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平成22年第2回市議会定例会 市長提案理由説明

更新日:202208310927


  1. はじめに
  2. 中期ビジョンについて
  3. 平成22年度予算の特徴的取り組みについて
    (1) 「人」の視点から
    (2) 「安心」の視点から
    (3) 「活力」の視点から
  4. 九州新幹線全線開通への取り組みについて
  5. 各議案の提案理由説明

1.はじめに

 皆様、おはようございます。
 平成22年第2回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様におかれましてはご多用中にもかかわりませずご参集を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日、ここに提案いたしております、平成22年度一般会計予算案をはじめとします各議案の提案理由を説明をいたします前に、久留米市議会議員 石橋 剛 氏のご逝去を悼み、謹んで心からご冥福をお祈り申し上げます。
故 石橋 剛 氏は平成11年5月の初当選以来、環境問題をはじめ広範な分野で、その卓越した識見と、あふれる情熱を持って
 今日まで議会人としての使命に徹され、地域社会の振興に多大なご尽力をいただきました。さらに、これからのご活躍を期待しておりましただけに、志半ばにしてさぞかしご無念のことと存じます。ここに謹んで哀悼の意を表する次第でございます。

 次に、まず、久留米市職員の不祥事につきましてお詫びを申し上げます。
 去る4月27日、「部落差別を利用した脅迫事件」により久留米市立高等学校教職員が、有罪判決を受け、久留米市教育委員会は、当該教職員に対し「懲戒免職」の処分を決定いたしました。
 久留米市立高等学校の設置者であり、また、市長として、人権尊重の取り組みを推進しております私としましては、被害者及びその家族の方々はもとより、当該高校の生徒及び保護者をはじめ市民の皆様に対し、大変申し訳ない気持ちであり、誠に遺憾に存じております。
 久留米市では、これまで新総合計画や人権教育・啓発基本指針及びその実施計画にもとづき、講演会、街頭啓発及び研修事業の実施など、人権・同和問題の解決をめざした様々な事業に取り組んでまいりましたが、このたびの事件の発生を真摯に反省し、また、今回の事件を教訓として、市民啓発や市職員研修等の点検を早急に行うとともに、市教育委員会とも連携し教職員研修の再構築を図るなど、人権教育及び啓発を進めてまいります。

 また、4月20日には、再び久留米市職員による飲酒運転事案が発生いたしました。
 昨年9月に市職員が飲酒運転で検挙されるという事案が発生して以来、全庁を挙げて飲酒運転撲滅に取り組み、市民の皆様の信頼回復に努めております最中に、再びこのような市民の皆様の信頼を裏切る行為が発生しましたことは、忸怩たる思いであり、心よりお詫びを申し上げます。
 今後は、あらためまして、市民の皆様の信頼回復に向け、飲酒運転防止インストラクターを養成し、指導体制の強化を図るなど、強い決意の下、組織一丸となって飲酒運転撲滅に取り組む所存でございます。

 さて、私は、市長就任にあたり、前回市議会におきまして、日本が、そして久留米市が置かれている厳しい状況の中で、地方自治の原点であり、自治体の使命である「住民の福祉の増進」を市政運営の基本姿勢として「市民一人ひとりを大切にする市政 安心、活力に満ちた久留米づくり」を進めてまいる決意を述べさせていただきました。
 そして、本議会におきまして、平成22年度一般会計予算案を提案するに当たり、今後4年間に重点的に取り組む施策の方向性や目指す都市の姿、具体的取り組みを中期ビジョンとして取りまとめたところでございます。
 まず、この中期ビジョンの考え方について述べさせていただきます。

2.中期ビジョンについて

 現在、わが国は、これまで経験したことのない人口減少社会へ突入する一方、世界経済の地殻変動や地球規模の気候変動等に直面し、戦後築いてきた社会・経済構造が根底から変革を迫られる重大な局面にあると理解しています。

 この大変厳しい現状認識をしっかりと持ったうえで、私は、将来へ持続的発展が可能な久留米市へ向けて、市民が住み続けられる、また、市外の人々からも住みたいと思っていただける久留米市づくりを全力で目指したいと考えております。
 そして、そのようなまちとなる原点は、そこに住む人々の地域に対する誇りであり、愛着であると考えます。住民がわがまちを誇りとし、愛情を持てるまちこそ、都市の魅力であり、求心力となります。

 私は、そのような視点から、「人」、「安心」、「活力」の三つのキーワードを基本的視点として、五つの重点施策ごとに、市民の誇りと愛情が持てるまちの姿と、その実現へ向けた重点取り組みを設定いたしました。
 これから、この中期ビジョンを指針といたしまして市政運営に取り組んでまいりますが、先ほど、変革の時代と申し上げましたとおり、内閣の交替等の影響により政府が掲げます「ひもつき補助金の一括交付金化」をはじめとする地域主権改革や様々な政策の制度設計が、未だ具体的に見えない状況にあります。
 このことに関しましては、地方として国に対し、早急な対応を強く求めなければならないと思うところですが、国のこのような状況もあり、具体的重点事業などは、現時点においてお示しできる範囲のものであり、決して万全なものと認識しているわけではございません。
 したがいまして、今後も、刻々と変化する行財政環境も踏まえながら、さらに検討を重ねるとともに、毎年度の取り組みを検証し、取り組み内容のさらなる明確化、追加等の改善を行ってまいりたいと考えております。

 そのような、中期ビジョンの考え方のもとで、今議会に提案しております平成22年度通常予算の編成にあたりまして、3つのキーワードの視点から、特に特徴的な取り組みについて3点に絞って述べさせていただきます。

3.平成22年度予算の特徴的取り組みについて

  1. 人の視点から
     まず、「人」の視点としましては、「子育て支援」の充実でございます。
     中期ビジョンでは、市民一人ひとりが本当に大切にされ、市民それぞれに、それぞれの居場所がある「人本位の」の久留米市でありたいと考えております。
     そのための施策として、子育て、教育、人権、福祉政策等の重点取り組みを掲げておりますが、中でも子育てにつきましては、「医療の安心」など、久留米市の恵まれた環境を最大限に活かし、全国トップクラスの子育てしやすいまちを目指してまいります。
     子どもを取り巻く環境が厳しくなる中で、次代を担う子どもが健やかに生まれ、成長できる社会の実現へ向けて、多様な需要に応える保育サービスの充実など、きめ細やかな子育て支援策を積極的に展開したいと考えています。
     いわゆる「給付」だけではなく、安心して子育てができる環境を整えることが、現在の、あるいは将来の子育て世代にとって、住み続けたい、住んでみたいまちとしての大きな魅力になるものと考え、推進していく所存であります。
  2. 安心の視点から
     次に、「安心」の視点からは、「みんなで安全に取り組むまち」として、中国地方以西では初のWHO(世界保健機関)セーフコミュニティ協働センターが認める世界基準「セーフコミュニティ」認証の取得を目指してまいります。
     この「セーフコミュニティ」とは、事故、自殺、犯罪による死亡や怪我は、偶然の結果ではなく、予防できるという理念のもとに、行政と地域住民・関係団体などとの協働により、健やかで元気に暮らすことができるまちづくりを進めるものです。
     久留米市では、これまでも、市民との協働によるまちづくりを進めてまいりましたが、今回の「セーフコミュニティ」認証取得への取り組みは、そのモデル的事業となるものと考えております。
     また、そのような取り組みを進める一方で、高齢者や障害者の方への相談窓口の充実や、防犯灯設置費の補助など地域防犯対策の強化へ向けた支援、暴力団の排除へ向けた取り組み、地球温暖化防止対策の総合的な実施など、みんなが安全に安心して暮らせるまちづくりへ向け、行政として必要な役割を果たして参りたいと考えています。
  3. 活力の視点から
     最後に、「活力」につきましては、「住みたい」と同時に「住み続けられるまち」を目指します。
     日本経済は、海外経済の回復や緊急経済対策等の効果により、景気は持ち直し傾向にあるとされていますが、久留米市の経済、市民の暮らしには、それを実感できる状況になく、大変厳しい状況が続いていると言わざるを得ません。
     安心して住み続けていくには、生活を支える都市の活力と賑わいが不可欠であり、厳しい財政状況の中でも、短期的、中長期的視点から将来の発展に寄与する効果的投資を積極的に行う必要があると考えております。
     そのような観点から、短期的には、経済危機対策として、これまで補正予算や暫定予算で計上しました事業を着実に実施しますとともに、生活に密着した公共工事の確保、緊急雇用対策を実施してまいります。
     また、事業所税の課税開始に際し、厳しい状況にある中小企業への支援等について、歳入、歳出両面から可能な限りの方策を講じた次第でございます。
     一方で、中長期的観点からは、あらゆる産業がグローバリゼーション(世界規模化)の波にさらされる中で、久留米市の地域経済にあっても、農・商・工業の発展へ向け、国際経済交流の推進についても行政としての役割を果たしてまいりたいと考えております。

4.九州新幹線全線開通への取り組みについて

 続きまして、いよいよ全線開通まで九ヶ月あまりとなりました九州新幹線久留米駅開業への対応状況についてご報告させていただきます。
 去る5月1日に、坂本繁二郎生家がオープンし、これまで2,200人を超える来場者をお迎えいたしております。同じく23日には、新幹線新時代の象徴ともいえる、ステンドグラス輝くJR久留米駅東西自由通路の開通を迎えることができました。
 今後、観光案内サインの設置、JR久留米駅前モニュメントの整備など、広域交流の玄関口としての仕上げに取り組みますとともに、ステンドグラスの光が、明日の久留米を照らす光となりますよう、観光商品、観光ルートの開発や、久留米の魅力の情報発信に市の総力を挙げて取り組んでまいります。
 そして、久留米の魅力を広く周知し愛着を醸成できるような記念事業、久留米市を戦略的にPRする広報宣伝事業等を急ぎ進めたいと考えております。

 以上、今後の市政運営について述べさせていただきましたが、その推進には市議会のご支援が不可欠でございます。是非とも、正副議長をはじめ、議員の皆様、そして市民の皆様のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。

5.各議案の提案理由説明

 ここで、本日提出いたしております議案の審議をお願いするにあたりまして、各議案の提案理由の説明を申し上げます。

 議案第64号は、平成22年度一般会計予算案でございます。
 ご案内のとおり、平成22年は久留米市長選挙が行われましたため、一般会計予算は6月までの暫定予算としておりましたことから、今回、通常予算案をご提案するものでございます。
 平成22年度予算の背景となる地方財政計画でございますが、歳出面は給与関係経費や地方単独事業の削減を中心に抑制され、歳入面は地方交付税総額が増加する反面、地方税収については減少する見込みでございます。
 その結果、地方財政の歳入歳出規模は82兆1,200億円程度に、地方全体の財源不足額は、過去最大の18兆2,168億円になると見込まれております。
 さらに、平成22年度末の国・地方を合わせた長期債務残高は862兆円程度となって過去最大を更新する見込であり、今後につきましても社会保障費の増大など、さまざまな課題が山積しておりますため、国・地方ともに、より一層の歳入歳出両面にわたる改革への取り組みが必要な状況でございます。

 このような中、久留米市の平成22年度予算編成に当たりましては、持続可能な財政運営と中期ビジョンに掲げます5つの重点施策の推進を中心に取り組んだところでございます。
 その結果、一般会計の予算規模は、1,184億9,000万円と、前年度に比べ1.9%増となり、先の3月議会で議決いただきました特別会計及び公営企業会計と合わせた久留米市の予算総額は2,107億3,400万円となっております。

 これから、一般会計歳出予算の主な内容についてご説明申し上げます。
 まず、目的別に見ますと、主要費目といたしまして、民生費463億4,991万円、構成比39.1%、土木費 129億2,792万円、構成比10.9%、教育費 123億3,329万円、構成比10.4%となっております。
 また、性質別では、普通建設事業費の構成比は12.4%、対前年度比6.7%減となっております。
 なお、人件費・扶助費・公債費の義務的経費は合計で574億1,201万円、歳出総額に占める割合は48.6%で人件費は減少したものの、扶助費と公債費の増加により対前年度比12.1%の増となっております。

 それでは、市政運営方針に掲げます5つの重点項目ごとに、施策の内容をご説明申し上げます。

 「子育て支援や教育などの人づくり、人権の尊重」につきましては、安心して子どもを産み、育てられる環境の整備といたしまして、子育てに関する不安や悩みを相談できる子育て支援センターの整備を促進いたしますとともに、民間保育所の施設整備に対する補助を実施いたしまして、定員増を図ることで保育所の待機児童解消に努めます。
 また、発達の遅れなどをもつ子どもと保護者への支援策といたしまして、幼児教育研究所の相談・訓練スペースの拡大と事業の拡充を行います。
 公立保育所におきましては、園児の体調管理を図るため、現在、エアコンを設置していない、すべての保育所にエアコンを整備いたします。
 また、街なかでの子育て支援策といたしまして、外出中に授乳やオムツ替えが必要になったとき、気軽に立ち寄ることが出来る場所を民間事業者の皆さまが整備される場合に、その経費を助成いたしますとともに、旧六ツ門プラザビル内に児童センターを移設し、保護者の皆さまが中心市街地で買い物をされます間などに一時的に子どもを預かるサービスを開始いたします。
 さらには、子育てにかかる保護者の皆さまの経済的負担を軽減するため、新たに、小学生の入院にかかる医療費への助成を実施いたしますとともに、保育料の軽減措置を引き続き実施いたします。また、従来、母子家庭だけを対象としておりました、就労のための高度技能習得にかかる経費の助成につきまして、久留米市独自の施策として父子家庭も対象といたします。
 次に、学校教育の充実に向け、平成23年度からの次期教育改革プランを策定し、次代の久留米を担う人間力・確かな学力を身につけた子どもの育成に努めてまいります。
 具体的には、少人数授業や小中連携の強化、授業へのICT活用、英語指導助手の活用などによります学力の向上に取り組んでまいります。
 また、市独自のスクールソーシャルワーカーの配置や、校内適応指導教室等の運営、不登校改善プログラムの実施など、不登校児童生徒の状態に応じ、きめ細かな施策を重点的に実施いたしますことで、不登校やひきこもり児童生徒の解消を目指してまいります。
 さらに、養護学校校舎の増築や特別支援教育支援員の配置など、特別支援教育の充実を図りますとともに、学童保育所を計画的に整備して定員を増加させるなど、充実に努めてまいります。
 青少年の健全育成と子どもの安全確保対策につきましては、非行等の問題を抱える青少年の居場所をつくり、そこで進路相談・就労支援などの立ち直り支援を行いますとともに、薬物乱用防止対策、通学路等におきます児童生徒の安全確保等に引き続き取り組んでまいります。
 また、人権教育・人権啓発に積極的に取り組みまして、あらゆる差別や偏見の解消を目指しますとともに、男女共同参画社会の実現に向け、「第3次男女共同参画行動計画」を策定し、各種審議会等への女性委員登用率向上などに努めてまいります。
 加えまして、DV対策基本計画を策定し、DVの防止、被害者の自立に向けた実効ある施策・事業展開を図りますとともに、児童虐待防止のための広報啓発を実施いたしまして、通告義務や通告窓口の認知度を高めてまいります。

 「医療、福祉など安心できる地域づくり」につきましては、健康診査やがん検診などの実施により、生活習慣病をはじめとした疾病の予防に努めるとともに、「自分の健康は自分で守り、つくる」を基本に、健康ウオーキング事業やラジオ体操を通じた健康づくりなど、市民の皆さまの自発的な健康づくり活動への支援や健康づくりの意識啓発に継続して取り組んでまいります。
 また、久留米市が有する高度な医療機能の集積を生かしました「がんペプチドワクチンの開発」をはじめとします、国内最先端の医療研究を支援するなど、高度医療都市の実現に向けて取り組んでまいります。
 次に、高齢の皆さまが住み慣れた地域で元気に安心して暮らせますよう、地域密着型介護老人福祉施設の整備や、適度な運動を地域の仲間と一緒に楽しめる場の整備などを進めてまいります。
 障害者の皆さまにつきましても、住み慣れた地域で安心して暮らしていけますよう、相談支援拠点を増設いたしますとともに、障害者ケアホームの整備を進めるなど、自立生活の支援のためのきめ細やかな施策の充実に努めてまいります。
 また、生活保護受給者に対するきめ細かな就労相談を継続的に実施するなど、自立支援を積極的に進めます。さらに、市内の自殺者数減少に向け、久留米市自殺対策連絡協議会を中心に関係機関の連携を強化し、総合的な自殺対策に取り組んでまいります。
 加えまして、地域での防犯灯設置への原則全額補助など、犯罪を減少させるための取り組み、暴力団排除条例の制定や地域住民の皆さまによります暴力追放運動への支援、地域住民の皆さまと一体となりました自主防災組織の育成、学校施設の耐震化、老朽化した木造市営住宅の早急な建て替え、民間木造住宅の耐震化への助成などに取り組んでまいります。
 また、旧4町地域での校区コミュニティ組織の設立支援や現行の校区コミュニティ組織への運営支援を行いますとともに、(仮称)市民活動促進条例の制定及び協働に関する指針の策定について検討を行うなど、市民の皆さまと行政が協働してまちづくりを推進していくための仕組みづくりに取り組んでまいります。
 さらには、低炭素社会の構築に向け、中小企業の皆さまへの省エネルギー機器等の導入・屋上・壁面緑化への助成やエコアクション21認証取得費用助成、既存住宅省エネ改修工事への助成、新規防犯灯のLED化促進等を実施いたしますとともに、現在実施しております施策を含めました、「久留米市域の地球温暖化防止対策実行計画」を策定いたします。
 また、環境に配慮したごみ処理施設の整備を進めるなど、環境先進都市となることを目指した環境配慮のまちづくりに積極的に取り組んでまいります。

 「農・商・工業の元気づくり」につきましては、植木・苗木や果樹等の農産物を地域資源として活用した観光農業の推進及び、農商工連携による農産物のブランド化や高収益型農業、地産地消への支援を行うなど、久留米産農産物の販売力強化に取り組みます。
 企業誘致につきましては、誘致を推進するための戦略プランを策定し、新たな力を生み出す産業集積に向けまして、藤光産業団地をはじめとする団地等への誘致に戦略的・積極的に取り組んでまいります。
 さらに、次代を担う産業を創出するため、福岡バイオインキュベーションセンターやバイオファクトリーの活用によるバイオベンチャーの育成、及び地域イノベーションクラスタープログラムによるバイオクラスターの形成促進など、新産業創出支援策を充実いたします。
 また、利子補給など金融対策事業の拡充による中小企業者の皆さまへの経営支援や、地場産業振興支援などによります地域産業の育成、中小製造事業者の皆さまを対象にいたしました、ものづくり振興補助金の創設や新規開業資金預託などによります開発・創業支援、プレミアム商品券発行補助などによります商店街支援策を実施してまいります。
 公共事業につきましては、今年度は特に国の補助事業が減少いたしております。それを補完するため、生活道路整備など、市民の皆さまの生活に密着した地方単独事業を可能な限り増額し、重点的に行いますことで、久留米市地域の経済活性化と生活環境整備を図ってまいります。
 また、雇用対策につきましては、県の緊急雇用基金を活用して、経済状況の悪化に伴い離職を余儀なくされた方々への臨時的雇用の機会を創出する事業を実施をいたします。

 「賑わいづくりや広域求心力づくり」につきましては、街なか居住の促進に向け、新世界地区再整備事業の支援や、中心市街地に地域優良賃貸住宅を建設する場合の補助を行うなどしまして、中心市街地の住宅供給を促し、コンパクトな都市づくりに取り組んでまいります。
 また、中心市街地における賑わいの創出といたしまして、旧六ツ門プラザビルの再生支援、商店街空き店舗対策の充実、六角堂広場やリニューアルした東町公園の活用、久留米光の祭典事業への支援、タウンモビリティ事業などを引き続き実施いたしますとともに、商店街との徹底した話し合いを重ね、新たに来街者促進社会実験に取り組んでまいります。
 一方、平成23年春の九州新幹線全線開業を契機といたしまして、観光入り込み客数の増大を図るため、花・自然・食・文化芸術・歴史などの地域資源を生かした観光商品・観光ルートの開発、旅行代理店などと連携した久留米市へのツアー商品の開発、関西圏などでの観光キャンペーン実施、有馬記念館での記念事業、さらには坂本繁二郎生家・水天宮・梅林寺などを結ぶ歴史のプロムナードの活用、B級グルメの祭典実施、久留米つばきフェアの継続開催、市内の観光スポットを有機的に結ぶための観光案内サインの整備などに取り組んでまいります。
 また、中国・合肥市との友好都市締結30周年を契機に、著しい経済発展を続ける中国をはじめとする東アジアをにらんだ国際経済交流の進展にも取り組んでまいります。
 次に、都市力を強化するための都市基盤整備でございますが、30万都市のシンボルエントランスにふさわしいJR久留米駅周辺の整備、外環状・中環状・内環状道路などの広域幹線道路の整備などによります、良好な市街地の整備を推進いたしますとともに、生活排水処理基本構想に基づきまして、総合的な生活排水対策を推進しますほか、都市景観計画の策定や花と緑の景観整備に取り組んでまいります。

 「行財政改革による質の高い市役所づくり」につきましては、久留米市行政改革行動計画に基づきまして、効率的でスリムな行政経営及び官と民の適切なパートナーシップの確立に努めてまいります。
 質の高い市役所づくりのためには、職員の質・能力を向上させることが重要でございます。そのために、職員全員が自ら久留米市発展のために何が必要かを考え、市民との協働の本質を理解し、そして行動できるようになることを目指しまして、政策形成能力養成研修などの職員研修を充実いたします。
 また、身の丈にあった持続可能な財政構造の実現を目指しまして、公共施設の統廃合・再配置に向けた検討や、久留米市版事業仕分けの実施等による事業の選択と集中を徹底いたしますとともに、民間活力の導入などによる事務事業のさらなる効率化等により総人件費を抑制してまいります。

 以上、歳出の主なものについてご説明いたしましたが、引き続き歳入についてご説明をいたします。
 まず、自主財源の根幹となる市税につきましては、法人・個人住民税を中心に景気低迷の影響を勘案し、当初予算では対前年度比3.4%減となる351億3,000万円を計上いたしております。
 次に、地方譲与税につきましては、対前年度比8.6%減と大幅に減少しております。
 地方交付税につきましては、地方財政計画を踏まえ、対前年度比8.8%増の211億1,000万円を計上いたしております。
 また、税収や交付税等だけでは山積するさまざまな行政課題に対応するための歳出を賄いきれないため、前年度と同様、主要4基金を25億円取り崩して対応いたしました。
 市債につきましては、新埋立地や街路事業など、大規模事業の減少等により、対前年度比4.1%減の119億1,550万円を計上いたしております。
 諸収入のうち、競輪事業収入につきましては、売り上げの低迷が続いておりますため、1億円を計上いたしております。
 なお、引き続き、歳入確保対策本部を中心に、税及び税外収入確保のさらなる推進を図ることといたしております。
 以上が一般会計の予算の概要でございます。

 次に、一般議案について、各議案の提案理由を御説明申し上げます。
 第59号議案及び第61号議案は、交通事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものであります。
 第60号議案及び第62号議案は、突風で吹き飛ばされた看板に起因する自動車破損事故及び小学校児童の負傷事故による損害賠償額の決定及び和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものであります。
 第63号議案は、交通事故による和解契約の締結について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものであります。
 第65号議案は、中央浄化センターちんさち沈砂池機械設備改築工事施行のため、条件付一般競争入札により工事請負人を定めたので、その者との契約を締結しようとするものであります。
 第66号議案は、市営住宅の家賃を滞納している者等9名に対し、市営住宅及び市営住宅の土地の明渡し請求並びに滞納家賃等支払請求の訴えを提起するので、市議会の議決を求めるものであります。
 第67号議案及び第68号議案は、津福今町外9町内の市道路線の廃止及び安武町武島外15町内の市道路線の認定について、市議会の議決を求めるものであります。

 続きまして、条例議案について、各議案の提案理由を御説明申し上げます。
 第57号議案は、国民健康保険法施行令の一部改正に伴い、久留米市国民健康保険条例の一部改正について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものであります。
 第58号議案は、地方税法等の一部改正に伴い、久留米市市税条例の一部改正について、緊急を要し専決処分いたしましたので、報告申し上げ、承認を求めるものであります。
 第69号議案は、久留米市からの暴力団の排除に関する基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、暴力団の排除に関する基本的施策等を定めることにより、暴力団の排除を推進し、もって市民の安全で平穏な生活を確保し、及び久留米市における社会経済活動の健全な発展に寄与するため、条例を制定しようとするものであります。
 第70号議案は、雇用保険法の一部改正等に伴い、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第71号議案は、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」及び「地方公務員の育児休業等に関する法律」の一部改正に伴い、職員の育児休業及び部分休業の見直し並びに職員の育児短時間勤務及び時間外勤務制限を新設するため、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第72号議案は、労働基準法及び地方公務員法の一部改正に伴い、職員の時間外勤務代休時間を新設したため、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第73号議案は、地方税法の一部改正に伴い、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第74号議案は、国民健康保険法等の一部改正に伴い、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第75号議案は、乳幼児医療費の入院医療に係る支給対象範囲を拡大するため、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第76号議案は、児童の心身の健全な育成を図るため児童の遊びの施設提供等を行い、児童福祉の増進に資することを目的とした久留米市児童センターを設置するため、条例を制定しようとするものであります。
 第77号議案は、久留米市総合児童センター内に設置している久留米市児童センターの移転に伴い、施設の名称等を改めるため、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第78号議案は、久留米市北野複合施設の設置に伴い、久留米市北野体育館の位置を改めるため、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第79号議案は、久留米市立中央図書館西分館の移転に伴い、施設の名称及び位置を変更するため、条例の一部を改正しようとするものであります。
 第80号議案は、久留米市荒木学校給食共同調理場を廃止し、新たに久留米市中央学校給食共同調理場を設置するため、条例の一部を改正しようとするものであります。

 以上をもちまして、各議案の提案理由についての説明を終了いたしますが、なにとぞ、慎重なる御審議の上、満場の御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。

(平成22年6月10日)

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