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平成27年第3回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202208171609


1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 平成27年第3回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましては、ご多用中にもかかわりませずご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております各議案の提案理由を説明申し上げますが、市議会議員選挙後の最初の定例会に当たり、改めまして、ご当選されました皆様に心からお祝いを申し上げます。
 また、去る5月24日に挙行いたしました久留米市合併10周年記念式典におきましては、正副議長をはじめ、多数の議員の皆様にご臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。
 久留米市は、合併10周年を経て、新しい5か年計画「久留米市新総合計画 第3次基本計画」に着手いたしました。
 これまで私は、市議会との信頼関係を機軸として、様々な政策をご審議いただき、ご理解、ご協力を得ながら市政運営を行ってまいりました。
 今後も二元代表制のもと、それぞれの権能を発揮しながら、住民の福祉増進のため、議員の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。
 そのような姿勢のもと、はじめに、これからの市政運営と直面しております重要課題として、久留米シティプラザ、地方創生、そして、それらを支える行財政改革について述べさせていただきます。

2.久留米シティプラザについて

 まず、久留米シティプラザについてでございます。
 都市づくりの戦略拠点として整備を進めております、久留米シティプラザの開館まで、いよいよ1年を切りました。
 整備工事は上空通路や屋根の設置、内装工事とこれから佳境を迎えます。
 4月以降、新たに18名の専門スタッフを採用し、具体的な管理運営の準備や開館後一年間にわたる様々な記念事業の企画、誘致営業活動などにも万全を期して取り組んでおります。
 開館記念行事につきましては、具体的な発表に向け、出演者等との調整を進めているところでありますが、学会など、開館後のMICE(マイス)誘致につきましては、国際会議を含め既に12件の内定を得ております。
 その他、まちなかに賑わいや驚き、笑顔をもたらすトップレベルの大道芸イベントや、プラザへの期待感を高める様々なプレ事業、開館後の相乗効果を見据えた「音楽によるまちづくり」などにも力を注いでいるところです。

 また、久留米シティプラザの整備を契機として、中心拠点にふさわしい都市空間の整備を、国・県等と連携し総合的に進めております。
 中心市街地の骨格となり、久留米市の顔となります明治通りなどを「くるめシンボルロード」と位置付けまして、来街者が楽しみながら安全・快適に回遊できる賑わいのある都市空間としたいと考えております。
 本年度は、久留米シティプラザ周辺を中心に、歩道用照明や植栽帯の整備、都市景観にも配慮した「バス停の高規格化」、「駐車場情報提供システム」の導入、Wi-fi環境の整備などを行ってまいります。
 また、環境への負荷が少なく、健康的で、小回りが利く自転車の利用促進へ向けまして、自転車走行空間や駐輪場の整備に取り組むほか、今月末にはコミュニティサイクル「くるクル」の運用を開始するなど、「自転車が似合うまちづくり」を推進してまいりたいと考えております。

 なお、シティプラザ事業につきましては、「公共工事設計労務単価」の改定等を踏まえたインフレスライド条項の適用のため、本議会に補正予算を提案させていただいております。
 市議会をはじめ市民の皆様には、再度、予算の増額を提案することになり、ご心配とご迷惑をおかけいたしますが、次世代にも誇れる施設を適正に創りあげていく所存でございますので、市議会の皆様、そして市民の皆様のご理解を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。

3.地方創生について

 次に、地方創生についてでございます。
 昨年、「まち・ひと・しごと創生法」が施行され、自治体においては、地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定が求められております。
 久留米市におきましては、本年2月に、いち早く、「暫定版」を策定したところであり、今後は、「久留米市まち・ひと・しごと創生会議」を設置するなど、多くの関係団体や市民の皆様の意見をいただきながら10月末を目途に確定版を策定したいと考えています。
 「まち・ひと・しごと創生法」の趣旨は、将来にわたって活力ある日本社会を維持するため、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への過度の人口集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保しようとするものであります。
 このことは、私たち、地方自治体にとっては、東京と地方の関係のみならず、自治体間競争の本格化を意味しております。
 各自治体が、一斉に地方創生に取り組む中で、久留米市の魅力、特性を活かした「質と量が伴ったしごと」をつくり、「しごと」が「ひと」を呼び、「ひと」が「しごと」を呼び込む好循環を作り出すことが重要な戦略テーマとなります。
 そのような観点から、地方創生の重要なテーマとして2点、雇用創出に向けた産業の振興と久留米市への移住促進について述べさせていただきます。

  1. 産業の振興について
     まず、産業の振興についてでございます。
     久留米市では、これまでも中小企業の新製品・新商品の開発・販路拡大の支援や、新産業の創出、戦略的な企業誘致など様々な施策に積極的に取り組んでまいりました。
     今後、域内はもとより域外からの雇用者を取り込めるような、質量ともに魅力ある雇用の創出を図っていくには、さらに戦略的な取組みが必要であると考えております。
     まず、1点目は、ゴム産業や医療といった従来からの基幹産業に加え、自動車やバイオ、食品、オフィス系企業の集積など、より高度で重層的な産業の集積を図ることです。
     既に、自動車産業とバイオバレープロジェクトは、着実に進展しており、「久留米開発センター」を含むダイハツグループの就業者は既に600名を超えました。
     バイオ分野においても、ベンチャー企業の創出、研究者等の雇用、「がんペプチドワクチン」や核酸医薬の開発が進んでおります。
     今後も、さらなる飛躍と地域への波及効果の拡大へ向け、新たな産業クラスターの形成とその受け皿となる新産業団地の整備に取り組んでまいります。
     また、産業振興奨励金を拡大し、新たに取り組みをはじめましたオフィス系企業の誘致についても、本年度2社目のコールセンターの進出が決定し、合計で100名を超える新規雇用が見込まれるところです。
     今後も、高等教育機関の集積や地理的特性などを活かしながら、若年者や女性の希望に応える雇用の創出に取り組んでまいります。
     2点目は、外からの資金の獲得と地域内での経済循環を高めることです。
     観光など集客産業の振興や、事業者の販路拡大への支援などによって、域外から稼ぐ力を伸ばすことが必要です。
     あわせて、地域内での調達や取引など経済活動を活発にすることで、外から得た資金を地域内で循環させていくことが重要となります。
     今後、ビッグデータの活用も図りながら、産業構造の分析を進め、商工団体等と連携しながら取り組みを進めたいと考えています。
     3点目は、低コストで円滑な事業活動や、新たな付加価値を生み出すイノベーション、創業などがやりやすい環境づくりです。
     新しいビジネスを支援する街なかインキュベーション機能の整備や、地場金融機関と連携した包括的な創業支援などを進めてまいります。
     また、事業者の意向等を踏まえ、オープンイノベーション環境の拡充や人材マッチング事業の実施、特区制度の活用の検討などに取り組みたいと考えています。
     一方、久留米市の基幹産業の一つであります農業を、競争力のある産業に転換していくことが必要であると考えております。
     これまで、農業の振興につきましては、若者にとっても「職業として選択できる魅力ある農業の実現」を目指しまして、様々な取り組みを進めており、5年間で約100名の新規就農者も誕生いたしました。
     具体的には、「久留米産農産物の販売力強化」を最重要課題として、収益性が高い活力のある園芸産地の育成や、私自身が大阪市場でトップセールスを行った「リーフレタス」をはじめとする久留米産農産物のブランド化、海外への販路拡大、そして農業の6次産業化などにも取り組んでまいりました。
     今後、これらの取り組みを強化しますとともに、九州大学大学院農学研究院等との包括協定を積極的に活用しながら、農産物のブランド化や農業の担い手育成等の分野を中心に、未来に向けて新たな農業政策を構築していく考えであります。
     さらに、私は、農業の成長産業化を図るためには、農村地域が有します生産機能や景観などの多様な資源を活用し、商工業をはじめとする様々な分野との連携を積極的に進めることが重要であると考えております。
     これらの取り組みによって、久留米市の農業のさらなる振興を図ってまいりたいと考えております。
  2. 久留米市への移住促進について
     次に、久留米市への移住の促進についてでございます。
     合併後続いた久留米市の人口減少は、25年度、26年度は反転し、2年間で700名を越える増加となりました。
     しかし、亡くなる方と生まれる方の差である自然動態は、全国と同様に、既に減少が始まっており、今後、その拡大が予測されています。
     久留米市では、これまでも、九州新幹線久留米駅の開業を契機としたウェルカムキャンペーンなど、移住促進に努めてまいりましたが、30万都市規模の維持には、これまで以上に、より戦略的な移住促進策と情報発信が必要であると考えています。
     早速、7月からは、新たな移住促進策として、子育て世帯や大都市圏からの転入世帯などを優遇する「転入ファミリー奨励補助」、開発の規制が強い市街化調整区域及び旧四町地域を対象とした「空き家活用リフォーム助成」、そして、久留米市のホームページを通じた戸建て住宅の「空き家情報バンク」を開始することとしています。
     また、総務省の地域おこし協力隊制度を活用して、外部からの視点も活かして、地域の魅力の掘り起こしや情報発信を図り、移住促進につなげられるよう取り組んでまいります。
     一方で、各自治体が移住促進に取り組み、3月末には、東京に全国の移住に関わる情報拠点として「移住・交流情報ガーデン」も開設された中で、久留米市が、具体的な成果を上げていくには、これまでにも増して、情報発信力、都市のブランド力が問われるものと考えています。
     地方創生を契機としまして、更なる移住促進策とともに、戦略的な情報発信の能力を有する外部人材の活用など、あらためてシティプロモーションの強化を図ってまいりたいと考えています。
     また、福岡県南の中核都市として、広域的な観点から魅力ある経済圏、生活圏の形成を目指す「連携中枢都市圏」の取り組みにおきましても、先日、国から採択を受けたところでありまして、首都圏等における情報の受発信や圏域への移住促進を強化すべく、具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。

4.行財政改革の推進について

 最後に、行財政改革の推進についてでございます。
 今年度から、第3次基本計画と併せ、経営品質の向上、健全財政の確立、そして公共施設管理の最適化を推進方針とする「久留米市行財政改革推進計画」に取り組んでまいります。
 森に木を植え水源の涵養を図りますように、私は、豊かな市民生活や都市機能の向上、そして税源の涵養となります施策には、将来を見据えて積極的に取り組まなければならないと考えています。
 一方で、今後、合併に伴う地方交付税の特例措置の縮小や公共施設の老朽化など、厳しい財政環境が見込まれる中では、集中する事業を選択し、行財政改革を徹底する必要がございます。
 徹底した事務の効率化や既存事業の検証、市民サービスの受益者負担のあり方の検討、さらには、将来を見据えた公共施設の保有や管理の最適化に、市をあげて取り組んでまいります。
 今後も、積極的な施策展開と健全財政の両立を図り、中長期的な視点で持続可能な財政運営に取り組んでまいる所存でございます。

 以上、大きく3点の重要課題について申し上げましたが、今年度からあらたな一歩を踏み出した久留米市のまちづくりには、地域の力の結集と協働による取り組みが不可欠であります。
 あらためて、正副議長をはじめ、議員の皆様、そして市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。

5.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。
 第63号議案は、平成27年度一般会計の補正予算案でございます。
 今回の補正は、12億8,963万円の追加と、久留米シティプラザ整備事業の継続費の変更をお願いするものでございまして、補正後の予算総額は1,406億8,963万円となります。

 以下、補正予算の内容について、説明申し上げます。
 はじめに、「ふるさと・くるめ応援事業」は、「ふるさと・くるめ応援寄付」の申込みの増加に対応するための費用として、9億1,843万円の増額をお願いするものでございます。
 次に、「久留米シティプラザ関連」の2事業、3億7,120万円でございますが、インフレスライド条項の適用による工事費増に対応するため、8番街区の再開発事業参加組合員負担金や、9番街区の工事費等の増額をお願いするものでございます。
 これらの補正予算の計上に必要な財源は、市税3億3,270万円、国庫支出金8,719万円、寄附金6億円、市債2億6,960万円等で措置いたしております。

 続きまして、第57号議案から第62号議案までの各議案は、急を要したため専決処分した案件について報告し、承認を求めるものでございます。
 第57号議案は、地方税法の一部改正に伴い、二輪車等に係る軽自動車税率の引き上げを延期する等、条例を改正する必要が生じたものでございます。
 第58号議案は、技能労働者への適切な賃金水準の確保に係る国からの要請を踏まえ、契約金額を変更するため工事請負契約の一部を変更する必要が生じたものでございます。
 第59号議案は、公務遂行中の交通事故により和解の必要が生じたものでございます。
 第60号議案は、介護保険法及び施行令の一部改正に伴い、低所得者に係る介護保険料の軽減措置を行うため、条例を改正する必要が生じたものでございます。
 第61号議案及び第62号議案は、公務遂行中の事故により、損害賠償額の決定及び和解の必要が生じたものでございます。

 次に、第64号議案から第72号議案までの一般議案について、説明申し上げます。
 第64号議案から第67号議案までは、日吉小学校校舎改築工事、屏水中学校校舎改築工事に係る各契約を締結しようとするものでございます。
 第68号議案は、市営住宅の明渡し請求及び滞納家賃等支払請求の訴えを提起しようとするものでございます。
 第69号議案及び第70号議案は、大石町ほか7町内で市道路線を廃止し、及び大石町ほか20町内で市道路線を認定しようとするものでございます。
 第71号議案は、長門石橋耐震補強(上部工1期)工事に係る契約を締結しようとするものでございます。
 第72号議案は、久留米市が土地の所有権を有することを確認することについて、和解の申立てを行おうとするものでございます。

 続きまして、第73号議案から第79号議案までの条例議案について、説明申し上げます。
 第73号議案は、地方税法の改正に伴い、軽自動車税のグリーン化特例の導入等を行おうとするものでございます。
 第74号議案及び第75号議案は、養護老人ホームの設備及び運営に関する基準の改正、食品表示基準の制定に伴い、条例中の用語を整理しようとするものでございます。
 第76号議案は、児童福祉施設最低基準の改正に伴い、保育所における保育士の数の算定に係る経過措置を改めようとするものでございます。
 第77号議案は、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の改正に伴い、保育事業所における保育士の数の算定に係る基準を改めようとするものでございます。
 第78号議案は、久留米市弓道場及び久留米市武道館の供用を廃止し、及び条例中の表の整理を行おうとするものでございます。
 第79号議案は、京町周辺景観重点地区を指定することに伴い、久留米市景観計画の地域区分、届出対象規模等を変更しようとするものでございます。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、なにとぞ、慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして提案理由の説明とさせていただきます。

(平成27年6月9日)

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