トップ > 組織からさがす > 市民文化部文化振興課 > お知らせ > 開館5周年記念「九州洋画Ⅱ 大地の力」
更新日:2021年10月27日 09時59分
明治の洋画界は、鹿児島や佐賀はじめ九州出身の画家たちがリードし、その後も多くの出身者が中央画壇で活躍しました。そのため、九州の美術史はしばしば日本美術の動向と重ねられ、その関連から考えられてきました。
では、「しろうま」という酒の名に由来する美術団体「白馬会」を結成し、日本のアカデミズムを作り上げた黒田清輝ら官展系と、そこから生じた二科会や、海老原喜之助の所属した独立美術協会など在野の勢力。また、独りおのれの画業を追求し続けた坂本繁二郎らの作品の間に通底するものは何だったのでしょうか。
本展は、外光表現を取り入れた白馬会があえて距離をとった黒、褐色という色合いや、ざらざらとした土の感触を手掛かりに、九州の風土が生んだ美術を辿ろうとするする試みです。それぞれの心の中の桜島や阿蘇。まぶたに焼き付いた一面に広がる菜の花。古墳の時代から近代産業化を経てきた歴史の蓄積によって蒸留された美意識や発想が、画家の内奥より、時には思わぬエネルギーとなって噴き出るような作品を集めました。
展示される明治から今日までの約80枚は、酒にたとえていうならば、白馬というより野性的な黒い馬(Black Spirytus)。大地に内在し、生活に偏在した造形力を示す、魅力に溢れた九州洋画の系譜をご覧ください。
主な出品作家
百武兼行、黒田清輝、藤島武二、岡田三郎助、吉田博、青木繁、坂本繁二郎、髙島野十郎、児島善三郎、古賀春江、東郷青児、牛島憲之、海老原喜之助、宇治山哲平、糸園和三郎、瑛九、浜田知明、池田龍雄、吉村益信、田部光子、菊畑茂久馬、池田学、田中千智ほか
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