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更新日:2023年01月17日 09時37分
梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。
早期に発見できれば薬物治療で完治が可能ですが、発見が遅れたり治療せずに放置したりすると、脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。
主に、粘膜や皮膚が直接接触することで感染します。具体的には、性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)等が原因となります。
感染後3週間
感染初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。
また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。
感染後数か月
治療をしないで3か月以上を経過すると、病原菌が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。
これは、小さなバラの花に似ていることから「バラ疹(ばらしん)」とよばれています。
発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合があり、また、再発を繰り返すこともあります。
しかし、抗菌薬で治療しない限り、病原菌は体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。
感染後数年
感染後数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。
また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死に至ることもあります。
近年、女性の梅毒が増加傾向にあります。妊娠中に梅毒に感染すると、早産や死産、胎児に重篤な異常をきたすことがあるため、早期発見、早期治療が重要です。
梅毒 年間報告数 |
平成29年 |
平成30年 |
令和元年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和4年 (10月1日現在) |
---|---|---|---|---|---|---|
全国(総数) |
5,826 |
7,007 |
6,642 |
5,867 |
7,978 |
9,312 |
女性 |
1,895 |
2,416 |
2,255 |
1,965 |
2,720 |
3,144 |
男性 |
3,931 |
4,591 |
4,387 |
3,902 |
5,258 |
6,167 |
福岡県(総数) |
227 |
321 |
277 |
314 |
349 |
380 |
女性 |
58 |
115 |
82 |
123 |
128 |
129 |
男性 |
169 |
206 |
195 |
191 |
221 |
251 |
感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、コンドームを使用することが勧められます。
ただし、コンドームを使用していても、感染の可能性はゼロではありません。
皮膚や粘膜に異常があった場合は性的な接触を控え、早めに医療機関を受診しましょう。
また、久留米市保健所では、性感染症の検査を実施しています。症状は無いけれど感染不安のある方も受検可能です。
詳しくは、HIV(エイズ)・性感染症検査・相談のページをご覧ください。