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令和3年第3回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202204121413


  1. はじめに-令和3年8月の大雨について-
  2. 新型コロナウイルス感染症について
  3. 報告事項
  4. 各議案の提案理由説明

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 令和3年第3回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご多用中にもかかわらずご参集を賜り、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております各議案の提案理由を説明申し上げますが、はじめに令和3年8月の大雨について、述べさせていただきます。

 (1)被害状況とその対応

 8月11日から降り出した雨は、九州地方を含む広い範囲で降り続き、14日には福岡、佐賀、長崎、広島の4県で「大雨特別警報」が発表されるなど、各地で記録的な雨量を観測し、甚大な被害が出る事態となりました。改めまして、お亡くなりになられました皆様のご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 久留米市におきましても、24時間雨量387.0ミリを記録するなど、各降水量は観測史上最大値を更新するとともに、20日までの総雨量は896.5ミリに達し、8月の平年降水量の約4倍に相当する雨量が観測されました。
 この大雨に対し、久留米市においては、8月12日午前10時50分に災害対策本部を設置いたしました。国や県、消防団、まちづくり組織などのご協力もいただきながら、気象情報や被害状況等の把握、避難情報発令、感染症を考慮した避難所の開設・運営、排水ポンプ車の派遣要請を行うなど、関係機関と連携した災害対応を行ったところでございます。また、市のホームページや公式LINE、フェイスブックのほか、今年度からの取り組みであるKBCテレビのdボタン広報により、迅速な情報発信を行うなど、市民の安全確保に全力をあげて取り組みました。
 幸いにして、大雨による人的な被害はございませんでしたが、住家の浸水被害は2,700棟を超え、道路冠水、河川溢水などが市内各所で発生しており、避難者数は最大で429世帯876名に上りました。
 農業では、水稲・大豆・野菜・果樹などの農畜産物のほか、ハウス等の農業生産施設や農業機械の被害が生じ、被害額は約14億円に上っております。また、商工業では、事務所・店舗・工場などが冠水し、機械装置・原材料・製品等の被害額は約10億円に上るなど、現在、判明しているものだけでも、農商工業への影響は、非常に大きなものとなっております。
 これらの状況を踏まえ、被災された市民や事業者の皆様に対する各種相談窓口を速やかに設置し、り災証明書交付や家屋の消毒、税や公共料金減免などの相談に対応しております。なお、今回、り災証明書交付に必要となります家屋等の被害認定調査については、被災された皆様からの申請を待たずに実施することで、より迅速な交付が可能となるよう取り組んだところでございます。その調査実施にあたりましては、福岡県や、福岡県市長会・町村会を通じて県内の各自治体からご支援、ご協力をいただいており、この場をお借りしまして、厚くお礼申し上げます。
 また、復旧・復興に向けた義援金やふるさと納税、支援物資をお寄せいただくとともに、災害ボランティアの皆様方からのご支援、ご協力もいただきながら、被災された方々への支援に取り組んでいるところであり、皆様のご支援、ご協力に深く感謝を申し上げます。
 私自身も、先日の総務大臣、国土交通大臣による現地視察の折には、今回の被害状況の説明とともに、毎年繰り返し発生している水害の状況や、地域住民の皆様の不安や窮状も伝え、災害復旧・復興に対する集中的な支援や、防災・減災対策の一層の加速と早期実現について、強く要望したところでございます。併せまして、関係省庁や国会議員、福岡県知事や県議会議員の皆様にも、お願いを行っております。

 (2)当面の取り組み

 今回の大雨でも発生した内水氾濫などの水害を軽減し、市民の生命と財産を守るためには、筑後川流域全体を俯瞰し、流域全体の関係機関が協働して取り組む「流域治水」の考えに基づく対策が重要です。
 「筑後川流域治水対策協議会」では、国や県、流域自治体などで進めていく各種対策をまとめた「流域治水プロジェクト」が策定され、本年3月に公表されました。この中の内水氾濫対策として、国による古賀坂・枝光の両排水機場のポンプ増設、県による金丸川・池町川流域における放水路や貯留施設の設計などが、現在、進められております。また、久留米市では、久留米大学御井キャンパス内貯留施設整備のほか、篠山排水機場のポンプ増設等の設計に本年度より着手しております。
 こうしたインフラ整備の速やかな進捗を図るとともに、本年7月には、国土交通省に対し、直轄河川事業の整備や排水ポンプ増設など、「総合内水対策計画」の事業推進について要望してまいりました。さらに、九州治水期成同盟連合会では、財務省、国土交通省、地元選出国会議員に対し、豪雨災害対策に必要な予算確保をお願いし、国土交通省と筑後川の流域治水推進に関する意見交換を行うなど、様々な機会を捉えて防災・減災対策の早期実現に向けた国への要望活動を行っております。
 今後とも、国や県、流域自治体などと連携し、スピード感をもって着実に事業を推進し、浸水被害の最小化を目指してまいります。
 また、頻発・激甚化する自然災害に対応し、安全なまちづくりを進める上では、土地利用のあり方も重要な要素のひとつになってまいります。令和2年6月には、都市再生特別措置法等の改正がなされ、災害ハザードエリアにおける新規立地抑制の観点から、開発許可制度の見直し等が位置付けられております。その手法については、今後のまちづくりにも大きく関わることから、現在、国や県とも協議を行い、慎重に検討を進めているところです。なお、検討に際しましては、市域全体で異なる都市計画制度が混在している状況や地域特性なども踏まえる必要があると考えております。
 今後とも、市議会からのご意見をいただきながら、法改正に伴う見直しのほか、ここ数年浸水被害を受けている住宅地等の土地利用のあり方や、一体的な都市計画制度の運用についても検討を重ね、将来にわたって安心して暮らし続けられるコンパクトな都市づくりを進めてまいりたいと考えております。

 市議会をはじめ、市民の皆様や関係機関等のご理解とご協力をいただきながら、市民の皆様が安心して暮らせる環境を一日も早く実現できますよう、全力で取り組んでまいる所存でございます。皆様方のより一層のご支援を、よろしくお願い申し上げます。

2.新型コロナウイルス感染症について

 続きまして、「新型コロナウイルス感染症」について述べさせていただきます。

(1)感染の動向と現状

 まず、新型コロナウイルス感染の動向でございますが、感染力の強いデルタ株の影響もあり、これまでにない規模・スピードで、全国的に感染が拡大している状況にあります。こうした状況を受け、9月12日までの間、福岡県を含む21都道府県が「緊急事態宣言」による措置対象区域とされております。
 久留米市でも、7月下旬から感染者数が急増し、8月の感染者数は、これまでの月内最多感染者数の約2倍にあたる1,173人を記録するとともに、自宅療養者数も増加するなど、極めて厳しい状況が認められました。
 この様な状況に対処するため、自宅療養者や、入院及び宿泊療養の待機をされている方への医師派遣を7月末より実施しております。さらに、これらの自宅療養者などの外来診療を行う医療機関を確保するなど、感染された方が安心できる診療体制を整備したところでございます。
 また、児童生徒への感染拡大が懸念されることから、小中学校での短縮授業を9月10日まで実施し、午後のオンライン授業等を取り入れることで、感染対策と子どもの学びの保障の両立を目指しております。
さらに、コロナ禍で先鋭化するDVや子どもの貧困への取り組みとして、民間団体との協働で、CAPプログラムがスタートしており、オンライン研修なども展開しながら、全ての小学校で実施する予定です。このほか、市内の医療機関・企業・大学等との共同で、睡眠の最先端研究にも取り組みたいと考えており、その研究内容を教育や子どもの成長など、様々な分野で生かしてまいりたいと考えております。
 急激な感染拡大で、医療現場はひっ迫しつつあります。市民や事業者の皆様には、ご負担をおかけいたしますが、医療現場の負担を軽減するため、また、ご自身はもとより、ご家族をはじめ、大切な方々の命と健康を守るためにも、引き続き、感染防止対策の徹底と、慎重かつ責任ある行動を切にお願い申し上げます。

(2)ワクチン接種の状況

 次に、ワクチン接種の状況でございますが、7月末には全ての接種対象者に接種券を発送し、8月31日現在で、65歳以上の高齢者の88.5%、接種対象者全体では55.4%が2回目の接種を完了しております。また、8月2日より12歳から15歳の接種を開始しており、現在の予約枠数どおりに接種が進めば、9月末には、接種対象者の約75%が2回目の接種を完了する見込みでございます。
 ワクチン接種が順調に進んだ要因としましては、まず、各医師会や市内医療機関のご協力により、多様な接種体制を整備できたことと、Web予約が進んだことが大きいと考えています。また、「久留米市新型コロナウイルスワクチン接種推進協議会」を核に関係機関と緊密に連携できたこと、自治体へのワクチン配分を左右することになった「ワクチン接種記録システム(VRS)」へ迅速な入力を徹底したことなどが挙げられます。
 ワクチン接種率をさらに向上させるためには、若い世代をはじめとした未接種の方々への対応がポイントであり、ワクチンに関する正確な情報を分かりやすく伝え、安心して接種を受けていただけるようアプローチしていくことが重要になってまいります。7月以降に感染が確認された市民のうち、8割がワクチン未接種者であり、接種率が高い年代ほど感染者数が減少していることが分かりました。また、これまでのところ、接種完了者には重症化した事例も無く、ワクチンの発症予防効果や重症化予防効果がうかがえます。このような感染症とワクチン接種の関係性についても効果的に情報発信してまいります。
 今後とも、感染症収束と社会経済活動回復の鍵となるワクチン接種を、一人でも多くの皆様に受けていただけるよう、関係機関と連携しながら取り組んでまいります。

3.報告事項

 続きまして、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に関しまして、ご報告をさせていただきます。

(1)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会について

ア.久留米市ゆかりの選手の活躍
 まず、今回のオリンピックで活躍された久留米市ゆかりの選手の皆様方に、一言感謝とお祝いを申し上げます。選手の皆様が活躍する姿は、私たち久留米市民に、国民に、そして、世界中の人たちに、夢と希望、大きな勇気と感動を与えてくれました。
 柔道では、素根輝選手が、女子78キロ超級で金メダルを、柔道混合団体では銀メダルを獲得しました。素根選手は田主丸中学校、南筑高校の出身で"3倍努力"を座右の銘にして、ひたむきに練習を重ね、これまで数々の大会で優秀な成績を収められています。それがオリンピックという大きな舞台で実を結び、今回の偉業を成し遂げられました。その功績を称え、素根選手に久留米市初の「市民栄誉特別賞」を贈呈することを、先日、決定したところでございます。
 また、カヌー競技に桐明輝子選手、自転車競技に小林優香選手、7人制ラグビー女子には、久留米市を拠点として活動している「ナナイロプリズム福岡」に所属する弘津悠選手、白子未祐選手、中村知春選手が出場を果たされています。さらに、8月24日に開幕したパラリンピック競技大会には、久留米市出身の田中光哉選手が、本日、男子テコンドーに出場します。
 「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」に、日本代表として出場された選手の皆様のご活躍を称えるとともに、今後のさらなる躍進を期待したいと思います。

イ.ホストタウンの取り組み
 次に、ホストタウンの取り組みについてでございます。
 7月10日から24日の間、ケニア共和国選手団が久留米市内で事前キャンプを行いました。受け入れにあたっては、選手団入国時も含めて国と事前協議を行っていたため、濃厚接触者発生の際も適切な対応がとれました。さらに、選手、スタッフ、住民の安全を確保するため、外部との接触を避ける「バブル方式」の実施、PCR検査をはじめとした健康管理などについて、医療機関からもアドバイスをいただき、感染症対策を実効性あるものにできたと考えております。
 また、市内小学校・高校の児童・生徒と選手とのオンライン交流、各学校で作成した応援旗の贈呈、久留米特別支援学校の生徒や中学校・高校の部活動での練習見学など、コロナの状況下でも、創意工夫した交流や、一流アスリートのプレイに触れる機会をつくることができ、子どもたちの心に残る出来事になったのではないかと思っております。
 この場をお借りしまして、事前キャンプ受け入れにあたり、ご理解、ご協力、ご支援をいただきました市議会や実行委員会の皆様をはじめ、医師会や市内医療機関、ホテルや競技団体、文化交流に参加いただきました皆様などに対しまして、厚くお礼申し上げます。
 カザフスタン共和国の事前キャンプは実現しませんでしたが、今回のホストタウンの取り組みを契機として、今後の両国との交流につなげてまいりたいと考えております。

4.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。

(1)予算議案について

 第69号議案から第72号議案は、令和3年度一般会計及び特別会計の補正予算でございます。

 まず、急施を要し、他の議案に先立ちまして、本日御審議をお願いいたしております第69号議案について、説明を申し上げます。
 第69号議案は、一般会計補正予算(第5号)で、まん延防止等重点措置の適用や、緊急事態措置の実施をふまえまして、売上が減少している事業者の皆様への支援金として2億8,959万円、来店型店舗における、感染症の拡大防止対策に必要な設備改修・備品購入の費用として1億5,000万円、あわせて4億3,959万円の追加をお願いするものでございます。

 次に第70号議案から第72号議案は、その他の一般会計及び特別会計の補正予算でございます。
 はじめに、一般会計でございますが、15億8,835万円の追加をお願いするものでございまして、補正後の予算総額は1,487億9,445万円となります。
 以下、主な事業について説明いたします。

 去る8月11日からの豪雨による災害への対応や、今後の防災・減災対策の経費といたしまして、道路、河川、公園など、被災した公共土木施設の復旧費用として2億7,548万円、居住する家屋が、浸水被害を受けた皆様への災害見舞金として2,700万円、店舗や工場などが浸水被害を受けた、中小事業者の皆様への災害復旧や浸水対策に必要な支援金として8,506万円、クリークや農業用ため池の浚渫など、農業用施設における防災・減災対策の費用として2億4,663万円。
 次に、新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するための経費として、重症患者の治療やワクチンの職域接種等にご協力いただいている医療機関への支援金として5,000万円、感染症の影響による需要の低迷や、販売価格が下落している園芸作物の次期作を支援する費用として6,755万円、最後に、事業の進捗に伴うものといたしまして、高齢者福祉施設が、防災対策のために施設を改修する際の費用として4,899万円、過年度の国県支出金の精算に伴う返還金として6億7,043万円が、その主なものでございます。

 一方で、感染症の拡大防止のため、既に中止を決定いたしましたイベントの開催費用5,831万円について、歳出予算の減額をお願いいたしております。

 以上、これらの補正予算の計上に必要な財源は、地方交付税8億2,806万円、国庫支出金1億4,103万円、県支出金2億8,145万円、繰入金4億9,600万円、諸収入505万円の増額及び、市債1億6,324万円の減額、で措置いたしております。

 この他、河川災害復旧事業におきまして繰越明許費の追加を、交通安全施設整備事業におきまして繰越明許費の変更を、お願いいたしております。

 続きまして特別会計でございますが、国民健康保険事業及び介護保険事業につきまして、いずれも、過年度の国県支出金の精算に伴う返還金としてそれぞれ、2億3,202万円及び2億815万円の追加をお願いいたしております。

(2)一般議案について

 次に、第65号議案から第68号議案までの専決処分に係る議案及び第73号議案の一般議案について、各議案の提案理由をご説明申し上げます。

 第65号議案は、久留米市を被告として提訴された訴訟において、訴訟上の和解の必要が生じましたが、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。

 第66号議案から第68号議案までは、公務遂行中に発生した交通事故等又はヘボノキ公園内の側溝蓋の管理の瑕疵により、被害者の受けた損害を賠償するに当たり、その額の決定及び和解の必要が生じましたが、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。

 第73号議案は、学校のICT環境を整備するため、学習者及び指導者用のコンピュータ端末を取得しようとするものでございます。

(3)条例議案について

 続きまして、第74号議案の条例議案について、提案理由をご説明申し上げます。

 第74号議案は、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部改正に伴い、個人番号カードの交付及び再交付に係る手数料を廃止しようとするものでございます。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、何卒、慎重なるご審議の上、満場のご賛同を賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。

(令和3年9月2日)

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