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7月は同和問題啓発強調月間

更新日:202606301100


歴史を正しく知って差別なき社会へ

 令和8年は「部落差別の解消の推進に関する法律」(以下、「部落差別解消推進法」という)の施行から10年。
「差別の解消は、歴史に学ぶことから」と史実を語り継ぐ堀田秀茂さんに聞きました。

法施行10年を振り返って

 平成28(2016)年12月に、部落差別解消推進法が施行されました。部落差別という個別の差別の解消に向け、法が制定されたことは大変意義深いことだと思います。明治以降、ずっといわれなき差別に苦しんできた人々にとって遅すぎた部分もありますが、今なお部落差別が存在していることを国が認めたということは、大きな前進だと思いました。
 一方で、差別の解消に向け、国や県、市町村の取り組みに具体性が欠けていると感じます。職場や団体、地域などでの啓発も十分ではありません。部落差別は日本固有のものとして、国際社会からも解決に向けた取り組みが求められています。部落差別の解決なくして、日本のあらゆる差別は解消されません。国民一人一人が、身近な問題として再認識する必要があると思います。

ある窓口で起きたこと

 約5年前、被差別部落出身のAさんと金融機関に行き、手続きの順番を待っていました。すると窓口の人が、明らかに被差別部落出身者だとみなされる呼び出し方をしたのです。隣で、Aさんは「頭の中が真っ白になった」と話しました。
 もし、皆さんが事件や事故で世間から注目されている状況で、人前でそれと分かるような名前で呼ばれたらどんな気持ちになるでしょうか。信頼関係が大切な金融機関で、相手に思いを巡らせることなく、慣例で名前をそのまま読み上げてしまう人権感覚の乏しさに驚きました。すぐ申し入れをしましたが、1年後にもう一度同じ事態が発生した時は落胆しましたね。改めて、自分の発言が誰かを傷つけていないか、相手の立場に立って想像し、配慮する大切さを実感しました。

科学的な歴史認識を持つ

 部落差別は、人々の中に科学的な歴史認識が欠けていることが大きな要因だと考えています。これまで多くの講演を行ってきましたが、法施行から10年がたち、最近、講演のテーマに変化が見えてきています。今までは「日常生活とケガレ」「迷信と人権」といった漠然としたものだったのが、「久留米藩の部落史」といったテーマに変化。科学的な歴史認識を持ち、部落問題の本質を知りたいという人が増えてきたのです。
 長い歴史の中で、部落差別という言葉には暗いイメージが先行してきましたが、今、学び直そうという動きが生まれているように思います。

久留米藩と被差別部落

 私たちが学んでいる歴史には、権力者の視点で語り継がれた内容が多く含まれています。本来は、権力者の史実も、民衆の史実も含めて組み立てられるべきもの。都合の良い事実だけが語り継がれていることに気を付けなければいけません。
 全国の被差別部落には、その地域ごとに多様な歴史があります。教科書では、被差別部落の人々の仕事の例として、皮革業や警備、芸能などがよく挙げられます。一方、久留米藩では各地域に被差別部落の人々が住んでいて、さまざまな役割を担っていました。藩境の警備や夜警、水番、川番、水門の開閉、用水管理、野犬の捕獲、犯罪人の捕縛などです。その人々は治安維持に欠かせない役割を担い、民衆からは感謝と畏敬の念を持たれていました。
 同じ地域に住む者同士、互いに必要な役割を担い合っていたのであり、現代に流布されている誤った情報によって、差別されるいわれはないのです。

差別の解消に向けて

 被差別部落の人達が抱える不安や苦しみは計り知れません。私のところにも「先生、聞いてほしい、分かってほしい」という声が届きます。差別される側の不安や苦しみを知り、科学的な歴史認識を持つこと、施策に生かしていくことを望みます。誤った認識は、差別の助長や再生産につながります。見えにくい差別だからこそ、真実を知ろうとすることが大切。部落差別を受けている人に寄り添い、つらさを知って共感することが差別の解消につながると思います。
【問い合わせ先】人権・同和対策課(電話番号:0942-30-9045、FAX番号:0942-30-9703)

2026 同和問題講演会「久留米藩の被差別部落の人々の歴史に学ぼう」

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