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平成28年第3回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202203221513


  1. はじめに
  2. 久留米市における地方創生について
    (1)人口動向について
    (2)雇用創出に向けた産業振興について
    (3)子育て世代が住みやすいまちづくりについて
  3. 久留米市美術館について
  4. 各議案の提案理由説明

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 平成28年第3回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご多用中にもかかわりませずご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。
 市議会本会議の冒頭ではございますが、各議案の提案理由を説明いたします前に、鳩山邦夫衆議院議員のご逝去を悼み、一言述べさせていただきたいと思います。
 故鳩山邦夫氏は、平成17年に福岡6区から当選されて以来、数多くの要職をご歴任され、国政の中枢にありながらも、久留米市をはじめ、地元地域の発展・振興のために大変なご尽力をなされました。
 久留米市では、この10年の間に、中核市への移行、新幹線久留米駅の開業、久留米シティプラザの整備、そして地方創生の取り組みなど、将来への飛躍と持続的発展へ向けた極めて重要な政策に取り組んでまいりましたが、鳩山邦夫先生には、溢れる情熱を持って、様々な角度から力強いご支援をいただきました。
 また、明るく、気さくで気取らない、そのお人柄から、幅広く市民に親しまれておられました。
これからも、地元の代議士として、地域の発展のため、ますますご活躍されることを願っておりましただけに、誠に残念であります。
 ここに、心より感謝の気持ちを捧げますとともに、謹んで哀悼の意を表する次第でございます。
 それでは、本日ここに、提案いたしております各議案の提案理由を説明申し上げますが、はじめに、現在取り組んでおります重要施策の中から、「地方創生」及び「久留米市美術館」の2点について述べさせていただきます。

2.久留米市における地方創生について

(1)人口動向について
 まず、久留米市における地方創生について、人口の動向を踏まえ、これまでの取組みと今後の展開について述べさせていただきます。
 「久留米市キラリ創生総合戦略」の初年度であります、平成27年度末の住民基本台帳の人口は、305,993人となり、前年度から444人増加いたしました。
 平成25年度以降、3年続けての人口増加、対前年同月比較では、平成25年5月から本年8月まで、40か月連続で増加しております。
 前年度に比べ、自然動態のマイナス幅は拡大しておりますが、社会動態のプラス幅がそれを上回り、前年度の人口増加335人を超える増加数となりました。
 地域別の人口移動の状況を見てみますと、九州各県と久留米市との移動では沖縄県を除く全ての県から転入超過となっております。
 また、周辺の市町との移動では、福岡市への転出超過が前年度に比べ、約50人減少する一方で、県南部の自治体からの転入超過は増加しており、県南地域から福岡都市圏への人口移動に対するダム機能が高まっているものと思っております。
 年代別では、男性は30歳から34歳までの年代で74人の転入超過、女性は20歳から24歳までの年代で109人の転入超過が顕著で、27年度は、特に若年層の女性の転入超過が、久留米市全体の人口を引き上げております。
 転入超過には様々な要因があると思いますが、これまでの企業誘致の成果とあわせまして、交通の利便性、医療機関の充実や子育て環境の良さなど、あらためて、久留米市の暮らしやすさが認知されてきたものと考えております。
 一方で、首都圏をはじめとした三大都市圏や福岡市への転出超過は依然続いております。
 また、男性の20歳から24歳までの就職時期の年代で71人の転出超過でありますことから、働く場を確保するための取組みが大きな課題だと認識しております。
 このような人口動向から、地方創生を実現していくための重要なテーマとして、定住人口を維持するための大きな要素であります、雇用創出に向けた産業の振興と、子育て世代が住みやすいまちづくりについて述べさせていただきます。
(2)雇用創出に向けた産業振興について
 まず、雇用創出に向けた産業の振興につきましては、現在、産学官金の各機関による推進組織である「久留米市産業振興協議会」において、具体的な取り組みについて、検討を進めているところでございます。
 協議会では、参加いただいている各団体が、それぞれの役割を果たすことを目的に「創業の支援」「企業の成長支援」「農業及び農業関連産業の支援」「医療及び福祉関連産業の振興」「観光産業の振興」の5つの検討テーマを設定しております。
 「創業の支援」のテーマでは、金融機関による創業セミナーや資金調達における相談会の開催、「企業の成長支援」のテーマでは、研究機関による新製品や新技術の開発支援、金融機関による国内外におけるビジネスマッチングの実施など、企業自らが主体となる取組みを中心に、具体的な事業の検討を進めております。
 また、協議会の取組みとは別に、久留米商工会議所と地元大学との連携事業に関する協定の締結や、久留米大学による、企業等への貸し出しも行う、新 動物実験センター棟の整備推進などが行われており、地域産業の振興や活性化に向け、市内の企業や団体が率先して自らの役割を果たそうとする機運が高まっています。
 久留米市としても、雇用を生み出す産業拠点として、新産業団地の整備を進めておりますとともに、新たな雇用の創出に向け、企業誘致はもとより、「市外からの移住創業支援」や「国内外の見本市や展示会等への出展支援」など、中小企業等に対する新たな支援を開始しているところでございます。
 また、久留米市では、これまで福岡県と連携し、バイオ関連産業の一大集積を目指す「福岡バイオバレープロジェクト」を進めてまいりました。
 革新的な機能性食品の開発や次世代医薬品である核酸医薬の開発など、更なるバイオ産業の創出に向け、理化学研究所の一部機能の移転に取組んでおりますが、現在、久留米大学や久留米リサーチ・パーク、そして国の地方創生事務局などで組織する「理化学研究所との連携に係る協議会」を設置し、共同研究のテーマを選定するなど、着実にその準備を進めているところでございます。
(3)子育て世代が住みやすいまちづくりについて
 次に、子育て世代が住みやすいまちづくりについてでございます。
 中長期的には人口減少が想定され、さらに高齢化が進むなかで、活力ある地域社会を維持していくためには、子育て世代が安心して子どもを産み、育てられるまちづくりを進め、一定のバランスが保たれた人口構造を目指していく必要があります。
 私は、これまでに、全国トップクラスの子育てしやすいまちを目指し、保育料の35%軽減、保育所等の子育て支援施設の充実、保健師や助産師等による乳幼児を持つ家庭への全戸訪問など、子育て支援に積極的に取り組んでまいりました。
 本年度は、病気の際に幼児や児童を預かる「病児保育」を拡充するとともに、子どもたちの健全な発達や保護者の負担軽減のため、安全で温かいごはんを提供する「保育園での完全給食」を3歳児未満から全年齢に拡大しております。
 そして、本年10月からは、子育て世代の経済的支援策として、子どもの通院医療費の助成対象を、「小学3年生まで」から「中学3年生まで」へ大幅に拡大いたします。
 これまでの取組みにより、平成27年度における市民意識調査の結果では、78.7%の市民の方に、子育てしやすいまちだと、評価していただいております。
 また、東京のNPO法人による、自治体の子育て環境ランキングでは、総合評価で中核市42市中、第2位の評価をいただきました。
 一方で、保育所等の待機児童数は、近年の子育て世代の転入増加や入所要件の緩和などの理由により、昨年度の33人から本年度は78人に増加しております。
 待機児童の解消対策につきましては、これまでに施設の増改築や認定子ども園の創設などにより、平成21年度以降、約1,700人の入所定員の拡大を行ってまいりましたが、ここ数年、入所希望児童数は当初の見込みを上回る状況が続いております。
 私は、子育て世代が安心して子どもを産み、育てるためには、待機児童の解消が極めて重要な課題だと認識しており、今後、入所希望児童数の需要予測を見直し、課題解決に向けた取組みを強化してまいりたいと思っております。
 そのためには、まず、保育士の慢性的な不足への対応が必要でありますことから、国の「一億総活躍社会の実現」に掲げる政策の動向を見極めながら、保育士の処遇改善や安定雇用の支援などの検討を行い、効果的な対策を講じてまいりたいと考えております。
 子育て世代が住みやすいまちづくりを進めていくためには、総合的かつ重層的な取組みが必要です。
 今後とも、制度の狭間にある子育て世帯への支援や子どもの貧困対策など、一人ひとりのことを考え、大切にする支援について、国や県の取組みと連動し、また、市議会をはじめ、関係する機関や地域の皆様と協力しながら、切れ目のない支援策の構築に最大限、努力してまいります。

3.久留米市美術館について

 最後に、久留米市美術館についてでございます。
 先月、8月28日、石橋美術館としての最後の展覧会を終えられました。
 期間中2万7千人を超える、数多くの市民の皆様、そして、全国からも熱心な美術ファンの皆様にご来館いただき、石橋美術館との別れを惜しまれたところです。
 改めまして、長年に亘り、久留米市の文化芸術の振興に多大な貢献をされ、九州の美術館の先駆けとして美術界をリードしていただいた石橋財団に対しまして、心から感謝の意を表し、お礼を申し上げたいと思います。
 いよいよ10月からは、「久留米市美術館」として、新たなスタートを迎えます。
 現在、施設の改修工事のほか、業務引継ぎなど、運営移行の準備に万全を期して臨んでいるところでございます。
 そして、11月19日より、開館を記念する展覧会として、「九州」をテーマとした「2016ふたたび久留米からはじまる。九州洋画」を開催いたします。
 本展覧会では、昨年度から収集してまいりました作品や、石橋財団から寄託を受けた作品のお披露目のほか、全国の美術館や石橋財団から借用する、約110点におよぶ、魅力溢れる作品を展示する予定でございます。
 併せまして、本館開館の同日には、美術館別館も「石橋正二郎記念館」として、新たに生まれ変わり、オープンいたします。
 石橋正二郎ゆかりの美術作品の展示のほか、文化事業をはじめとした、正二郎氏の様々な足跡などを紹介する予定でありまして、今後、この記念館が、久留米の多くの子どもたちをはじめ、市民の皆様にとって、先達の偉業を学び、郷土愛を育む場となるよう、大切に活用してまいります。
 運営移行まで1か月を切りました。
 石橋正二郎名誉市民の崇高な理念と石橋美術館の伝統を引き継ぎながら、「とき・ひと・美をむすぶ美術館」という新しいビジョンのもとで、市民の皆様に親しまれ、愛される美術館になりますように、精一杯努力してまいる所存でございます。
 以上、現在取り組んでおります重要施策のうち、2点について申し上げましたが、今後も地方創生の取り組みを積極的に推し進めることにより、子どもからお年寄りまで、市民の皆様一人ひとりが幸せを感じることができる、「日本一住みやすいまち・久留米」を目指してまいります。
 あらためまして、正副議長をはじめ、市議会の皆様、そして市民の皆様のご理解とご協力、ご支援をお願い申し上げる次第でございます。

4.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。
 まず、第92号議案から第94号議案までの予算議案について説明申し上げます。
 第92号議案は、衆議院議員補欠選挙に係る費用につきまして、平成28年度一般会計補正予算(第1号)を定める必要が生じましたが、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
 第93号議案及び第94号議案は、平成28年度一般会計及び特別会計の補正予算案でございます。
 まず、一般会計でございますが、14億631万円の追加をお願いするものでございまして、補正後の予算総額は1,349億1,952万円となります。
 以下、主な事業等について、説明いたします。
 はじめに、6月と7月の大雨による災害に対応するための経費でございますが、準用河川 野添川、及び普通河川 大開川の被害に対する復旧費用として3,000万円、そのほか道路及び河川排水路等の被害に対する復旧費用として5,970万円をお願いしております。
 次に、国の「地方創生推進交付金」を活用するものといたしまして、福岡県と連携して、バイオ関連産業の振興のため、理化学研究所と地域の大学等との共同研究のための費用として1,125万円を計上いたしております。
 また、その他事業進捗に伴うものとしまして、9事業、13億536万円を計上いたしておりますが、その主なものとしましては、「ふるさと・くるめ応援寄付」の申込みの増加に対応するための費用として 9億1,762万円、マイナンバー制度に伴います、「個人番号カード」の作成事務等の費用として 7,220万円、介護サービス事業所の介護ロボット等の導入に対する助成のための費用として 982万円、保育所等における、ICT化の推進のための保育システムの導入及び事故防止等のためのビデオカメラの設置の費用として 4,080万円、B型肝炎ワクチンの予防接種が定期接種化されることに伴う費用として 3,968万円、埋蔵文化財の発掘調査のための費用として 2,901万円、久留米シティプラザの六角堂広場や六ツ門テラスにおける設備拡充を図るための費用として 1,000万円、前年度の国県支出金等の精算等に伴います返還金 1億8,573万円でございます。
 これらの補正予算の計上に必要な財源は、市税2億3,000万円、国庫支出金1億2,732万円、寄附金6億100万円、繰入金3億2,712万円、市債1億250万円等で措置いたしております。
 このほか、事業完了が翌年度となる見込みであります河川災害復旧事業につきまして繰越明許費の追加を、河川排水路等補修事業につきましては、繰越明許費の変更をお願いいたしております。
 また、次年度以降の支出を伴うこととなります、久留米スポーツセンター内体育施設の指定管理料につきまして、債務負担行為の追加設定をお願いいたしております。
 続きまして、特別会計でございますが、介護保険事業につきまして、前年度の国県等支出金の精算に伴う返還金として、2億5,871万円の追加をお願いいたしております。
 次に、第90号議案及び第91号議案の専決処分、並びに第95号議案から第98号議案までの一般議案について、各議案の提案理由を説明申し上げます。
 第90号議案は、児童扶養手当法施行令の一部改正に伴い、条文中の用語の整理を行う必要が生じましたが、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
 第91号議案は、公務遂行中の事故による和解について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
 第95号議案から第97号議案までは、篠山小学校に係る校舎及び屋内運動場の改築工事、電気設備工事及び機械設備工事の各契約を締結しようとするものでございます。
 第98号議案は、新たに消防ポンプ自動車を取得しようとするものでございます。
 続きまして、第99号議案から第104号議案までの条例議案について、各議案の提案理由を説明申し上げます。
 第99号議案は、建築基準法の一部改正に伴い、条文中の用語の整理を行おうとするものでございます。
 第100号議案から第102号議案までは、それぞれ基準とする省令の一部改正を踏まえ、児童福祉施設等に係る設備基準の変更及び用語の整理を行おうとするものでございます。
 第103号議案は、農業委員会等に関する法律の一部改正に伴い、本市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数を定めようとするものでございます。
 第104号議案は、福光団地に集会所を新設しようとするものでございます。
 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、なにとぞ、慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして提案理由の説明とさせていただきます。

(平成28年9月5日)

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