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平成23年第3回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202208310920


  1. はじめに
  2. 東日本大震災について
  3. 暴力追放への取り組みについて
  4. 九州新幹線久留米駅開業後の状況について
  5. (仮称)久留米市総合都市プラザの建設について
  6. 各議案の提案理由説明

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 平成23年第3回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましてはご多用中にもかかわりませずご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております、各議案の提案理由の説明を申し上げますが、初めに、市政運営を取り巻く環境と直面しております重要課題について述べさせていただきたいと思います。

2.東日本大震災について

 まず、東日本大震災についてでございます。
 世界最大級の大地震と空前の巨大津波、そして深刻な原発事故という未曾有の複合災害となった「東日本大震災」の発生から早や3か月が経ちました。
 この大震災により多くの尊い命が奪われ、未だに9万人近い方々が厳しい避難所生活を強いられておられます。
 改めまして、犠牲となられました方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。

 この東日本大震災の発生以来、社会の空気が一変し、被災地だけでなく、日本中が悲しみに包まれてきた感がいたします。
 安全で安心できる日常がいかに貴重で大切なものであるか、多くの方が改めて実感された3か月ではなかったかと思います。
 久留米市では、これまで市議会、市民の皆様、団体、企業の皆様からの心温まる多大なご協力をいただきながら、物心両面にわたって被災地、被災者への支援、久留米市へ避難された方々への支援に取り組んできたところでございます。
 皆様からお預かりした義援金は1億3千万円を超え、また、被災地へお送りした支援物資は、紙おむつ、粉ミルク、生鮮野菜、食品など10トントラック5台分を超えております。
 ここに厚く御礼を申し上げる次第です。
 被災地は今、一歩一歩ながらも、復興に向けて歩み出されていますが、戦後最大ともいえるこの国難に対し、引き続き国民の総力を挙げた取り組みが必要であることは言うまでもありません。今後とも、市民の皆様と一緒になって出来る限りの支援を続けてまいりたいと考えております。

 一方、今回の大災害をまのあたりにしまして、久留米市におきましても、いつでも、どこでも想定以上の大災害が起こりうるという危機感を持った対策を講じておくことが必要であると痛感いたしました。
 私は、市政運営の三つのキーワードの一つとして「安心」を掲げまして、市長就任以来、「安全に安心して暮らせるまちづくり」に積極的に取り組んでまいりました。
 今後はさらに、この大震災を教訓としまして、事前の防災、減災対策の強化と、発生時の的確な対応の再構築に取り組む決意を新たにしたところでございます。
 今年度につきましても、自主防災組織の育成・支援による地域防災力の向上、市営の老朽木造住宅の解消、避難所ともなります学校施設の耐震化、市街地を中心とした浸水被害の軽減対策など災害に強いまちづくりを強力に推し進めてまいります。
 また、現在の久留米市の防災計画は、予測が一定可能である大雨や台風などによる災害を主な対象としておりまして、大規模な地震が発生した場合など、平常時では考えられない、危険な状況の下で、初動体制の立ち上げや着実な災害対応など、現在の計画が本当に機能するのか、あらためまして、様々な角度から再点検を行い、いざという時にも安全な地域社会づくりを進めていきたいと考えております。

 さらに、この大震災は、多くの尊い命を奪い、生活基盤、産業基盤等に、甚大な被害を与えたのみならず、国民の消費マインドや生活様式、国の環境・エネルギー政策、企業の経営戦略にいたるまで、様々な影響を及ぼしつつあります。
 また、日本経済の景気動向は、大震災の影響から大幅に悪化したものの、生産の下げ止まりや消費自粛の緩和など底を打った観があり、復旧・復興需要や生産活動の回復による持ち直しも期待されているところですが、一方では、全国に広がった電力供給の制約や原子力災害の影響も懸念されております。
 久留米市といたしましては、そのような動向を注視しながら、市民生活や企業経営への影響などを的確に把握し、市民の安全、安心はもとより中小企業への支援、産業振興、環境・エネルギー対策などに、時機を失することなく適切な対応に努めて行きたいと考えているところでございます。

3.暴力追放への取り組みについて

 次に、暴力追放に係る取り組みについてでございます。
 「安全に安心して暮らせるまるづくり」を進めるにあたりまして、市民の皆様の平穏な生活を再三にわたって脅かし、そして、この久留米市のイメージを損なう暴力団の壊滅は、久留米市としての悲願でございます。

 ご存知のように、県内では、今年に入って、銃器による一般住民に対する発砲事件や手りゅう弾投てき事件など、暴力団が関与するとみられる卑劣で、凶悪な事件が相次いで発生しております。
 私は、市民の皆様の平和に暮らす権利を暴力で踏みにじり、卑劣極まりない暴挙を繰り返す暴力団に対しまして、強い憤りを覚えますとともに、このような抗争激化の動きが、多くの市民の皆様に多大な恐怖を与えているものと大変危惧しているところでございます。
 そのような状況を踏まえまして、3月末に本市上津町と大牟田市で立て続けに発生した抗争事件に対して、4月14日には、暴力団の卑劣な行為に断固として抗議し、事件に臆せず、団結して暴力追放に取り組む強い姿勢を顕示するため、大牟田市と連携を取りながら、それぞれで緊急の暴追集会を開催いたしました。
 さらに、先日6月1日の暴力追放市民総決起大会は、市議会議員の皆様をはじめ多くの方々のご臨席を賜るなか、福岡県が主催します「暴力団追放・地域決起会議」との同時開催によりまして、久留米市だけでなく、筑後地域が、そして福岡県全体が一体となった暴力追放の更なる推進と気運の醸成を図ったところでございます。
 昨年来、福岡県では、県及び県内全市町村で施行された「暴力団排除条例」に基づき、県全域を挙げて「暴力団排除」に取り組んでおります。
 今後、暴力追放・暴力団排除の気運をさらに醸成し、条例の実効性を最大限に高めるため、事業者や市民の皆様への条例の周知徹底はもとより、今まで以上に警察や関係機関との連携、さらには県や周辺自治体との連携した取り組みが重要になってくるものと考えております。

 一方、南薫校区住民の皆様が大原告団を結成され、指定暴力団道仁会を相手に、旧本部事務所等の使用差し止めと慰謝料の請求とを求めた一連の訴訟については、その開始から3年が経とうとしております。
 この間、弁護団とともに一致団結して闘っておられます原告団の皆様に対しまして、改めて深く敬意を表しますとともに、訴訟が「和解」か「判決」かという正念場に差しかかっている今、本市といたしましても、弁護団や警察、関係機関との調整を含め、可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

 申し上げるまでもなく、暴力のない、安全で安心な暮らしの実現は、私たち久留米市民の強い願いでございます。
 私は、今回の抗争再燃の動きの中で「暴力団の卑劣極まりない行為は決して許さない」という強い決意を新たにしますとともに、市議会の皆様をはじめ、市民・事業者、警察、そして行政、すなわち地域社会全体の暴力団壊滅への願いと思いを結集し、これまで以上に暴力追放・暴力団排除に取り組んでまいる所存でございます。

4.九州新幹線久留米駅開業後の状況について

 次に、九州新幹線久留米駅開業後の状況についてご報告させていただきます。
 本年3月12日に、長年の悲願でありました九州新幹線久留米駅が開業いたしました。
 JR九州の発表によりますと、乗降客数は、東日本大震災による旅行の自粛やビジネス利用の低下などの影響で低調なスタートをきったものの、徐々に利用客が増えているとのことであり、久留米駅の利用も順調だと伺っております。
 久留米市が5月12日に独自に行いましたJR久留米駅東西自由通路の通行量調査でも、前年7月に実施した調査に比べ1日2,800人程度増加し、約14,600人となっておりまして、新幹線や駅ビルをご利用のお客様が増えているのではないかと思っております。
 その他、地場産くるめJR久留米駅店の売り上げも好調でございまして、1日平均の売上額が開業前の約2倍に伸びております。
 また、石橋文化センターと石橋美術館の来場者数は、前年4月との比較では、「石橋文化センター」で35%の増加、「石橋美術館」では没後100年青木繁展の開催もあり、3倍強の増客となっております。
 石橋美術館には、九州新幹線・久留米駅開業記念の特別展として、青木繁展に続く来月1日からの高島野十郎・里帰り展や9月からの野見山暁冶展にも大いに期待をしているところであり、石橋美術館と連携した取り組みを積極的に進めてまいります。
 そして、これまで、震災被害のあまりの深刻さから、被災地、被災者の状況や心情を察し、開業イベントを自粛、延期しておりましたが、これから復興に向かうにあたっては、過度に自粛するのではなく、国民がいつも通りの生活をし、旅行、スポーツ、芸術、芸能などを楽しみ、経済全体を活性化することで被災地の復興につなげようとする動きが活発化してきております。
 そうした動向も踏まえまして、当初開業日に予定しておりました東西駅前広場及び東西自由通路での開業イベントを「元気は久留米から」をテーマに東日本地域の復興支援も考慮した内容で7月23日、24日に実施したいと考えております。
 今後も、官と民で構成している「久留米・新幹線活用プロモーション実行委員会」による様々な記念事業の実施や積極的な広報宣伝活動、さらには「新幹線活用久大本線活性化協議会」の沿線5市2町が連携したPR活動を実施するなど、新幹線の開業効果を最大限に活用したまちづくりに、精一杯、取り組んでまいる所存でございます。

5.(仮称)久留米市総合都市プラザの建設について

 最後に、(仮称)久留米市総合都市プラザの建設についてでございます。
 市議会におかれましては、早速、調査特別委員会を設置され、熱心なご審議をいただいており、誠にありがとうございます。
 総合都市プラザの整備に関する予算につきましては、本年第1回市議会定例会の平成23年度予算審査におきまして、集中的審議の上、可決いただいたところでございますが、予算審査特別委員会委員長より、「この計画については、市議会議員の改選後、早急に議会内で特別委員会を設置し、場所、規模を初めとする諸問題について十分議論していただきたい。その結論が出るまでは、執行を見合わせていただきたい」との申し入れを受け、その意向を踏まえまして、これまで予算の執行を保留いたしております。
 委員会では、現在、整備の時期、財政への影響を視点とした建設の妥当性、六ツ門地区への立地の妥当性、六角堂広場との一体的整備の妥当性を主な論点として論議をいただいております。

 文化芸術は、人々の豊かな感性や情緒、創造性を育み、教育・福祉・経済などの面でも大きな役割を果たすものであります。
 総合都市プラザは、その文化芸術の振興へ向けて、市民の皆様により質の高い文化芸術や文化芸術活動の場を提供するため、そして、低下する都市求心力の再生へ向けて、コンベンションなどによる賑わい、交流を創出するため、今の久留米市には欠くことのできない施設であると確信いたしております。
 六角堂広場につきましても、10年後、20年後の久留米市の姿、六ツ門地区の姿を考え、最も価値のある空間として整備をしたいという一心からであります。
 今の久留米市に欠けており、将来の久留米市に必要なものは、元気、賑わい、そして都市の顔です。
 私は、今この時期に、久留米市の将来への投資をためらうことで、久留米市が活気ある都市としての輝きを失っていくことを何としても避けなければならないと考えております。
 いうまでもなく、都市プラザは、造ることが目的ではなく、造ってからが本当の取り組みの始まりとなります。
 久留米市の活力を象徴するようなエリアとして、都市プラザの整備の効果を最大限に発揮させるような取り組みを、議会の皆様、関係者の皆様、そして市民の皆様と知恵を出し合い、力を合わせて久留米の元気作りに取り組まさせていただきたいと願っております。

 調査特別委員会におかれましては、さらに議論を深めていただきまして、その議論や市民の皆様、関係者の皆様のご意見を反映した基本計画の策定を急がさせていただきたいと考えております。
 是非とも、正副議長をはじめ、議員の皆様、そして市民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう強くお願い申し上げる次第でございます。

6.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。

 第50号議案から第68号議案までは、専決処分及び一般議案でございます。
 第50号議案は、車両運行中の事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第51号議案は、国民健康保険による出産育児一時金の額に係る経過措置を改める条例改正について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第52号議案及び第53号議案は、車両運行中の事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第54号議案は、東日本大震災の被災者等に係る久留米市立高等学校の入学考査料及び入学料を減免する条例改正について、緊急を要し専決処分をいたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第55号議案は、車両運行中の事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第56号議案は、学校内で発生した物損事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第57号議案から第59号議案までは、車両運行中の事故による和解契約の締結及び損害賠償額の決定について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものでございます。
 第60号議案は、工事請負契約の解除に伴う違約金支払請求の訴えを提起しようとするものでございます。
 第61号議案は、中央浄化センター消化ガス有効利用設備工事を施行するため、契約を締結しようとするものでございます。
 第62号議案は、市営住宅の明渡し請求及び滞納家賃等支払請求の訴えを提起しようとするものでございます。
 第63号議案及び第64号議案は、暁住宅No.6棟新築工事及び北崎住宅No.1棟新築工事を施行するため、契約を締結しようとするものでございます。
 第65号議案及び第66号議案は、西町外3町内の市道路線を廃止し、及び中央町外21町内の市道路線を認定しようとするものでございます。
 第67号議案及び第68号議案は、上津クリーンセンタープラント設備改修工事及び上津クリーンセンター電算制御システム改修工事を施行するため、契約を締結しようとするものでございます。

 続きまして、条例議案について、各議案の提案理由を御説明申し上げます。
 第69号議案は、低炭素社会 及び 循環型社会への移行に向け、環境への負荷が少ない軽自動車の普及を促進することに関し、当該軽自動車税の減免を行うため、条例の一部を改正しようとするものでございます。
 第70号議案は、久留米市みづま総合体育館の管理を指定管理者に行わせ、また、城島総合グラウンドの整備に伴い関係規定を整備するため、条例の一部を改正しようとするものでございます。
 第71号議案は、久留米市一番街多目的ギャラリーの管理を指定管理者に行わせるため、条例の一部を改正しようとするものでございます。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、なにとぞ、慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由の説明とさせていただきます。

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