案は、令和6年度に係る包括外部監査契約を締結しようとするものでございます。

 第21号議案は、田主丸地域の安全安心な生活環境を維持するため、事業を廃止する有線放送用の電柱を無償譲渡しようとするものでございます。

 第22号議案及び第23号議案は、昨年7月の大雨により道路上に堆積した土砂等について、道路の復旧等を目的として市との契約によらずに撤去した者に対し、当該費用を支払うに当たり、和解しようとするものでございます。

 第24号議案は、令和6年度から供用開始する都市公園について、指定管理者を指定しようとするものでございます。

 第25号議案は、久留米市次期上津クリーンセンター施設整備及び運営事業実施に係る建設工事 請負契約を締結しようとするものでございます。

(3)条例議案について

 続きまして、第1号議案及び第26号議案から第60号議案までの条例議案について、各議案の提案理由をご説明申し上げます。

 第1号議案は、新型コロナウイルス感染症対策利子補給金等基金の存続期間を変更しようとするものでございます。

 第26号議案は、いわゆる『番号法』の一部改正に伴い、条文の整理をしようとするものでございます。

 第27号議案は、『地方自治法』の一部改正に伴い、政務活動費に係る収支状況等の報告を、電磁的記録で行えるようにしようとするものでございます。

 第28号議案は、『消費者安全法』の規定により、消費生活センターの組織及び運営に関する事項を整備しようとするものでございます。

 第29号議案は、『地方公務員法』の一部改正に伴い、久留米市男女平等推進委員の兼職禁止に関する規定を整備しようとするものでございます。

 第30号議案は、令和6年度から賦課徴収を開始する森林環境税の減免申請期限に、市税各税目の減免申請期限を合わせようとするものでございます。

 第31号議案は、久留米シティプラザの開館時間並びに広場及び駐車場の使用時間及び休館日を変更しようとするものでございます。

 第32号議案は、令和5年度末をもって有線放送事業を終了するため、条例を廃止しようとするものでございます。

 第33号議案は、『国民健康保険法』の一部改正に伴い、退職者医療制度の経過措置を廃止しようとするものでございます。

 第34号議案から第46号議案までは、養護老人ホーム等及び指定居宅サービス事業等の各種基準に関する条例について、市独自の基準を明確化するため、条例の全部又は一部を改正しようとするものでございます。

 第47号議案は、『介護保険法施行令』の一部改正に伴い、令和6年度から令和8年度までの保険料率について定めようとするものでございます。

 第48号議案は、指定介護療養型医療施設の設置等に係る経過措置期間が令和6年3月31日で終了し、同施設が廃止されるため、関係条例の廃止及び一部改正をしようとするものでございます。

 第49号議案は、『介護保険法』の一部改正に伴い、介護保険サービス事業者が特定の申請を同時に行う場合の手数料の免除規定を整備しようとするものでございます。

 第50号議案は、『こども基本法』に定める市町村こども計画の策定に当たり、久留米市子ども・子育て会議の意見を聴取できるよう、その役割等を見直そうとするものでございます。

 第51号議案は、『困難な問題を抱える女性への支援に関する法律』の施行により、婦人保護施設が女性自立支援施設に変更されることに伴い、当該施設の設備及び運営に関する基準を定めるため、条例を制定しようとするものでございます。

 第52号議案は、能登半島地震の発生を契機に、被災者等の利用を想定した使用料の減免規定を整備しようとするものでございます。

 第53号議案は、『地方自治法』の一部改正に伴い、条文中の用語の整理をしようとするものでございます。

 第54号議案は、『景観法』の規定に基づく届出の対象に太陽光発電設備を加え、その対象規模を定めるとともに、用語の整理をしようとするものでございます。

 第55号議案は、西鉄天神大牟田線『試験場前駅』の名称変更に伴い、『試験場前駅 自転車駐車場』の名称を変更しようとするものでございます。

 第56号議案は、『建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律』の一部改正に伴い、条文中の用語の整理をしようとするものでございます。

 第57号議案は、『空家等対策の推進に関する特別措置法』の一部改正に伴い、管理不全空家等に関する措置が同法に定められたことによる条文の整理をしようとするものでございます。

 第58号議案は、『配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律』の一部改正に伴い、条文中の用語の整理をしようとするものでございます。

 第59号議案は、『道路法施行令』の一部改正に伴い、本市における道路、公園等の占用物件及び占用料等の改定並びに用語の整理をするため、関係条例を改正しようとするものでございます。

 第60号議案は、久留米市次期上津クリーンセンター施設整備に伴う事業者選定委員会を廃止しようとするものでございます。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、何卒、慎重なるご審議の上、満場のご賛同を賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。

(令和6年2月20日)

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