トップ > 暮らし・届出 > 広報 > 令和8年1月号 > シリーズ 共に生きる【55】
100
更新日:2025年12月26日 10時01分
福岡県弁護士会筑後部会で「子どもの権利委員会」の委員長を務める小松宏吉さんに聞きました。
平成6(1994)年に日本が批准した「子どもの権利条約」によると、子どもには、生きる権利、育つ権利、自分の意見を表明する権利などがあるとされています。子どもの権利保障を確立するために、全国各地の弁護士会が「子どもの権利委員会」を設置。私も、所属する弁護士部会で子どもの権利委員会を立ち上げ、非行少年の社会復帰支援やいじめの第三者委員会への参加、「いじめ予防授業」など、子どもの権利を守る活動をしています。
授業ではまず、いじめの定義が変わったということを話しています。以前は「一方的・継続的な暴力・暴言に相手が深刻な苦痛を感じ、その事実について学校が認知していること」という厳しいものでした。しかし、平成25(2013)年制定のいじめ防止対策推進法で、「いじめを受けた子が心身の苦痛を感じているもの」と新たに定義されました。授業で説明をすると、子どもも保護者も知らなかったという人がほとんど。いじめは安心して過ごす権利を奪うものです。相手の気持ちを想像することの大切さを伝えていけたらと思います。
活動をする中で、大人の思い込みがいかに子どもの権利をないがしろにしているかを痛感したことがあります。別居中の夫婦の案件で、子どもの面会について検討した際、当たり前のように「子どもは親に会いたいはず」と思ってしまいました。しかし、子どもが「親に会いたくない」とハッキリと言ったんです。子どもが自分の意見を表明する権利を改めて認識しましたし、子どもの希望に日々向き合えているかを考えさせられる機会でした。子どもも大人と同じように、明確な意思を持つ人間です。大人の考えを押しつけず、子どもの意見を聞き、尊重する社会を目指したいです。
【問い合わせ先】子ども政策課(電話番号:0942-30-9227、FAX番号:0942-30-9718)
困りごとや悩み事を相談できる窓口はたくさんあります。学校や家庭などで困ったことがあったらいつでも相談してください。