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第3回 猛暑日、熱中症、暑さ指数と熱中症警戒アラート

更新日:202206281700


第3回 猛暑日、熱中症、暑さ指数と熱中症警戒アラートについて

7月に入ると各地で厳しい暑さの夏になります。このところ、毎年のように各地で観測史上最高の暑さを記録したというニュースを聞きます。
2022年6月25日には関東地方を中心に猛烈な暑さとなり、群馬県伊勢崎市では40.2度を観測し、6月の国内最高気温を更新しました。東京都心では35.4度を観測し、2022年初の「猛暑日」になり、6月に都心部での猛暑日は1875年の観測開始以降で最も早くなりました。
久留米市は2018年8月13日に39.5度を記録し、2018年度の猛暑日が44日と全国1位となって以来、暑い都市として全国に名を知られるようになっています。

猛暑日

この「猛暑日」という言葉は、天気予報や気象情報の解説などで用いる予報用語には元々ありませんでしたが、最高気温が35度以上を観測する日数が1994年以降その頻度が増えていることから、気象庁は2007年4月に予報用語を改正し、「熱中症」とともに、最高気温が35度以上の日を「猛暑日」と定義し、使用を始めました。
気象庁の統計では、猛暑日の年間平均日数は、1910年から1939年の30年間では0.8日でしたが、1990年から2019年の最近30年間では約2.3日で、約2.9倍にも増加しています。
ちなみに、最高気温が30度以上35度未満の日を「真夏日」、25度以上30度未満の日を「夏日」としています。

熱中症

猛暑日や真夏日の日数の増加は、「熱中症」の増加という私たちの生活に大きな影響を及ぼします。「熱中症」とは体温の上昇により、体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、さらなる体温の上昇やめまい、痙攣、頭痛など様々な症状を起こす病気です。
近年の猛暑で、「熱中症」による救急搬送者は総務省消防庁の統計によると2018年6月~9月は約9万3千人、死者数は厚生労働省によると約1,500人に上りました。

暑さ指数

熱中症による被害が2010年頃から急速に増加していることから、環境省と気象庁は「暑さ指数(WBGT)」を導入しています。これは熱中症を予防することを目的として1954年にアメリカで提案された指標です。
暑さ指数は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい気温、湿度、日射・幅射熱など周囲の熱環境を考慮した指標です。暑さ指数が28以上になると熱中症で搬送される人が著しく増加する傾向にあります。28以上31未満を「厳重警戒」とし、31以上は「危険」と定めています。特に「厳重警戒」では外出の際に炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意すること、「危険」では、高齢者は安静状態でも発生する危険性が高く、外出はなるべく避け、涼しい室内に移動することを推奨されています。
熱中症は、屋外だけでなく屋内でも起こる可能性があり、猛暑日はもちろんのこと真夏日であっても注意して生活する必要があります。(出典:環境省「熱中症予防情報サイトこのリンクは別ウィンドウで開きます

熱中症警戒アラート

「熱中症警戒アラート」は、環境省・気象庁が熱中症予防のため新たに提供する、暑さへの気づきを呼びかけるための情報です。熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される際に発表し、市民の熱中症予防行動を効果的に促すものです。2020年に関東甲信地方で先行的に実施され、2021年4月からは全国での運用が開始されました。
「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険が高いと予想される日の前日17時及び当日5時の2回発表されます。環境省と気象庁は2021年度には全国で延べ613回発令しています。熱中症警戒アラートが発令されたら、外出はなるべく避け、エアコンを適切に使用し、水分をこまめに補給するなど、対処する必要があります。

おわりに

近年、熱中症搬送者数が著しい増加傾向にあり、国民生活に大きな影響を及ぼしています。気候変動の影響を考慮すると、今後も、熱中症による死亡者1500人超を出した2018年の夏のような災害級とも言える暑さが懸念され、社会全体で熱中症予防対策に取り組むことが必要です。
猛暑日の日数は増加傾向にあり、今後も増える可能性があります。これは気候変動、地球温暖化が要因となっているのは明らかです。温室効果ガスの増加により、地球の温度が内部に蓄積されることで、特に日差しの強い夏の気温が上昇しています。
全体的な気温の上昇は熱中症を含めた様々な被害だけでなく、自然環境や生態系にも多大な影響を与えています。
猛暑日が増える原因は私たち人間の経済社会活動にあることから、猛暑日を減らせるような具体的なアクションを考え、実行していかなければなりません。

藤田 八暉
久留米市環境審議会会長
久留米大学名誉教授

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