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市民活動支援基本方針

更新日:202111251437


久留米市では、ボランティア活動をはじめとする市民活動を総合的に支援することにより、市民と行政の協働のまちづくりを実現するため、その指針となる市民活動支援基本方針を、平成13年3月に策定しました。

はじめに

 現在、私たちの暮らす社会は、少子・高齢社会の急速な進行、環境問題の深刻化などの社会的な課題や国際化、高度情報化の流れに直面しており社会構造を大きく変革することが必要になっています。
 行政の分野においては、肥大化する一方であった行政組織を効率化・スリム化するための行政改革の取組、中央集権的で一元的な硬直化した行政システムから地域の特性を生かした柔軟な行政システムへ転換するための地方分権の流れ、自己責任と自由競争を基本とした社会をつくるための規制緩和の動きなど、戦後の行政のあり方を見直す取組が進められています。

 こうしたなかで、近年、ボランティア活動やNPO活動などと呼ばれる市民の自主的で非営利の社会活動の活発化が注目されています。 このような市民活動が社会に果たす役割は、平成7年の阪神・淡路大震災において改めて社会に広く認められたところです。 これを契機として、平成10年3月には「特定非営利活動促進法」が制定され、市民活動団体が法人格を取得する道が開かれました。
 市民活動は、行政や企業と異なる社会的なひとつのセクターと認識され、その成長が期待されています。市民セクターの発展は、これまで行政が主として担ってきた公共サービスの新たな提供主体が生まれることにつながり、多様な価値観に基づく豊かな社会の実現に寄与するものであり、近年、行政から市民セクターへの支援施策が展開されてきています。

 本市においても、平成8年度から庁内のボランティア活動推進研究を開始し、平成10年度には15名の市民代表委員で構成された久留米市ボランティア活動促進検討委員会を設置し、平成11年2月に、行政としての支援のあり方等について答申を受けました。 市では、平成11年4月にボランティア活動等の担当課としてボランティア支援推進室を設置し、同年6月には情報提供による活動支援のためボランティア情報センターを開設しました。

 今後、市民活動の重要性はますます高まることが確実です。 平成13年度を初年度とする本市の「新総合計画基本構想」においては、その策定の視点として、市民と行政の「協働を基本視点とした都市づくり」を掲げています。 この「市民活動支援基本方針」は、本市の最上位の地域社会計画におけるこのような位置づけを受けて、ボランティア活動をはじめとする市民活動を総合的に支援していくことにより、市民活動と行政の協働を実現するため、必要な施策を進めるうえでの指針として定めるものです。

第1 基本認識

1  市民活動の概況

 従来、公共サービスの提供は行政が一元的に行うものであり、例外的に採算性のあるものを企業が行うという考え方が一般的でした。 市民は、これらサービスの提供主体に対して、有権者・納税者として、又は消費者として要求・要望を伝えるという立場でした。 しかし、行政と市民の関係は、時代の推移と共に変化してきており、1960年代には高度経済成長の中で公害問題をはじめとする社会問題に対して行政や企業と対立する市民運動・住民運動という形で活動が盛んになり、1980年代になって福祉分野や環境分野などで市民自ら社会的課題の解決のために社会サービスを提供していく動きがみられるようになってきました。

 そして、近年、行政と企業のみによる社会づくりには限界が見えてきているなかで、ボランティア活動や市民活動、NPO活動などと呼ばれる自発的な市民の公益的な活動の重要性が認識されるようになってきました。
 平成7年の阪神淡路大震災では、のべ100万人を超えるボランティアが全国から集まり、様々な救援活動を展開したことは記憶に新しいところです。 災害時における行政からの救援の限界と市民の自発的な社会貢献活動の重要性が改めて認識され、これを契機に、国においては、市民活動団体に法人格を付与することによりその活動を促進するため、 「特定非営利活動促進法(以下「NPO法」という。)」が制定され、市民活動が社会的に注目されるようになってきています。
 平成13年1月現在、NPO法に基づく認証を受けた「特定非営利活動法人(以下「NPO法人」という。)」は全国で3,200を超えており、福岡県内や本市においても数多くのNPO法人が活動しています。 NPO法人は今後も増加し続けることが予測され、我が国における市民活動の高まりを示す一つの指標となっています。

2  市民活動を巡る概念の整理

NPO・市民活動団体等の概念図

図1 NPO・市民活動団体等の概念図

3  市民活動の特徴及び意義

  1. 市民活動の特徴
    市民活動は、公平・平等を原則とする行政の活動とは異なる行動原理に基づくものであり、行政と対比して次のような特徴を見いだすことができます。

  1. 市民活動の社会的意義
    上記の特徴を持つ市民活動には、これからの地域社会づくりにおいて、次のような社会的意義が認められます。

4 市民活動の現状と課題

 平成8年に経企画庁が行った「市民活動団体基本調査」によると、全国の市民活動団体の数は、約8万6千となっています。 この調査は、「継続的、自発的に社会的活動を行う、営利を目的としない団体で、公益法人(社団法人、財団法人等)でないもの」を市民活動団体と定義し、地方自治体を通じて対象を把握したうえで、これらの団体にアンケート調査を行ったものです。
 本市では、平成12年5月に市内で活動する市民活動団体を対象に、「市民活動団体実態調査」を行いました。 調査対象団体数は191、有効回収数は131(回収率68.6%)でした。 全国調査と比較しつつ、その概要を見てみます。

第2 基本的な考え方

1 市民活動支援の基本理念

  1. 市民活動の促進のための基盤整備
     市民活動支援の目的は、公益的な活動が多様に幅広く行われることにより、行政と異なる公共サービスを提供する主体が1つのセクターとして成長し、多様な市民ニーズが充足されるとともに、そこで市民が生き生きと活動する豊かな地域社会が実現されることにあります。
     市民活動は、今後発展していくことが予想されるものの、現在のところ財源や人的資源など活動のための基盤が脆弱です。本来、市民活動は自律的に発展することが望ましいのですが、これまで、社会的資源は行政セクターと企業セクターとに二分して集積されてきており、市民活動が新たなセクターとして発展するためには、人的資源や金銭的な資源等の社会的資源が市民セクターに注がれるような社会的な仕組づくりが必要です。NPO法は、法人格の付与により市民活動団体に社会的な信用を与えるという、この社会的な仕組づくりの第一歩であったといえます。さらに踏み込んで、市民活動団体が財源を得やすくするためには、寄附金控除や法人税の軽減などの税制上の優遇措置が必要とされており、国においても検討が進められています。
     地方自治体には、情報、モノ、金などの地域の資源が集められており、現段階で市民活動が発展するためには行政からの支援が重要です。支援施策を進めるに当たっては、市民活動の多様性や先駆性などの特徴を十分に理解した上で、市民活動が行政依存型にならず自律的発展が促進されるよう、活動基盤の整備を中心に進めることが必要です。
  2. 市民活動と行政の協働の促進
     市民活動と行政は、ともに社会の公共分野においてサービスを提供する主体であり、両者が共通の目的意識を持って、力をあわせることにより、より豊かで多様な公共サービスを生み出すことができます。このため、市民活動と行政の協働を進めていくことが必要となっています。両者が協働するためには、次のような要件を満たすことが前提となります。

 行政と市民活動は同じく公共分野で活動する主体ですが、その存立基盤や行動原理が異なるため、すべての活動分野において両者の協働が成り立つわけではなく、公共分野においては、行政が単独で責任を持って行うべき部分もあれば、逆に市民活動が単独で行うべき部分もあります。

 しかし、その中間には協働のできる領域が存在しており、今後この協働領域を広げていくことが求められています。
また、そこで行われる市民活動と行政の協働には、様々な方法が考えられますが、「事業の共催」、「業務委託」、「補助・助成」、「機材・場所の提供」、「後援」などが主なものとしてあげられます。 これらは、市民活動と行政の目的共有の度合いや市民活動団体の活動レベルなどによってより適切なものを選択し、積極的に取り入れていくことが必要です。

 行政からの市民活動への支援と両者の協働について整理すると、次の図のように表すことができます。
行政が市民活動を支援することは市民活動の多様化、自立化、活性化を促進することであり、言い換えれば、これを行政から市民への資源の分配又は市民への分権と呼ぶこともできます。 市民活動の支援は、市民の活動領域の拡大と、行政と市民の協働領域の拡大につながるものであり、行財政改革や情報公開の推進など行政分野における業務見直しの取組とあいまって、結果として行政の活動領域のスリム化をもたらすものです。

図6 市民活動支援と協働の関係

2 市民活動支援の原則

本市の市民活動支援は、次のような支援の原則を踏まえて、推進するものとします。

  1. 自主性、自立性の尊重
    市民活動は、その自主性、自立性にその特性があり、行政からの支援によりその特性を阻害しないことが最も重要です。支援に当たっては、行政への依存度を高めたり、活動に対して不当に干渉したり、癒着関係にならないよう留意します。
  2. 多様性、先駆性の尊重
    市民活動は、市民の自由な発想によって多様に展開されるものであり、既存の行政の縦割り組織による支援施策では不十分です。行政の縦割り分野を超えた総合的な支援施策を推進することが必要です。また、行政ではできないような市民活動独自の先駆的な取組を尊重して積極的に支援します。
  3. 公開性、透明性の確保
    市民活動の支援は、常に開かれたものであるべきで、その支援施策の情報は積極的に公表していく必要があります。また、支援の過程や効果が公開され、透明性を保っていることが重要です。
  4. 段階性、時限性の尊重
    市民活動団体は、その組織規模も様々で、小規模のボランティアグループと呼ばれるようなものから有給スタッフや事務所を持つものまで存在します。市民活動の支援は、市民活動の発展の段階に合わせて必要な施策を柔軟に展開していくことが必要です。
    また、市民活動が1つのセクターとして発展していくうえでは、市民活動を支援する市民活動が展開されることが必要であり、全国的には、このような中間支援組識の活動が活発化してきています。行政が直接行う支援施策は、永続的なものではなく、市民活動が自律的に成長する動きが軌道に乗るまでの時限的なものと位置付けておく必要があります。

第3 市民活動支援の基本施策

1 これまでの取組

 市民活動に関する市としての支援のあり方については、平成11年2月に久留米市ボランティア活動促進検討委員会から、パートナーシップの構築や側面支援を原則とした、活動の場の整備や情報提供の促進などの施策について答申を受けています。

 この答申に基づいて、平成11年4月にボランティア支援推進室を設置し、同年6月には久留米市ボランティア情報センターを開設して市内の活動団体の情報などを市民に提供しています。 また、平成11年5月に開設した筑邦市民センター多目的棟には市民団体活動室を設け、活動の場を整備するなど、市民活動の支援施策を進めています。

 平成12年3月に行った久留米市の「市民活動に関する施策等の実施状況調査」によると、平成11年度に実施された市民活動との協働や市民活動への支援に関する施策・事業は、115件に上っています。 施策等の種類としては、「活動資金の補助、助成」が49件で最も多く、次いで「機材、活動場所等の提供」が37件、「育成講座等の開催」が35件などとなっています(複数回答)。また、市民活動に関する施策等を所管する組織は33課であり、市民活動と関係を持つ庁内組織が広く存在することが分かります。

 しかし、現在の「活動資金の補助、助成」等の施策は、既存の団体に対するものが多く、補助金の交付先などが固定化される傾向にあります。また、これらの施策・事業は、所管課の担当する範囲ごとに縦割りになっており、多様化する市民活動に十分に対応できていない点も課題といえます。

2 今後取り組むべき施策

 前述の答申、施策の実施状況調査及び市民活動団体実態調査の結果などを踏まえ、今後、市としては次のような施策を重点的に進めていきます。

 また、市民活動に関する施策は、市民活動団体の自立に向けた活動環境の整備施策と、行政と市民活動の協働を進める施策を2つの柱として進めることとします。

2 今後取り組むべき施策

前述の答申、施策の実施状況調査及び市民活動団体実態調査の結果などを踏まえ、今後、市としては次のような施策を重点的に進めていきます。

また、市民活動に関する施策は、市民活動団体の自立に向けた活動環境の整備施策と、行政と市民活動の協働を進める施策を2つの柱として進めることとします。

(1)活動環境整備のための施策

  1. 活動拠点の整備
    市民活動団体などの活動の拠点となる機能を持った市民活動サポートセンターの整備を進めます。サポートセンターは、市民活動を行う市民や団体が自由に利用し、打ち合わせや作業を行う機能を備え、個々の団体等の活動を場所・機材などの面から支援することに加えて、様々な分野で活動する団体や人が集まることによって団体間の交流を進め、ネットワークを広める育成機能を持つことができます。
    また、市からの、人材育成や情報提供、相談事業などの支援策の拠点ともなるものです。 また、サポートセンターの設置に当たっては、市民参加を求めて意見を十分に生かして具体的な機能や運営方法を検討します。また、サポートセンターの運営は、市民活動団体自らに任せる公設民営の形態を目指します。
  2. 公的施設の利用条件の見直し
    既存の公的施設は、特定の目的で設置されたものが多く、活動分野が異なる団体は利用できないことがあります。 また、地域の公民館や学校施設などの公共的な施設の活用を進めることも市民活動への支援策となり得ます。
    これらを含めて既存の公的施設が市民活動団体にも有効に活用されるよう、その利用条件等の見直しを進めます。
  3. 資金助成制度の整備
    市民活動団体が組織的に活動するためには、資金の確保が重要な課題です。自立した活動のためには、会費、事業収入、寄附金、助成金・補助金などの多様な財源を持つことが望まれますが現状では困難であり、行政への資金援助の要望には大きなものがあります。
    一方で、市の補助金には、行財政改革における目的・効果の見直しの要請や市民活動の多様性への対応など検討すべき要素も多く残されています。また、市民活動の自主性、自立性を損わないことが最も重要です。
    そこで、市からの支援の一環として、新たな資金助成制度の整備を検討します。新たに整備すべき制度では、組織運営費を継続的に補助するのではなく、分野を特定せずに、組織の立ち上げ時期や活動の発展のための事業費を援助するプログラム助成に重点を置くとともに、支援の間接性・継続性などに優れた公益信託制度の活用も視野に入れます。
  4. ボランティア活動の拡大・推進
    市民活動が促進されるためには、活動に参加するボランティアの裾野の拡大が必要です。
    そのために、学校教育や生涯学習の場において、ボランティア教育の推進や入門講座の開催など、引き続き市民のボランティア意識の醸成のための取組を進めます。
    また、勤労者の市民活動参加を促進するため、市内の企業への情報提供や啓発に取り組み、ボランティア休暇制度などの活動環境の整備を進めます。
  5. 情報流通の円滑化
    市民活動が活性化するためには、必要な情報を収集する機能と社会に向けて情報を発信していく機能の両面において、情報流通能力を高めていく必要があります。 現在、ボランティア情報センター及びホームページ「久留米ボランティア情報ネットワーク」においてこれらの支援を行っていますが、今後、市民活動に必要な情報の蓄積と提供機能を充実し、団体からの情報発信の利用促進を図ります。
    さらに、市が持つ情報の積極的な開示、様々な広報媒体の活用促進など市の情報インフラを市民活動団体が活用できる体制を整えていきます。
  6. 人材育成・組織運営の支援
    組織を運営する人材が不可欠なを数多く確保することが市民活動の活性のためには必要であり、講座の開催など人材育成の支援を進めます。
    また、現在の市民活動を支えている年代は高齢者層が多いため、若い人材の活動への参画が進むように、大学な地域の関係機関との連携を強化します。
    さらに市民活動団体が組織の目的達成のため効果的に事業を行い、発展していくためには、課題解決能力や経営管理能力が重要になります。こうした市民活動のマネジメントを支援する中間支援組織の体制づくりを支援し、協力していきます。

(2)協働の推進のための施策

  1. 相互理解の促進
    市民活動と行政の協働のためには、相互理解の促進が前提となります。
    市職員は、今後の職務を行う上で市民活動の特徴や今後のまちづくりにおいて市民活動が果たす役割を十分に認識しておくことが必要であり、そのための研修を開催します。
    一方、市民活動の側にも行政の特性や行動原理を十分に理解しておくことが求められるため、行政職員と市民活動に携わる市民との交流の拡充を進めるとともに、行政の説明能力の向上を図ります。
  2. 業務委託の活用
    行政から市民活動団体への業務委託は、両者が契約を通して対等の関係を結び、共通の目的の実現を図るために有効な手段です。
    行政にとっては公共サービスの分業化が進み、組織の肥大化を抑える効果があり、市民活動団体には財政基盤の強化や事業の拡大というメリットもあります。最も大切なのは、市民の発想を生かした柔軟で多様なサービスが提供可能となる点です。
    現状でも市民活動団体への業務委託は少数ながら行われており、今後、契約に関する規制の見直しなどの条件整備を進めることにより、さらに市民活動団体への業務委託を積極的に増やしていくこととします。
  3. 市民、企業、行政の連携促進
    個人や市民活動団体のみならず、企業もまた地域社会の構成員としての市民であり、企業がまちづくりにおいて果たす役割には大きなものがあります。 こうした「企業市民」の認識に基づいて、企業の社会貢献活動が近年盛んになってきています。
    本市においても、今後、市民活動がさらに発展するためには、市民、企業、行政の連携と協働を促進することが重要となってきます。 このため、市民活動に関する団体の情報やニーズを行政が仲介して企業に提供したり、市民活動団体と企業の交流の場を設けるなど、企業の社会貢献活動を促進し、市民活動団体と企業との連携を深めるための取組を進めます。

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