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第4回 カーボンニュートラル、脱炭素社会、ゼロカーボンシティ

更新日:202207281500


第4回 カーボンニュートラル、脱炭素社会、ゼロカーボンシティについて

近年、国内外で様々な気象災害が発生しています。個々の気象災害と気候変動問題との関係を明らかにすることは容易ではありませんが、気候変動に伴い、今後、豪雨や猛暑のリスクが更に高まることが予想されています。日本においても、農林水産業、水資源、自然生態系、自然災害、健康、産業・経済活動等への影響が出ると指摘されています。
こうした状況は、もはや単なる「気候変動」ではなく、私たち人類や全ての生き物にとっての生存基盤を揺るがす「気候危機」とも言われています。
ここ数年、地球温暖化対策の推進に関するキーワードとして、カーボンニュートラル、脱炭素社会、ゼロカーボンシティなどの用語を見聞きする機会が増えてきました。カーボンニュートラル、脱炭素は、いずれも炭素に関連した用語で、どれも同じようなものと捉えている方もいるかもしれませんが、厳密にはそれぞれの用語の意味は異なります。
これらのキーワードについて、その用語の意味を正しく知り、地球温暖化対策の推進・強化が急がれていることを再確認してください。

カーボンニュートラル:二酸化炭素排出量を実質ゼロにすること

カーボンニュートラルとは、気温上昇の主な原因である二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を極力抑えつつ、出てしまった分に関しては同じ量を吸収・除去することで、排出量を実質的にゼロにすることです。「カーボン」は炭素、「ニュートラル」は中立を意味します。
政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを2020年10月に宣言しました。(参照:環境省ホームページ「脱炭素ポータル」このリンクは別ウィンドウで開きます
カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化をする必要があります。
カーボンニュートラルが急がれるのは、化石燃料の消費量が増え、大気中の温室効果ガス濃度が上昇し、気候変動が進んでいるためです。近年の海面水位の変化や、洪水、干ばつ、記録的豪雨や猛暑も気候変動の影響とみられており、更なる甚大な自然災害、感染症などによる健康被害などが発生する可能性が指摘されています。

脱炭素社会:二酸化炭素排出量ゼロを実現した社会

脱炭素社会とは、地球温暖化の最たる原因である二酸化炭素の排出量をゼロに抑えた社会のことです。脱炭素社会が実現すれば、温室効果ガスの大気中の濃度が薄まり、地球温暖化の抑止につながります。地球温暖化の具体的な施策を義務化した1997年の京都議定書や2015年のパリ協定などを経て、現在は120以上の国が、2050年までに二酸化炭素の排出をゼロとすることを長期目標に掲げ、「脱炭素社会」の実現を目指しています。

ゼロカーボンシティ

ゼロカーボンとは、その名の通り炭素の排出をゼロにすることです。しかし、「カーボンニュートラル」と同じ意味合いで使用されていることも多く、企業や団体が、二酸化炭素の排出量をプラスマイナスゼロにするための目標をかかげる際によく使われる言葉です。
「ゼロカーボン」は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた施策として、環境省で進められている「ゼロカーボンシティ」という取組みの名称に含まれています。
「ゼロカーボンシティ」とは、脱炭素社会に向けて、2050年までに二酸化炭素の実質排出量ゼロに取り組むことを表明した地方公共団体を指します。2022年6月30日時点で、749自治体(42都道府県、440市、20特別区、209町、38村)が表明し、表明自治体の総人口は約1億1,852万人となっています。
久留米市は、他の中核市に先駆けて、2021(令和3)年2月22日、令和3年第1回市議会定例会において、「2050年までにゼロカーボンシティ」を目指すことを表明しました。
地球温暖化による大規模な気象災害は、地方公共団体にとっても重要な課題です。ゼロカーボンを実現するためには、地方公共団体・企業・住民が一丸となって取り組む必要があります。
活動内容は主に、省エネ推進、再生可能エネルギーの利用、ごみの減量・リサイクル、自然環境の保全、環境教育などです。それらの活動を通して、二酸化炭素の排出量と森林などの吸収量を差し引きゼロにし、温暖化の防止や、災害に強く暮らしやすい街づくりをすることを目的としています。

まとめ

カーボンニュートラル、脱炭素社会がいま重要であることの背景には、産業や技術の発達が大きく関係しています。世界の年平均気温は、1891年の統計開始以降、確実に上昇傾向にあります。工業化以前の頃と比べると1度以上も高くなっているのが特徴です。特にここ数年の上昇幅が大きいのも特筆すべき点といえます。この勢いで進むと、2100年には約6度も上昇してしまうことになります。世界的に気温が6度も上昇することは、大きな気象災害・気候変動・自然生態系の変化・経済活動の鈍化・人間の健康状態悪化などに深刻な影響を及ぼすものです。
今までとは降雨パターンも変化し、台風や洪水などの被害規模も大きくなるほか、熱帯地域で発生するマラリアなどの感染症の範囲も広がる可能性があります。農作物の生産にも困難をきたし、世界的な食糧難を引き起こすとの見方もあります。
将来の世代も安心して暮らせる、持続可能な社会をつくるため、急ぎ、脱炭素社会の実現に向けて取り組まなければならないのです。

藤田 八暉
久留米市環境審議会会長
久留米大学名誉教授

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