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トコジラミについて
更新日:2024年03月08日
11時26分
トコジラミに注意してください
トコジラミに関する相談件数が増えているとの報道がなされており、国内における被害の拡大が懸念されています。トコジラミは、寝具や家具の隙間やカーテンの裏などに潜り込み、夜間の就寝中に体にとりついて吸血することで、強いかゆみが生じる被害が発生します。
トコジラミとは
- 成虫の体長は5ミリメートル~8ミリメートル、赤褐色で、羽がなく、扁平な形をしています。
- 幼虫から成虫まで雄雌共に吸血します。
- セミやカメムシなどと同じカメムシ目というグループに属し、触れるとカメムシ類と同じように悪臭を放ちます。
トコジラミの生態・習性
- 昼間はベッド、壁、柱、天井、戸棚、椅子、机などの木の割れ目や隙間、節穴などに潜み、夜間にはい出して吸血します。
- 体重の3~6倍もの血液を摂取し、元の潜伏場所へ帰りますが、太くなって狭い隙間から奥の方へ侵入できず、その入り口付近でその水分の大部分を糞(血糞)として排出します。このため、多数の個体が潜伏している家具や壁に黒褐色の点々が多数見られます。
- 卵は潜伏場所の周辺部にかためて産み付けられます。成虫は1日に1~5個の卵を2か月以上にわたり産み続けるので、その合計は200~500個に達します。卵は1週間でふ化し、幼虫は約4週間のうち5回脱皮し成虫になります。
- ふ化した後の卵殻や幼虫の脱皮殻はそのまま残り、トコジラミが潜伏する場所から出入りするときに穴の外へ押し出されます。
トコジラミによる被害
- 刺されている時には痛みやかゆみを感じることがほとんどありませんが、吸血される際に体内に唾液が注入され、唾液に対するアレルギー反応により皮疹やかゆみが生じます。
- 吸血時間が蚊などに比べて長く、大量の血液を吸います。その間に刺す場所を変える場合もありますので、刺し口が数か所並んで見られることがあります。
- 首筋や手などの露出した部分から吸血することが多いとされています。
- 被害の起こる時期は大体6月から9月頃ですが、暖房機器が設置されている場合、冬の時期も活動します。ホテルなどでは1年中被害が発生する危険性があります。
トコジラミの対応策
的確に潜伏場所を把握できるかが重要なポイントとなります。駆除方法には殺虫剤、熱風や高温の蒸気、掃除機による吸引などがありますが、家庭用としてホームセンターなどで販売されているピレスロイド系の薬剤に強い抵抗性を持つ虫体も見つかっており、個人で確実に駆除することは困難です。生息しやすい場所に血糞があったり、トコジラミを見つけた場合は、被害が拡大しないうちに専門の防除業者への依頼を検討してください。
旅館業の営業者の方へ
旅館業の営業者は、旅館業法(昭和23年法律第138号)第4項第1項に基づき、宿泊者の衛生に必要な措置を講じなけばならないと規定されています。このことから、下記の手引書を参考に旅館・ホテルの害虫対策をお願いいたします。なお、清掃作業を外部の事業者に委託している場合、日常清掃等でトコジラミを発見したとき、委託事業者ではトコジラミの防除ができない可能性があります。そうした場合はトコジラミに関する専門的知見を有するペストコントロール事業者へのご相談をご検討ください。
参考資料
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