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平成25年第2回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202208181315


  1. はじめに
  2. 経済対策について
  3. 市民との協働による安全、安心なまちづくりについて
  4. (仮称)久留米市総合都市プラザについて
  5. 北部一般廃棄物処理施設について
  6. 各議案の提案理由説明

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 平成25年第2回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましてはご多用中にもかかわりませずご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております、各議案の提案理由をご説明申し上げますが、初めに、市政運営を取り巻く環境と直面しております重要課題について4点程述べさせていただきたいと思います。

 現在、政府与党においては「道州制基本法案」の早期国会提出を目指し検討が進められています。
 道州制は、国と基礎自治体の間に位置する広域自治体のあり方を見直すことによりまして、国と地方のあり方、事務事業の分担関係を再構築しようとするものであります。
 この道州制の進展いかんによっては、地方分権がより革新的に推進され、市民に最も身近な基礎自治体である久留米市は、これまで以上の権限と責任の下で、地域の実情にあった政策を推進し、住民福祉の向上、地域課題の解決、地域経済の浮揚などに取り組んでいくこととなります。

 これからの市政運営にあたっては、そのような地方分権の方向も見据えながら、地域の発展は地域で担うという自覚を持って取り組みを進めていく必要があると考えております。
 また、久留米市が持続的に発展していくためには、長期的な視点に立ったまちづくりが不可欠です。
 次期の総合計画については、既に取り組みをはじめ、今後、市議会や市民の皆様とともに策定を進めてまいりますが、現下の政治、社会、経済情勢等の環境を踏まえた中で、今、将来を見据え、久留米市が全力で取り組まなければならないと認識している重要課題の一部について触れさせていただきたいと思います。

2.経済対策について

 まず、1点目は経済対策についてでございます。
 近年、高度成長期に整備された社会インフラの老朽化が大きな問題となっておりますが、地方では、上下水道や道路、公共交通、通信など、産業や生活の基盤となるインフラの整備自体がまだまだ遅れているのが実情でございます。
 久留米市におきましては、国の経済対策を最大限に活用した、過去最大の積極予算を承認いただき、道路、橋りょう、河川などの安全、防災対策や、学校施設など公共施設の耐震化、通学路の危険箇所の解消など、市民生活の安全、安心に必要な社会インフラの整備に向けまして、公共事業のスピードアップを図ることとしております。
 そして、この市民生活に密着した公共事業の発注に当たりましては、最大限、地場企業の受注機会とし、市内の景気、雇用を後押しするとともに、切れ目の無い経済対策とするため、金額ベースで、全体の約8割、210億円規模の工事を上半期に発注する計画といたしました。
 一方で、東日本大震災復興の本格化や国の緊急経済対策により公共事業が全国的に大幅に増加していることから、作業員や建設資材が不足し、労務単価や資材価格が高騰するなど、公共事業の履行確保が次第に困難になりつつあります。
 そこで、久留米市では、今年4月1日以降に契約を行います工事のうち、平成24年度の労務単価を適用して予定価格を積算した工事につきましては、特例措置としまして、受注者が新労務単価で積算しなおした請負金額への変更の協議を請求できることといたしました。
 また、この特例措置に基づく契約変更にあたりましては、下請負契約金額の見直しや技能労働者への賃金水準の引き上げ等について、適切に対応するよう受注者に対し、周知徹底を図っているところです。
 さらに、先月、国及び中央公共工事契約制度運用連絡協議会において公共工事の低入札価格調査基準価格の引き上げが行われており、久留米市におきましても、これに呼応して、出来るだけ早い時期に最低制限価格の引き上げを行い、公共工事におけるダンピング受注の排除を図る必要があると考えております。
 今後も、公共事業をめぐる情勢を見極めながら、地場企業優先の発注はもとより、適正な価格の積算、受注しやすい環境整備に努めまして、昨年の1.3倍となりました公共工事を時機を失することなく確実かつ円滑に執行し、その効果を雇用、そして消費へとつなげてまいりたいと考えております。

 また、久留米市の魅力ある資源、蓄積のある分野を中心として、新産業の創出や既存産業の技術革新、高付加価値化の促進、そして戦略的な企業誘致などを進めていく必要がございます。
 国際経済交流や農業の長期安定的担い手の確保、6次産業化など、将来を展望した施策にも着実にスピード感を持って進めていかなければなりません。
 さらに、「みどりの里づくり事業」の一環として、 (仮称)世界のツバキ館の整備を進めておりますように、歴史や文化、食、自然など、久留米の魅力ある地域資源を活かした、交流人口の拡大は広域求心力再生の要の一つであります。
 緊急経済対策と平行して、将来を見据えながら、このような、久留米の強みを活かした地域に根ざした取り組みを積極的に進め、地域経済の持続的発展に努力してまいりたいと考えております。

3.市民との協働による安全、安心なまちづくりについて

 2点目として、市民との協働によります安全、安心なまちづくりについて防災、暴力追放、そしてセーフコミュニティへの取り組みを申し上げます。

 防災への取り組みでございますが、今年も、梅雨の季節となり、水害への備えが欠かせない時期となりました。
 昨年7月の九州北部豪雨では、久留米市内の人的被害はございませんでしたが、市内10地域に避難勧告を行うなど、市民生活に重大な被害を及ぼし、農業や商工業にも大きな打撃を受けました。
 この災害を教訓としまして、大規模な災害にも機能できるよう、久留米市地域防災計画の見直しを進めてまいりましたが、先月の久留米市防災会議においてその計画が承認されたところです。

 こうしたことを踏まえまして、現在、広域化した市域の中で同時多発的に発生する災害に備えるため、災害現場からの画像伝送や被害状況を一元的に集約するシステムの導入のほか、自主防災組織や市民の皆様へ災害情報がタイムリーに発信できるように、メールを活用した防災情報の伝達や緊急告知FMラジオの配布を拡大する準備を行っているところです。
 また、地域や市民の皆様との協働により、家庭における防災対策の拡充や災害時要援護者支援プランによる実効性のある避難支援体制の確立を進めておりまして、市や防災関係機関、地域や市民の皆様との訓練や研修なども行いながら、地域防災力の向上に取り組んでいるところでございます。

 さらに、災害時のボランティア活動は、被災者や被災地域のニーズに応じた効果的できめ細かな活動が期待されるところでありまして、その善意を有効に機能させる仕組みづくりが非常に重要であります。
 久留米市でも昨年の豪雨災害におきましては、延446名のボランティアに活動いただきましたが、その経過を検証し、災害時のボランティアセンターをより円滑に設置・運営できるよう、先週6月7日に市と久留米市社会福祉協議会との間で協定書の締結を行ったところでございます。

 なお、昨年受けた災害の復旧工事につきましては、現在、増水時期前の早期完了へ向け取り組んでいるところでありまして、今後も、雨水貯留施設の整備や公共施設の耐震化などに、積極的、継続的に取り組みながら、災害に強い都市基盤の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。

 次に、暴力追放への取り組みでございます。
 市民生活を脅かし、久留米市のイメージを損なう暴力団の壊滅は、久留米市として避けることの出来ない、最重要課題の一つでございます。

 福岡県がさきがけとなった暴力団排除条例の制定、昨年10月に施行された改正暴力団対策法による「特定抗争指定暴力団」の指定と活動制限、さらには、民間事業者を守る観点で改正された福岡県暴力団排除条例が、去る6月1日から施行されるなど、暴力団への包囲網は確実に狭まってきております。
 私は、そのような法の規制を最大限に活かすうえでも、今まで以上に市議会はもちろんでありますが、市民、事業者、警察や関係機関との連携が非常に重要になってくるものと考えております。

 久留米市では、平成18年5月に、指定暴力団道仁会の内部分裂に伴う、連続発砲・爆発事件により、市民の皆様の平穏な生活が暴力の脅威にさらされるという緊急事態が発生しました。
 この抗争の勃発を機に、南薫校区の約600名の皆様が、平穏な日常生活を取り戻すために大原告団を結成され、道仁会を相手に本部事務所等の使用差し止めと、損害賠償の請求を求めた訴訟は、仮処分申立てを含め、開始から5年が経とうとしております。
 この間、道仁会側は、原告団に対して損害賠償を求める訴訟を起こすなど原告団の動揺を誘う卑劣な動きも見せました。また証人尋問では、原告6名の方が、被告が見つめる中で証言台にも立たれました。
 改めて、原告団と弁護団の皆様の勇気とご尽力に深甚なる敬意を表する次第でございますが、訴訟が長期化する中、原告団の精神的負担の大きさは図り知れないものがあり、大変危惧しているところでございます。
 久留米市では、これまで可能な限りの支援を行ってまいりましたが、現在、和解協議が慎重に進められており、先般、原告団及び弁護団より、久留米市への更なる協力要請をいただいたところでございます。
 暴力のない、安全で安心な暮らしの実現は、私たち久留米市民の強い願いであり、久留米市といたしましては、今後の和解協議の進展を見極めますとともに、市議会の格段のご理解とご支援を賜りながら、訴訟の早期終結を見据えて最大限の努力をいたしたいと考えているところでございます。

 次に、セーフコミュニティへの取り組みについてでございます。
 私は、平成23年7月に、中国四国・九州地区では初めてWHO(世界保健機関)セーフコミュニティ協働センターが提唱します、安全安心のまちづくり「セーフコミュニティ」に取り組むことを、表明いたしました。
 「セーフコミュニティ」とは、「けがや事故等は偶然の結果ではなく、その原因を究明することで予防できる」との理念のもとで、「予防」に重点を置いて、地域社会における安全の質を向上させようとする世界基準の取り組みでございます。

 取り組みを宣言して間もなく2年が経過いたします。これまで、まちづくり組織をはじめ、様々な団体の皆様のご理解をいただいて「久留米市セーフコミュニティ推進協議会」を設置し、全市的な推進体制を構築しますとともに、交通安全、子どもの安全、高齢者の安全、犯罪・暴力の予防、自殺予防、そして防災の6分野を、重点取り組み分野として推進してまいりました。
 昨年10月に、WHOセーフコミュニティアジア認証センターによる事前審査を受け、取り組み状況について一定の評価を得たところでございまして、本年度は、いよいよ国際認証の最終段階となります。
 8月に最終審査を受け、12月には国際認証を取得できるよう、具体的な手続きと、各分野の取り組みを鋭意進めているところでございます。

 私は、このセーフコミュニティは、市民との協働によるまちづくりを進める具体的なツール、手段の一つとしても特に有効であると捉えております。
 国際認証の取得を契機としまして、この「セーフコミュニティ」の仕組みを通して、多くの市民や団体の皆様と力をあわせ、「安全に安心して暮らせるまちづくり」を展開してまいりたいと考えております。

4.(仮称)久留米市総合都市プラザについて

 3点目は、(仮称)久留米市総合都市プラザについてでございます。

 まず、施設関係につきましては、現在、実施設計の最終段階を迎えておりまして、六角堂広場では解体作業に着手し、本体建設工事の発注方針を公表するなど、工事着工に向けた取り組みを精力的に進めているところでございます。
 一方で、建設工事には2年ほどを要しますことから、工事期間中の商店街の賑わい創出や都市プラザの開業に向けた機運の醸成、連携体制の強化が不可欠であると考えておりまして、商店街や市民活動団体の皆様方と協力しながらプレ事業に取り組むこととしております。
 先月には、「街なかプチコンサート」の第1弾を開催しますとともに、街なかの賑わいを創出する人材を育成する「街なか企画塾」も開始いたしました。
 また、昨日は、地元音楽愛好家の皆さんを中心に、ブルースをテーマに音楽を楽しみながら街なかの賑わいを創ろうと、中心部の店舗で「久留米ブルースフェスティバル」を開催されるなど、民間による新しい動きも出てきております。
 今後も引き続き様々な趣向を凝らしたプレ事業を開催してまいりますとともに、六角堂プラザの閉鎖に伴い、六ツ門商店街内に新たに設置しましたまちの駅「まちカフェ六ツ門」におきましても、都市プラザに関する情報発信や都市プラザ整備と連携した取り組みを積極的に展開してまいります。

 昨年6月、「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律」が施行されました。
 この、いわゆる劇場法は、劇場、音楽堂等の活性化を図ることにより、実演芸術を振興し、心豊かな国民生活や活力ある地域社会に寄与しようとするものでありまして、劇場等には、地域コミュニティの創造と再生を通じて、地域の発展を支える機能も期待されております。
 先月、市中心部の活性化に貢献しようと、筑後地方唯一の百貨店である岩田屋久留米店の屋上に、地域開放型の3世代憩いの場として「SORA−IRO広場」が整備されました。
 都市プラザは、【賑わいと憩いが調和する「文化」・「活力」創造空間】という施設の基本理念のもと、市民はもとより、県南地域の心豊かな生活を彩りますとともに、六ツ門地区、西鉄久留米駅周辺地区を核とする中心市街地が再び輝きを取り戻せるよう、市民の皆様、関係者の皆様とともに情熱と最大限の努力をもって創り上げてまいります。

5.北部一般廃棄物処理施設について

 最後に、北部一般廃棄物処理施設についてご報告させていただきます。
 施設整備に関しましては、現在、タクマグループを焼却施設の設計・建設・管理運営を一括して行うDBO事業者としまして、今年度中の建設工事着工に向け、設計を進めているところでございます。
 また、昨年10月に着手しました敷地の造成工事や周辺道路の工事については、ほぼ完了しており、現在、調整池などの工事に取り掛かっているところでございます。

 一方で、残念なことに、施設建設に反対をされている団体より、2月26日付で「北部一般廃棄物処理施設整備・運営事業に関する違法又は不当な公金の支出に係る住民監査請求」が提出されました。
 請求の内容は、「施設整備・運営に公金を支出することは違法又は不当」として、今後の支出差し止めとこれまでに支出した公金の返還を市長に勧告することを求めたものでありましたが、監査結果は、請求人の主張には理由がないとして、4月25日に請求はすべて棄却されております。
 しかしながら、その後、先月24日に、この監査結果を不服として、既存施設で十分処理できるなどとして、施設整備・運営に関わる公金支出の差し止めなどを求める住民訴訟が提起されました。
 久留米市には、過去において、焼却炉の能力不足により、本来焼却すべき可燃ごみを直接埋立地に埋め立て、周辺住民の皆様に大変なご迷惑をかけるという、二度と繰り返してはならない、苦い経験がございます。
 中間処理施設を計画的に整備し、上津クリーンセンターと併せて南北2か所体制とすることで、行政の責務であります安定したごみ処理体制を長期的に確立することにいささかの揺るぎもありません。
 今後も平成28年4月の稼動を目指し、着実に整備を進めますとともに、住民訴訟への対応や施設整備の進捗状況などの報告を行い、市民の皆様のご理解をいただきながら、本市の将来に向けた安全で安定的なごみ処理体制の構築に向け全力で取り組んでいく所存です。
 今後とも正副議長をはじめ、議員の皆様、市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。

6.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。
 第52号議案から第61号議案までは、専決処分及び一般議案でございます。
 第52号議案から第55号議案までは、車両運行中の事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告し、承認を求めるものでございます。
 第56号議案から第58号議案までは、(仮称)三潴中継ポンプ場建設工事、公共下水道管渠布設第40工区工事、JR久留米駅西口駐車場新築工事をそれぞれ施行するため、契約を締結しようとするものでございます。
 第59号議案は、市営住宅の明渡し請求及び滞納家賃等支払請求の訴えを提起しようとするものでございます。
 第60号議案及び第61号議案は、縄手町ほか16町内、18の市道路線を廃止し、並びに縄手町ほか25町内、61の市道路線を認定しようとするものでございます。

 続きまして、条例議案について、各議案の提案理由を御説明申し上げます。
 第62号議案は、動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正に伴い、当該法律を引用する条文中の用語の整理を行おうとするものでございます。
 第63号議案は、情報公開審査会及び個人情報保護審査会を統合しようとするものでございます。
 第64号議案は、地方税法の一部改正に伴い延滞金及び還付加算金の割合の見直し、住宅借入金等特別税額控除の対象期間の延長その他必要な規定の整備を行おうとするものでございます。
 第65号議案は、北野体育センター体育館を廃止しようとするものでございます。
 第66号議案は、地方公務員給与減額支給措置に係る国からの要請の趣旨を踏まえ、市長等及び職員の給与の臨時特例を定めようとするものでございます。
 地方公務員の給与減額支給措置につきましては、平成25年1月28日付けの総務大臣通知において国家公務員の給与減額支給措置に準じる措置を求める要請がございました。
 この要請は、「東日本大震災を契機として防災・減災事業に積極的に取り組むとともに、長引く景気の低迷を受け、一層の地域経済の活性化を図ることが喫緊の課題となって」おり、「こうした地域の課題に迅速かつ的確に対応するため」国が行っている国家公務員の給与減額措置を踏まえ、地方公務員の給与に関しても国に準じた措置を求めるものであります。
 この要請につきましては、その手法等に多くの問題があるものと認識いたしておりますが、一方で、3月には改正地方交付税法が成立したこと、また、防災・減災事業に取り組む、地域経済の活性化を図るという国の要請の趣旨自体には理解すべき点があること、そして何より市民サービスの維持・向上の観点から、久留米市におきましても、今回の国からの要請に対して一定の対応を行う必要があるとの判断に至ったところでございます。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、なにとぞ、慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして提案理由の説明とさせていただきます。

(平成25年6月10日)

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